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山尾悠子『歪み真珠』サイン会(紀伊国屋新宿本店)

ああ、なんだかまだ信じられないんです。
山尾悠子が新刊を出したというだけでも「あわわわ」とブルってしまったのに、さらにサイン会まで行われるとは……キャー!

そんな訳で仕事帰りに、紀伊國屋書店新宿本店へ行ってきました。
あらかじめ取り置きをお願いしていた1階レジカウンターで本と整理券を引き取り、サイン会場となっている9階に向かいます。
……が、なんてことですか。
花の週末、金曜日の夜ということで、お客さんが多いのなんの。
エレベーターがいっぱいなんですよ。

うーん、仕方ありません、9階目指して階段をエッチラオッチラ上っていきました。
すると……ラッキー!
開始時間までまだ15分ほどあったのですが、すでに列は2階分ほど伸びて、最後尾は7階あたりになっていたんです。
このまま9階までノンストップで上がると、もうブッ倒れてしまうところでした。
最後尾に並ぶと、すかさず係員がやって来て、「整理券の裏面にお名前を書かれますと、為書きもいただけます」。
ハーハーゼーゼー言いながら「判りました」。

ところで今回の本は函入りのうえ、本のカバーがパラフィン紙なんですね。
昔の「特別書き下ろし文学小説」みたいな、あんな感じです。
これだとサインをしていただくとき、どうするのかなーと思っていたら、ふたたび係員が「お待ちいただいている間に、あらかじめ函から本をお出ししておいてください」とのことで、なるほど。
まー、よくよく考えりゃ、それが当たり前のことですね。

……が。
函から出すと、本のカバーがパラフィン紙である、というところがクセモノなんですね。
なにしろ水分や脂分をよく吸い取っちゃうのですから、緊張のあまり(と、階段を7階まで上ってきた直後)、手に汗かいているしまっているのです。
こんな状態でパラフィン紙にくるまれた本なんて持とうものなら……ペトペトのバリバリのクチャクチャになっちゃうこと間違いありません。
かといってパラフィン紙を外してしまったら、きれいにくるみ直す自信もありませんし。
そんな訳で、ギリギリまでレジ袋に入れておくのでした(あったまいいー)。

そうこうしているうちに、列は徐々に進んでいきます。
3名ずつ区切って進むようになっていて、いよいよ会場に突入。
なんというか、部屋に一歩入ると空気が違うんです。
シンと静まり返った会場内に、本を置く音、ページをめくる音、ペンを走らせる音、それだけが響いてく、静まり返った緊張状態なんですね。
その緊張状態にあるのは、やっぱりご本人の圧倒的な存在感がヒシヒシと、行列している我々に伝わってくるからでしょう。

しかし、初めてそのお顔を拝見させていただく山尾悠子ご本人は、そんな圧倒的な存在感を醸しだすような方ではなく、とてもしとやかで素敵なオーラに包まれているのです。
しかも、わー、サインが終わると1回1回立ち上がって、「本日はありがとうございました」と丁重にお礼をされるのですね。
今日の定員は確か100人のはずだから……100回立ったり座ったりですか!?
だったらぼくの7階まで階段上りなんてツライなんて言えません!
もう、まったくもって申し訳ございません(←何を言っているのかよく判らなくなっている)。

「さてあと数人で順番はぼくだ」と緊張度MAXで前の方々を見ていると……あれ?
皆さん、整理券の裏に何やらメッセージを書き込んでいるのです。
もともと、今回の整理券は非常に大きく、B5サイズぐらいあったでしょうか。
その大きな整理券の裏面に、皆さん、為書き用の名前だけじゃなくて、メッセージもぎっしり書いているんですよ。
熱心な方だと、そういったところにもちゃんとコメントを書くのかー……などと呑気に思っていたのですが……どひゃーっ! エライことですよ。
なんと、この整理券の裏面は、実はメッセージ欄になっていたそうなんです。
がびーん、さっき為書き用の名前を書くときに全然気付かなかった……。
どおりで「為書き用に名前を書くには、スペースが余るよなあー」なんて思ってしまったわけです。
(そう思いながらも、「じゃあ、名前を心持ち大きく書いとこう」なんて思ってしまったという……大バカモノです)
山尾悠子サイン入り『歪み真珠』

そして、今回はさらにおまけまでご用意されていたのでした。
サインを書いていただくと、メッセージカードを1枚添えられるのです。
もう、まったくもって申し訳ございません(←しつこい)。
山尾悠子の直筆メッセージカード

