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茶遊び×ポタライブ横浜編 『さすらい姫』

ポタライブが、横浜は黄金町で開催されるとのことで行ってきました。

東南アジアのモン族の花嫁衣装を着て、黄金町界隈を案内してくれる青山るりこさん。
彼女の着ている花嫁衣装は、本当に結婚式で着たもので、ご主人のご家族がプレゼントしてくれたそうです。
モン族の花嫁衣装を着て案内する青山るりこさん

黄金町のなかにある素敵な民族雑貨のお店では、店主のお兄さんが、もう出演者かと思うくらいにノリノリ。
あれやこれやと素敵な民族衣装を持ってきては、お客さんに「試着」として着せてくれ、「後で返してくれるのだったら、そのまま着て行ってもらっていいよ」。
トータルで10万円以上もする衣装を何人もいる見ず知らずに人に着せて、そのまま「歩いて行ってもらってもいいよ」って……。
民族雑貨のお店でモン族の衣装を着る

モン族の花嫁衣装に興味津々な澄井葵さん。
花嫁衣装に興味津々の澄井葵さん

彼女からは結婚に憧れていると思われるようなガールズトークが展開されていきます。
ただ、その目につけている眼帯や、また纏足のように足首やふくらはぎを締め上げるブーツの存在が、ドメスティック・バイオレンス(DV)を暗示しているように思えてならないのですが……。
花嫁衣装に憧れていても、何かしらDVの影が

祖母から娘、そして孫へと受け継がれていくひな人形を連れて、古くからの賑わいのある伊勢佐木町界隈を案内する小手川望さん。
受け継がれるものとともに、受け継がれる街を案内する小手川望さん

彼女に寄り添うように歩く木室陽一さん。
乳母車を押す彼女と夫婦なのかと思ったのですが、どうも彼女には彼の存在が見えていないようなのです。
しかし、どこかで彼の存在感は感じているに違いないでしょう。
ずっと彼女に連れ添っている木室陽一さん

ゴールでは、荒井尚史さんよりお茶が振る舞われます。
プアール茶なんてぼくがいつも飲むような“なんちゃって茶葉”ではなく、本物ですよ、本物。モノホン。
プアール茶独特のクセなんてまったく感じさせられず、滋味溢れていてメッチャ美味しいんです。
お腹がタブタブになるまでいただいてしまいました。
荒井尚史によるお茶の振る舞い

花粉症が発症してしまっていて、鼻水が止まらないわ、頭もボーとしているわでどうも調子悪いなーと思っていたら、風邪まで引いてしまっているのかもしれません。
咳が止まらなくなってしまっていました。

「We dance 2010」(横浜市開港記念会館)

さむ! メチャクチャさむ!
朝からシトシト、シトシトとよく降る雨のなかをお出掛け、レッツゴウ!
……と思いきや、通り掛かった公園では、梅が見事に咲いているので、思わず写真を撮りまくってしまいましたよ。
寒い雨降りのなか、こんなに咲いたよ、梅
ああ、いけません、いけません、あまりのんびりしていては、遅刻してしまいます。

そんな訳で、今日と明日の2日間にわたって行われる「We dance」というコンテンポラリーダンスのイベントが行われるということで、観に行ってきました。
会場は、みなとみらい線の日本大通り駅を降りたすぐ目の前にある横浜市開港記念会館。
横浜市開港記念会館の入口
この写真のちょうど内側が階段になっているのです。
丸い窓が明かりとりになっているのですね。
1917年に建造されたということで、建物内のあらゆる箇所に趣が感じさせられます。
(きっと当時としては、どうっていうことないものかもしれませんが)
横浜市開港記念会館のなかの階段

今回のイベントは、この建物内のすべての部屋を利用して、様々なプログラムが催されるのですね。
だからタイムテーブルを睨み付けながら、「このプログラムは見たいなあ」「あ、でも裏でもこんな面白そうなプログラムが」「うぉ、これも気になる……」と悩んでしまって、もう大変。
しかしこの「どのプログラムを観ようか」と悩むところも、またひとつの楽しみとも言えるのですね、きっと。