さてそんな緊張のあまり、変な汗で危うくパラフィン紙のカバーをクチャクチャにしかけそうになったその帰り道、新宿駅の東口です。
そう、「カメラのさくらや」ですね。
特にPublic Image Limitedが好きだったので、「Live in Tokyo」のアルバム・ジャケットで煌々と光っているあのネオンが強烈な印象となって残っています。
そのさくらやが、この2月に全店閉鎖したばかりなのですが、この東口店は、屋上の看板そのままに、もうビックカメラとしてオープンしていたのでした。
新宿駅東口の顔が変わろうとしていました
こうして見ると、もう「Live in Tokyo」に残っている景色なんてまったくないのですよねー。

桐野夏生『ナニカアル』サイン会(丸善丸の内本店) のち雪

桐野夏生の新刊『ナニカアル』を記念してのサイン会が、丸善丸の内本店であったので行ってきました。
場所が丸善丸の内本店ということで、いつも会社帰りに立ち寄る「庭」みたいなところなんですよ、うわっはっは。
……などと余裕をカマして、時間ギリギリまでゆったり仕事を済ます予定だったのですが、そこはそれ、もうチキンハートなぼくなんです。
サイン会は7時からだというのに、6時を過ぎる頃からもう心はソワソワ、居ても立っても居られなくなっているのですよ。
6時15分には「帰りマース」とダッシュして会社を飛び出し、やってきてしまいましたよ、本屋さん。

しかしサイン会の列は、すでに丸善の2階外廊下をグンと伸び、空中通路で折り返すほどになっています。
うーん、この列の先頭は、いったいいつから並んでいるのだろう……。
というところでいつも思うのですが、こうしたサイン会での待ち時間(行列時間)って、いつ頃に来ると一番短くて済むのでしょうね。
例えば、開始時間ちょうどのタイミングで来ても、すでに長蛇の列ができていて、結構待つことになります。
しかし、だからといって早めに来て並んでも、始まるまでの待ち時間や、その前にすでに並んでいる人がいることを考えると、結局は同じ時間だけ並んでいるような気がしてなりません。

……ということは、そうだ! そうですよ! いい方法を思いつきました!
それは、「終了時間ギリギリに来る」という方法ですよ!
もう最後なので、待ち行列はかなり短くなっているはずです。だから待ち時間もかなり短いはずなんですね!
そうか、その手があったか。
だったら、サイン会の開始時間を過ぎても、まだゆっくりと仕事をしていればよかったというわけなんです。
なるほどねー。

……ただ。
コレはかなり危険なワザでもあるんですよね。
なにしろタイミングを誤ると、サイン会自体が終了して閉まっているのですから。
ハイリスク、ハイリターンな先物取引のようなデインジャラスさ。
やっぱり我々庶民は、コツコツと開始時間前に来て待つことの方がいいようです。

ところで。
これって桐野夏生サイン会に来ては、いつも言っているような気がするのですが、今日もまた、参加者の層が一種独特なんですよね。
男女比ほぼ半々なんです。で、女性が若い人が多いのに対して、男性は熟年層がやたらと目立つのです。
なんというか、娘に付き合っているパパたちと行った風情な行列風景。
ああ、なんとぼくの目の前では、そんな熟年層のひとり、それも夕刊紙を読みながら待っているオジさまが、なんと! 地べたに座り込んでいますよ! ウワーオ!
(サイン会の待ち行列で座り込んで待つなどという、初めて見た光景にちょっと興奮)

そんな訳で1時間ほどの待ち時間でお会いできた桐野夏生、相変わらずのアンニュイな感じでクールビューティなんですよ。
ステキです、ステキ。うっとり。
……あれ? でもTwitterのキャラクターとはちょっと違うような……。
そう思ったので、言ってみたんです。
「Twitterの書き込みもいつも楽しみにしています」って。
すると! おおう! なんとニッコリ笑って「ありがとうございます」。
ああ、もうその笑顔をいただけただけで、今日はご飯をどんぶり鉢に軽く3杯はいただけます。
ごちそうさまでした(←挨拶がおかしい)。
桐野夏生のサイン入り新刊『ナニカアル』

そんなこんなでハナ歌気分で電車に乗り、自宅に帰ってきたのです。
たしかに、東京駅ではみぞれ混じりの雪が降っていたのですが、そんな大したことはなかったのですよ。
ところが、最寄り駅で電車を降りて、改札口を出たとたんに「ナンジャ、コリャーッ!」。
誰もが松田優作です。
改札口の外は、歩道一面にシャーベット状の雪が積もっているんです。
場所によっては、通行人の足で雪が踏み固められて、すでにアイスバーンと化していたりするのです。
歩道には、シャーベット状に雪が積もり始めています

ウッヒャー、こいつはデインジャラス。モウスト・デインジャラス。
コケないようにへっぴり腰で歩いているオジサンの隣を、これまたヘッピリ腰で歩くぼく。
歩道の上でのツルツルバーンのデッドヒート。
コケなくても、腰をいわしてしまいそうですよ。

なんとか這うようにして家に帰ってきたのですが、道路上はまだシャーベット状でも、家の屋根には雪として積もっていました。
家の屋根はすっかり雪化粧
うーん、やっぱり明日のことが心配になってきました。
会社はいったいどうなることやら。

第3回 世界バカミス☆アワード(青山ブックセンター本店)

今年も、青山ブックセンターでバカミスの祭典「世界バカミス☆アワード」が行われるということで、昨年に引き続いて参加してきました。
第3回 世界バカミス☆アワード(青山ブックセンター本店)

司会進行は、「バカミスのエバンジェリスト」小山正さん、「バカミスト」川出正樹さん、「『マトリックス』をワイド画面で引き延ばしたような(by 小山さん)」杉江松恋さんの3名に加え、今年は日下三蔵さんも入った4名で行われました。
ここにゲストの倉阪鬼一郎さんと駕籠真太郎さんの2名が加わる訳です。
第3回 世界バカミス☆アワード(青山ブックセンター本店)
そして、さらには次のような豪華メンバーが「特別審査員」として参加していたのでした。

  • 霞流一(「バカミスと言えば、この人」)
  • 新保博久(朝日新聞に「笑えるバカミス」を掲載)
  • 鳥飼否宇(今日のために奄美大島から駆け付けた!)
  • 日暮雅通(鳥飼否宇と共に昨年のゲスト)
  • 宮脇孝雄(第1回のゲストにして、クライブ・バーカー『ミッドナイト・ミートトレイン』の翻訳者)

始まる前に、まずは選考方法についての説明です。
例年はmixiのコミュニティ内だけで候補作の公募がされていたのですが、今年は“開かれた環境”をめざして、Twitterでも公募を行っていました(「やっぱり“世界バカミス☆アワード”だからね」とのことで、オバマ大統領でも投票はウェルカムだったそうです(笑))。
その集計の結果、内外の40作品が「第1次選考」として選ばれ、さらに2次投票の結果、上位12作品が残されました。
その後、小山正・杉江松恋・川出正樹・日下三蔵の各氏により激論が交わされた上で、最終候補作として5作品が選ばれたそうです。
しかし今年はさらにネット投票も実施、選出済みの5作品以外のものが上位に入ったら、それも足すということになり、その結果、ネット投票枠から1作品が選ばれたそうです。
こうして、計6作品が「第3回 世界バカミス☆アワード」の候補作品が決定したのです。

その6作品をプレゼンする前に、まずは惜しくも最終選考から漏れてしまった6作品が駈け足で紹介されました。
いやー、しかしバカミスを紹介してもらうのって、どうしてこんなにワクワクしちゃうのでしょうねえ。
聞きながら、もうニタニタ、ヘラヘラ、気色悪い顔になっちゃって、申し訳ありませんです。

獅子宮敏彦『神国崩壊―探偵府と四つの綺譚』(原書房)
架空の国の歴史を作りあげた4つの短篇からなる作品だが、とにかく3作目となる表題作が素晴らしい。どうしてこのような作品を考え出してしまったのか……。
もちろん他の短篇も素晴らしいのだけど、この作品だったら抱かれてもいい(笑)と思えるぐらいに抜きん出ている。
パブロ・デ サンティス『世界名探偵倶楽部』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
1889年に行われたパリ万博に合わせて世界中の名探偵が集まるが(この時点で清涼院流水を彷彿させる)、事件が発生し、それぞれが活動を始めるのだけど……ミステリとしての「探偵と助手」の関係性に焦点を合わせた物語。
「助手はどうすれば名探偵になれるのか」というあたりがメタになっている。
平山夢明『ダイナー』(ポプラ社)
ハンバーガー小説(笑)。
殺人鬼が集う「殺人レストラン」でウェイトレスとして働くことになった女性の、純愛と成長の物語……で、とにかくお腹が減る。しかしそこは平山夢明、もちろんビチビチグチャグチャな描写もあるので、死体を見ながらご飯を食べるような……。
特筆すべきは、レストランに集う殺人鬼たちが皆、変な特技や性格、肉体改造をしているところ。
これはもう「山田風太郎忍法帖」だ。
詠坂雄二『電気人間の虜』(光文社)
とても紹介に困る作品であり、読者によってラストは賛否両論分かれそうな大変な問題児。
どれほど困った作品かというと、以前に綾辻行人が「作中にぼくの名前が出てくるんですよね」と困ったような顔をするほどの困った本(会場内爆笑)。
カール・ハイアセン『迷惑なんだけど?』(文春文庫)
重すぎる母親の愛に困る男の子の物語。
この母親は正義感が強いあまり、男の子が目を離すとすぐに、ルールを守らない人に「お仕置き」を仕掛けるというもの。
エリック・ガルシア『レポメン』(新潮文庫)
近未来、臓器移植の申し込みがスーパーマーケットでも気軽に行われるようになっている世界。
しかし、臓器移植のローンが支払えなくなると、移植された臓器を取り返されてしまうというルールになっている(今だったら借金を返せないと「臓器売ってでも」と言われるけど、それが問答無用で行われる)。
かつて、その取り立て屋だった男が主人公の物語。
臓器を取り立てるということで、ビチビチグチャグチャな描写はあるけれど、ホロリとさせられる。