基本的に、すべてのプログラムは撮影禁止です。
しかし“「1 on 1で写真撮影」の部屋”というプログラムのみ、タイトルどおり撮影可能となっています……というか、撮影しなければいけません。
これは、ダンサーが1人、踊っている部屋にお客さんが1人づつ入室して写真を自由に撮りまくるというものです。
いやー、これが本当に面白いんです。実に贅沢な5分間。
何しろダンサーを1人占めしちゃえるんですから、これ以上の贅沢ってあり得ませんよ。
そんな訳で2回もお願いしちゃいました。
いや、本当は全部でも参加したいのですが、他のプログラムも観ないといけないし……ああ、悩ましい。

最初に参加したのが神村恵さん。
神村さんといえば、何となく勝手にストイックさを感じさせられるのですが、今回もまさにそのとおりでした。
凛とした佇まいのなかでエネルギーを溜めて溜めて抱え込み、その溜め込まれたエネルギーがピリピリと身体の奥底から溢れ出してくるスリルとサスペンス。
目には見えない身体の奥底からの力で、観ているこちらをジワッジワッと攻めてくるようです。
神村恵さんとの「1 on 1」

そして、もうひとり参加したのがきたまりさん。
きたまりさんのダンスはかなりアグレッシブで、観ているこちらにも休める隙を与えません。
「これでもか」「これでもか」と言わんばかりに、攻めて攻めて攻めて、攻め続けてくるのですね。
しかもその攻撃は動きだけではなく、さらには眼でも殺してくるのですよ……。
男子諸君は気をつけてください。ホント、マンガみたいにハートをドキューンと撃ち抜かれますって。
きたまりさんとの「1 on 1」

この“「1 on 1で写真撮影」の部屋”は、1人のアーチストの持ち時間が45分、それをお客さんが5分ずつ分けるので、1日限定9人となります。
だからか、ものすごい勢いで予約が埋まり、受付の方にお伺いしたところ、今日のすべてのアーティストが完売だったそうです。
いや、これだけ面白いと何回もリピーターで参加したいし……。

プログラムは、各部屋だけで行われたもではありません。
待合ロビーでも、「会/議/体」なるプログラムが行われていました。
岸井大輔さんが司会進行、ゲストに柴幸男さん、カワムラアツノリさん、大道寺梨乃さん、大倉マヤさんで、会議によりお悩み解決
岸井大輔さんが司会進行となり、ゲストを交えながら、来場者たち(観客のみならず、アーティストも含む)の悩みを会議で解決するという趣向のものです。
今日のゲストは、先日、岸田國士戯曲賞を受賞したばかりの柴幸男さんに、初期型のカワムラアツノリさん、快快の大道寺梨乃さん、マヤ印の大倉マヤさんと豪華なメンバー。
これだけのアーティストが一同に介するのですから、お悩み相談もかなり建設的で、アートに解決。
ここで挙げられた解決方法、本当に本当だったら、これ、メッチャ気になりますね……。

そんなこんなで13時に始まったイベント、最後の最後まで観て回ってしましました。
時計を見ると、うひゃー、もう20時半ですよ……。7時間半も経っていたのでした。
うーん、7時間半といえば、会社でお仕事している時間と同じじゃないですか。
外に出てみると、横浜市開港記念会館がきれいにライトアップされていたのでした。
ライトアップされた横浜市開港記念会館

これはスゴイよ、浅草で地獄のテーマパーク

オノ・ヨーコとケンカした男、ワクサカソウヘイさんから「サラリーマン中橋、来てー」と声を掛けられて、深く考えず気楽に“ええでぇ~(桂三枝風)”と返事をしてしまった、ミラクル☆パッションズの第9回公演「地獄温泉」。
その公演がいよいよ来週の日曜日と迫ってきました。
そんな大事な時期なのに、今日が初めての稽古……ううん、大丈夫なのかしらん。
いや、大丈夫なのでしょう。

ミラクル☆パッションズの稽古場にて
このとき打ち合わせているのは、照明を担当してくれるピッチピチの女子大生2人。
まだまだ稽古場には理性が保たれている空気が張りめぐらされているのです。
真っ昼間、昼日中の午後1時のこと。