惜しかった作品は以上の6作品でした。
そして、ここからいよいよ最終候補作の紹介に入ります。

ドゥエイン・スウィアジンスキー『解雇手当』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
前回も『メアリー・ケイト』でエントリーしたこの作者が再びのノミネート。
休日の朝一番に、社員を会社に呼び出した社長が「君たち全員を殺す」と宣言、一瞬にして阿鼻叫喚の地獄となる……という“なんじゃそりゃ”な物語。
全員協力し合って脱出すればよさそうなものなのに、誰もそうしないし(笑)。
あらすじ紹介には、ハイパー版『そして誰もいなくなった』 とあるが、どちらかというと『バトルロワイヤル』でしょう、それもいい大人たちの(笑)。
日暮雅通「ラストが言えないのがつらいなー」
ちなみにこの作者、こうしたバカミス以外にもビジネス書が出版されている。
それが、ソフトバンククリエイティブから出版された『ヌスムビジネス』というもので、内容は“産業スパイになる方法”。
と言っても、「高層ビルからどのように脱出するか」などと、日本では絶対に役立たないが(笑)。
ジョシュ・バゼル『死神を葬れ』(新潮文庫)
かつてマフィアの殺し屋だった研修医が主人公。
メディカルミステリというよりも、ぶっとんだキャラクタ造形が楽しい。
ギャグ満載の現在のエピソードと、シリアスな殺し屋時代のエピソードの対比が素晴らしい。
しかし本当に何気ないところで、ミステリとしても大きな伏線が張られていたりするので、ギャグやオフビートに目を奪われていると、「おおっ!」と驚かされること必至。
杉江松恋「註釈小説としても読める作品で、各章に『アメリカの製薬会社の営業は色仕掛けで医師を篭絡しようとするのがあたりまえ』のような豆知識が書いてある。全体的に能天気で、同じ医師作家でも日本の医療ビジネスについて悲観的なことしか書かない海堂尊とはだいぶ異なっている」
飴村行『粘膜蜥蜴』(角川ホラー文庫)
戦前の日本のイヤな時代の物語。唯一史実と異なるのは、トカゲ人間が存在していると言うこと。
東南アジアのトカゲ人間の国を日本が征服したため、彼らは日本に連れてこられ、下男や労働力として働かされている。
もともとトカゲ人間は、人間の脳を食べるものだが、有力者の息子の自宅で働く下男のトカゲ人間“富蔵”は日本生まれの日本育ちのため、ご飯と味噌汁しか食べず、その上軍国少年で将来は日本の兵隊さんになるのが夢という……。
こうした第1部が突然に第2部になるとまったく趣向の変わった「南方秘境小説」となり、第3部でそれまでのエピソードが融合することで、大きな愛が産まれるという物語。
小山正「第2部なんて小栗虫太郎の冒険小説を彷彿させて、ワクワクさせられた」
駕籠真太郎「当たり前のようにトカゲが登場して、誰も疑問に思わないところが“昔話”のような感覚。だからか、残酷描写もおとぎ話のよう」
マット・ラフ『バッド・モンキーズ』(文藝春秋)
杉江松恋「全米が泣いた……俺のなかでは」
精神科医に尋問を受ける少女と、バッド・モンキー(悪しき者)を葬る活動に勤しむ少女のストーリーが交互に語られる。
ブルーワーカーとして社会の底辺で誰にも信じてもらえずに生きなければならない、それでも自らの信念を貫く人間というハードな側面と、バッド・モンキー(悪しき者)を葬る武器が「オレンジ色の光線銃」というおバカさの対比に、「オースティン・パワーズ」のような、“バカが世界を救う”小説を見た思いがする。
駕籠真太郎『フラクション』(コアマガジン)
連続輪切り魔が登場するエピソードに、作者自身が登場してミステリ論を語るエピソードが交互に組み合わされる。
この作者のエピソードが、「作者」対「読者」という特殊な構造となる。
通常、ミステリでは一般的には「探偵」対「犯人」だが、それを「作者」対「読者」の次元まで引き上げているところが素晴らしい。
あとは絵のインパクトとトリックに、読了したら1日はボーッとしてしまう。
読書会では語り合える楽しさもあるから、友情をはぐくめる作品でもある。
霞流一は、同書内での「特別対談」のときは、製作上の関係で、まだ『フラクション』を読んでいなかった。
後日、献本として送られてきた同書を初めて読み、「先に読んでいたら自信喪失して対談は引き受けなかった」とか。
20世紀のバカミスの聖典がカーの『魔女の笑う夜』だとすれば、『フラクション』は21世紀の聖典であってもおかしくはない程の作品。
倉阪鬼一郎『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』(講談社ノベルス)
日下三蔵「……どこまで言ってもいいのかなー(困)」
全部で190ページあるうちの80ページが解決篇と、異常なほどに解決パートの比率が高いのも特徴。
倉阪鬼一郎「この本は文庫にはできないでしょうねー」
これだけのものを書く労力を考えると、1冊分の収入では合わないのではないだろうか。しかも文庫化もできないとなると、さらに合わない……。
鳥飼否宇「これだけのものだと、校正も大変だったのでは?」
倉阪鬼一郎「講談社ノベルスでの字送りのルールがあるのを知らずにいたため、初校は真っ赤になってしまったが、そこを指示することで再校ではピタッとおさまった」

ここで最終投票に入ります。
特別審査員と観客には、あらかじめ投票用紙が渡されてあり、最終候補作6作品のなかから「この本を読みたい」と思ったものを選びます。

集計結果を待つ間に、ゲストへのインタビューとなりました。

【倉阪鬼一郎】
初めて「バカミス」を意識して書いたのは『四神金赤館銀青館不可能殺人』。
確かに、それまでの作品でもネタとしてバカミス的なものもあったが、“アッパー系”ではないから……(会場内爆笑)。

ピーター・ディキンスンの『盃の中のトカゲ』を読んで、伏線さえ張っていれば、何をしてもいいんだ、読者は許してくれるんだなと学習した(笑)。
本格ミステリと言うよりも、だまし絵が好きだ。
ひとつひとつは魚や野菜なのに、全体で見ると人間だったというようなもの。
このような、どうでもいいと思われそうな細かいことを丁寧に描いていって、最終的には全然異なるものを描くものが好き。

『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』を書くのは、確かに最初は大変だったが、根を詰めれば仕掛けは描けるもの。
昔、出版社の校正を朝から晩までやっていたときに比べると、この作業は格段に楽しい。
根さえ詰めれば仕掛けはできるけど、その仕掛けを必要とする理由付けの方が難しい。
『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』も、最初からここまではしていなかった。
『四神金赤館銀青館不可能殺人』と比べるとちょっと弱いかなとドンドンと足していっていたら、ここまでになってしまった。

もともと幻想小説などは読んでいたが、ミステリを読むようになったのは30を過ぎてから。
岡嶋二人が引退した頃で、「席が空いているに違いない」と友人と合作して乱歩賞に応募しようということになり、色々と勧められたもの読むようになった。
ちなみにその友人は、今は作家ではなく、カタギの仕事をしている。

【駕籠真太郎】
もともとミステリは好きだったが、ここまで1冊まるまるミステリの作品というものは初めて。
ただし、好きといっても、正統派の本格ミステリよりも、バカミスや叙述モノなど変則的なジャンルのものがいい。

今回は、もともと1冊出版することになっていて書き下ろしで出したかった。 内容も、せっかくだから自分の好きな変則的なミステリで行こうということで、このような作品になった。 マンガでミステリといえば、金田一少年やコナンなど、キャラクタものが主流だが、自分はそういったキャラクタが苦手なので、「キャラクタに頼らないミステリ」を描こうと思った。

マンガを描くだけでなく、様々なグッズなども作成している。 (ご本人のホームページでも販売中)

  • 「バラバラ死体」のガチャポン
    手とか、足とか、バラバラに切断された人体のパーツだけが入っている
  • 泳ぐ水死体
    水死体の人形の腹に水中モーターが取り付けてあるもの
  • ジオラマ
    ゴミ袋に死体を入れて収集所に出しておいたらカラスに漁られてゴミ袋が破け、なかの死体が出てきている様子のジオラマ

ちなみに「バラバラ死体」のガチャポンが置いてある場所は、おそらく「バラバラ死体 ガチャポン」で検索すると見つかるでしょう……とのこと。

そしていよいよ投票の集計ができたようです。
栄えあるアワード受賞作が小山正さんにより発表されました。

第3回 世界バカミス☆アワード 受賞作
倉阪鬼一郎『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』(23票)
駕籠真太郎『フラクション』(21票)

今回は非常に僅差ということで、同時受賞となりました!
おめでとうございます!
記念品は、ポスターの図柄がアクリル板でとじられた盾(のようなもの)です。 第3回 世界バカミス☆アワードの盾(のようなもの)

他の作品への投票数は以下のとおりです。
ドゥエイン・スウィアジンスキー『解雇手当』(5票)
ジョシュ・バゼル『死神を葬れ』(4票)
飴村行『粘膜蜥蜴』(5票)
マット・ラフ『バッド・モンキーズ』(6票)

その後は、えへへへ、いよいよサイン会なんですよ。
こちらが駕籠真太郎サイン入り『フラクション』です。
駕籠真太郎サイン入り『フラクション』
ご本人は作中に登場するとおりの方なのですが、素敵な方です。決して……(おっと、ネタバレ寸止めだ)。

続いては倉阪鬼一郎サイン入り『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』です。
倉阪鬼一郎サイン入り『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』
サインを書きながら、「あれ? 以前にもサインしたことありませんでしたっけ」……って、それ、もう10年以上も前になるMYSCONのときですっ!
うひゃー、覚えていてもらっていて、なんとまあ、大感激です。
感激の余りに調子に乗ってしまい、疑問に思っていたことを訊いてみました。

『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』のなかで、「ある作品では、参考文献がミスディレクションになっている」と書かれていましたが、どの作品ですか?
(ちなみに「著者の言葉」と「著者近影」がミスディレクションになっているのは……同書ですよね?)

「そんなこと、教えられません! 自分で探してください!」と、けんもほろろに断られたらどうしよう……とドキドキしながら訊いていたチキン野郎なのですが、いえいえ。
にこやかに「ああ、あれは『無言劇』なんですよ」と教えていただけたのでした。
「誰も気付いてもらえなくてですねー」と、これまた作中人物と同じことをおっしゃられていたので、なんだかメタな気分に。
しかし『無言劇』とはまた意外な作品でした。家に帰って早速確認しようと思ったのですが……ひぇー、本がどこにあるのか判らない……。
すみません、改めて探しておきますです。

有川浩のサイン本で戦う本屋さん

通称「戦う本屋さん」とぼくとは、いつも静かな決闘の時を迎えているのです。
それはいつでも命がけのサイン本を巡る戦いごと。
お店というバトルフィールドでは、いつでもぼくと本屋さんの静かな戦いが繰り広げられているのですよ。

このお店の攻撃方法は、これまでにも様々なパターンが編み出されてきたのですね。
もうビックリするぐらい思いがけない攻撃なんですよ。
例えば、あるときは平積みの真ん中あたりにサイン本を隠していたことがありました。
(しかし平積みを横から覗いてシュリンクを発見)
平積みされている有川浩『植物図鑑』のなかにサイン本が

またあるときは、平台の普通本のなかにさりげなくサイン本を紛れ込ませていたこともありました。
(ウォーリーを探すよりも見つけやすいかも)
キミには最後のサイン本が見えるか!?

またあるときは、横から覗き込んでもシュリンクがはみ出していないサイン本があったこともありました。
さすがにこのときはこのサイン本には気付かなかったのですが、別のサイン本を取り出そうとして、その存在が明らかになったのですね。
平積みされた三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』、このなかにもサイン本が

このように、このお店とぼくとは、もうこれまで幾度となく様々なスタイルでの戦いを続けてきたんです。
そんな今日のこと、いつものように会社帰りに立ち寄ったときのことでした。

……あれ?
なぜかこれだけ裏返しの有川浩『キケン』

なぜか有川浩の新刊『キケン』だけが、平台に裏返しで置かれてあるのですよ。
もしかして……と手に取ってみると、おおう。
そうなんです、そうなんです、そうなんですよ。今回はこの本がサイン本だったのです!
表返してみると、表紙の下部、帯部分に「サイン本」と、いういつもの紙片が挟まれてあるのですよ!
うーん、なるほど。今回はそうくるか。

これが、例えば裏返しに置かれてあるのがこれ1冊きりであれば、「手に取ったお客さんが戻すとき、間違えて裏返しにしちゃったのかな」と思えるのですが、いえいえ。
この下にある数冊のサイン本、すべてが裏返しに置かれてあったのですね。
ということは、やっぱりこれは絶対、確信的に行われていますね。

このように、忘れた頃にあの手この手と様々な絡み手で戦いを挑んでくる会社近所の本屋さん。
果たして次回はどのような技で攻めてくるのでしょうか……。

ひょっとしたら、これまでにも実は戦いを挑まれてきていたけど、ぼく自身がまったく気付かずスルーしてしまっていた可能性さえ、考えられるんですよね。
ああ、しまったー! そう考えると、ぼくってなんてもったいないことをしてしまったんだろう……ってちょっと悔しい思いを感じます……。

Twitterで知る万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』サイン本情報

夕方、ボケーとTwitterのタイムラインを眺めているときのこと。
筑摩書房の1件の書き込みが目に入りました。

サイン本@丸の内
雨が止んで良かった!
5:43pm, Jan 28 from Tweetie

この書き込みとともに添付されている写真は……おお。
買い物カゴいっぱいに入れられ、“サイン本”のタグが付けらてた万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』ではないですか。
筑摩書房の書き込みを遡って見ていくと、どうやら今日、万城目学が営業担当者とともに都内の書店を回っているようなのですね。

そんな訳で会社帰り。
早速立ち寄らせてもらいましたよ、丸善丸の内本店。

ああ、そういえば丸の内にはもう1件、丸ビルの中に青山ブックセンターがありますね。
「@丸の内」だとそちらのお店の可能性もあるのですが……いえいえ、サイン本営業まわりだったら、きっと丸善でしょう。
そんなヤマカンで丸善に行くと……ありましたありました。
文芸コーナーの平台に、ドカンとサイン本が積み上げられています。
早速1冊手にとりレジへゴウ。

レジを担当してくれたのは、ワオ!
雑誌の書評や文庫の解説などでおなじみのカリスマ書店員、上村祐子さんじゃありませんか。 ヤバイのです、ヤバイ。
わざわざそんな方がぼくごときのためにレジなんて……ああ、そんなことして頂いていいのでしょうか。
ぼくの表情はなんとかポーカーフェイスを保っているものの、内心ではもうドッキドキ。
鼻血がブーと噴き出してしまいそうなぐらいに大興奮、ぶっ倒れそうになってしまっているのです。

そんな状況を知ってか知らずか、万城目学のサイン本を受け取った上村さん、ニッコリと笑い掛けてくれながら「先ほど、お店にいらっしゃったんですよー」。
もう完全に不意をつかれた笑顔の攻撃に、ぼくのポーカーフェイスの顔面は崩壊寸前ですって。
それでもなんとか「お店に来られているって、筑摩書房のTwitterで見たんですよー」とクールに答えようとして……待てよ。
「Twitter」って、市民権を得ている言葉なんでしょうか。
下手したら、これ、「ツイッター」じゃなくて「ツイスター」に聞こえてしまわないのでしょうか。
そして、「え、ナニ、この人、ヤダ。私とツイスターゲームをやりたいのかしら? うわ、キショイ!」なんて誤解されはしないでしょうか。
もしそんな誤解なんてされてしまおうものなら……嗚呼、ぼくはもう本屋さんウォッチャーとして出入り禁止を宣告されたも同然なんですよ。
いけません、それだけは決してあってはなりません。
しかしTwitterでなかったら、いったい何といえばいいのでしょうか……。
で、思わず出てしまった言葉が、

「筑摩書房のホームページ見たんですよ」

ぐああ! もう死にたい!
言うに事欠いて何を言っちゃっってるんでしょうか、ぼく。
いったいどこの世界に、1時間前のことをわざわざホームページにアップしているというのでしょうか……ウソ丸出しじゃないですか。
カッコ悪い……恥ずかしい……。
しかしそれでもさすが、笑顔を忘れない上村さん、ニッコリと微笑みながら「ありがとうございました」。

イヤ、まあ、そう言ってもらえると、それはそれで良かったのですが(内心で「???」と思われていたとしても)、しかし、いったい、何といえばよかったのか……。
やっぱりTwitterでよかったのかな……とずーっとクヨクヨしてしまっています。

そんな甘酸っぱい思いとともに購入した万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』、サイン本がこちら。
サイン入りの万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

大江健三郎『水死』刊行記念サイン会(丸善丸の内本店)

金曜日、花の週末の夜に会社近所の本屋さんで、大江健三郎のサイン会がある!……とのことで行ってきました。
大江健三郎『水死』刊行記念サイン会(丸善丸の内本店)

うああ、大江健三郎ですよ、大江健三郎。
大御所とか、御大とはまったく違う次元の、そう、もう「雲の上のヒト」と言ってもいいぐらいの方なんですですよね。
例えば、ぼくにとっての御大といえば島田荘司ですが、彼のサイン会のときも、確かに緊張のあまりにオシッコを漏らしそうなほどになってしまいました。
ただ、今回はなんというか、またそれとはまったく種類の違う緊張感なんですよね。
朝から「今日の夜、大江健三郎にお会いできる」と思うと、それだけでもう身体がガッチガチになっちゃっているんですよ。
会社にいても仕事になりません。

そんな訳で早く行きたいような、でも行くと卒倒してしまいそうで行かない方がいいような、複雑な気持ちのまま、18時半前、会社を出ました。
会場に着くと、列はもう店の外の空中通路で3列折り返しとなっていて、かなり伸びています。
男性率が9割で年配の方が多く、静かな興奮に満ち溢れている待ち行列

その列に並んでいる人々は、圧倒的に男性が多いですね。だいたい9割ぐらいが男性ではないでしょうか。しかも年配率が高いのです。
おヒゲを生やされていたり、いい生地のスーツを着られていたりして、なんというか、「学生時代からの読者です、会社帰りに来ました」といった部長とか、そういった方々が並んでいるという印象なんです。
そういった方は決して徒党を組むことなく1人での参加が多いようなので、これだけ列が伸びていてもどこか、シンと静まっているような、静かな興奮に満ちているような、そんな風に感じられるのも、また特徴的なのかもしれません。

並ぶこと1時間ちょっと、ようやく前の方まで回ってきました。
気さくに握手もしていただけるようです
(写真撮影は周囲からであればOKとのこと、前の方が握手されているいい写真を撮らせてもらいました)

次がいよいよぼくの順なんですね。
うあー、緊張してノドがカラッカラ、何もしゃべられません。
「よろしくお願いします」……うへぇ、声がかすれて変なオッサンですよ。
そんなガチガチの緊張ヤロー状態であることを察知したのか、ヘルプで付いているおヒゲのダンディな方(出版社の方でしょうか)が優しくフォローしてくれます。
うーん、素敵。
そんな訳でぼくも握手までしていただき、サインを無事にいただくことができました。
これ、“本物の”万年筆ですよ、本物。
一字一句丁寧に書いていただいたサインは、これ、もう、家宝ですね!
大江健三郎のサイン入り『水死』

いやー、それにしてもオシッコを漏らさなくてよかったー。
(結局、いつもの終わり方……)

特典が盛りだくさん! 蘇部健一『赤い糸』サイン本

泣く子も黙る、あのカルト作家・蘇部健一の新刊が、まさかまさかの早川書房から出ているんですよ!

早川書房ですよ、早川書房。
ゴマブックスじゃないですよ(←それは携帯小説の方の『赤い糸』)。
早三書房じゃないですよ。





などと、縦書きでしか表現できない出版社じゃないですよ。
ちゃんとした、あの、早川書房なんです。
これでもう、蘇部健一は、誰から何と言われようと、どれだけデビュー作が叩かれようと、老舗出版社から“ミステリ作家としての第一人者”のお墨付きを貰ったということなんですね!
しかもここ最近の蘇部健一は、ライトノベルも出しているし、「SFマガジン」に連載しているし……と、マルチ作家化していっているのではないかと。
あ! このジャンルの複合ぶり、ひょっとしたら、山田正紀を目指しているとか……それはスゴイぜ!

その“第二の山田正紀(←今、勝手にキャッチコピー)”蘇部健一の新刊『赤い糸』のサイン本です。
蘇部健一『赤い糸』のサイン本

わー、なんて可愛い!
以前の『六とん3』のときのサインは、「いいのかな、本当にサインなんかしていいのかな」と、遠慮感が漂っていたのですよね。
販促グッズで埋もれた蘇部健一『六とん3』

それがどうですか、今回のこのサインったら。
桜庭一樹のようにシールが貼られ、「赤」「ピンク」「紫」「水色」と多色になり、もうすっかり垢抜けていますよ!
うーん、さすがはミステリ界の第一人者として、老舗出版社から認められた自身のようなものが漲っていますよね。

しかし……為書きのところ、「中橋一弥ナま」と見えるのは……これ、何かの伏線なんでしょうか。
いやいや、そうに決まってます。何しろミステリ作家・蘇部健一なんですから。
ミステリ作家の描き出す奇想という名の伏線は、我々には思いも寄らないところで回収されていくのですよ。
きっと、この「中橋一弥ナま」にも、何かしらのトリック(あるいは暗号? 見立て? とにかくそういったミステリとして成り立たせるガジェット)が隠されているに違いないのですから。
もう油断も隙もなりませんって。

さて今回、蘇部健一はサイン本とともに、営業グッズとして小冊子も用意していました。
蘇部健一お手製の小冊子
これ……ソブケン先生の手作りなんですよ。
表紙の惹句が手書きなんです。また「手を切らないように」という配慮からか、ホッチキスの裏側にはちゃんとセロテープで封がされているし。
もちろん、袋綴じのシールも、きっとソブケン先生が1冊1冊、手でシールを貼っていったものなんでしょうね……すげー。

そしてさらに特典は続きます!
なんと今回の作品のナマ原稿が、ポチ袋に入れられて配布されているのですよ。
蘇部健一のナマ原稿
この原稿、今となっては貴重な手書きなんです!
しかもインクがなぜか緑!(うーん、それは目に優しいから?)
そして、なんと言っても原稿用紙がルーズリーフ!
さすがはソブケン先生! キャーキャー!
彼は決して「形から入る」なんて軟弱なことはしないのです。
伊東屋の原稿用紙も、モンブランの万年筆も、彼にとっては邪悪なシロモノにしか過ぎないのです。
孤高の作家、我が道を行く。
そのスタイルこそが、カルト作家たる所以なのかもしれません。
こんな「蘇部健一が蘇部健一たる理由であることを証明する」ナマ原稿がつくなんて。嗚呼。
これはもう絶対に彼のマニアには、たまらない逸品なんですよう……うひひ。

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