ところが、陽が暮れて魑魅魍魎が蠢き出す黄昏時ともなると、稽古場の空気が一変、エライことになってしまっているのです。
これがね、もうね、スゴイのですよ、スゴイ。

ミラクル☆パッションズのメンバーが織り成す「地獄のテーマパーク」の稽古に、客役として参加してみたのですが……ブワッハッハッハ、バカ過ぎてもう、これはヤバイ、と。
地獄の住人である鬼や魍魎たちは、自分たちで考えられる限りの極上のテーマパークを建設して、お客さんを最大限にもてなそうとしてくれるのです。
メッチャ気のいい鬼と、魍魎たちなんですよ。
だけど……ダーク。テーマパークなのに、ダーク。
なにしろここは地獄温泉、地獄のテーマパークなんだから……。
ダークな世界が繰り広げられる地獄のテーマパーク

こんなおバカでダーク、でも憎めない、そんな地獄のテーマパークは出演者がまたスゴイ。
そんな、ひょっとしたら「歴史の目撃者」になれるかもしれない、このチャンス、もしご都合が付けば、ぜひぜひ遊びにお越しください!

ミラクル☆パッションズvol.9「地獄温泉」

何をとち狂ったのか、ミラクル☆パッションズ!!新作は、アサヒアートスクエアに地獄型テーマパークを一夜限りで出現!!
豪華キャスト陣でお届けするコントと演劇の狂い咲きパーティー。
あなたは無限の一時間の中でいくつの地獄を巡れるのか? 今、魑魅魍魎たちが問いかける、地獄の在り方。

地獄温泉とは……温泉巡りのように、会場内をお客様が歩くことで様々なパフォーマンスに出会える新感覚のテーマパーク式公演です。

■作・演出:
ミラクル☆パッションズ

■出演:
ミラクル☆パッションズ
チョウソンハ(ひょっとこ乱舞)
笠井里美(ひょっとこ乱舞)
岩本えり(乞局)
墨井鯨子(乞局)
山崎ナオコーラ(小説家)
枡野浩一(歌人)
西尾佳織(鳥公園)
森すみれ(鳥公園)
木引優子(青年団)
岸井大輔(PLAYWORKS)
山森信太郎(髭亀鶴)
間野律子(東京デスロック)
吹原幸太(脚本家・ポップンマッシュルームチキン野郎主宰)
土佐有明(ライター)
広田淳一(ひょっとこ乱舞/劇作家)
毎よう子
今井孝祐
森桃子
いづみれいな
中橋一弥
せがわたくみ
増渕規予子
他、さらに豪華出演者

■公演日時:
2010年2月7日(日曜日)
15:00 17:00 19:00
(全3回 各回15分前より開場受付)

■会場:
アサヒアートスクエア
墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール4階
(銀座線浅草駅降りて吾妻橋渡りすぐ。浅草の隅田川沿いで、屋上に金色の大きな“雲”がある、あのビルです)

■料金(※ワンドリンクつき) :
前売2000円 / 当日2500円

■チケットのお申し込み方法:
こちらの公式サイトから直接お申込みください。
料金は当日、受付でのご精算になります。
http://form1.fc2.com/form/?id=440004

ひとりでも多くの皆さんにぜひ、ご覧いただけることを願いつつ……。
ミラクル☆パッションズ「地獄温泉」(アサヒアートスクエア)
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珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」(世田谷パブリックシアター)

久しぶりに珍しいキノコ舞踊団の公演を観に、世田谷パブリックシアターにゴウ。
開場19時30分、開演20時と、なんだか「大人の香り」に感じられる公演時間です。
珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」(世田谷パブリックシアター)

これだけ遅い時間での開演に、ひょっとしたら今回は1時間程度で終わるのかなとか思っていたんです。
ところがどっこい、今日は終わってからもアフタートークがあり、主宰者の伊藤千枝さんによる裏話なども聞けるという、実におトクな日だったのでした。
すべて終わって会場の外に出てみると、わお、時刻はもう22時前で、やっぱり大人の時間だ。
(でも、ぼくの前には子供さんの観客もいたりして、そのあたりはやっぱり観客を選ばないキノコらしいところです)

さてそんな久々の珍しいキノコ舞踊団(以下、キノコ)の公演なのですが、幕が上がったオープニング……え?
なんというか、キノコらしくないのです。まずは音楽が変。ノイジーな不気味な音楽で、メンバーもバラバラに踊るのです。
あれー、イメージチェンジを図ったのかしらん……などと思っていたら、うわー!
違うんです、違う。全然違いました。ネタバレになるから言えませんが(でも言いたい)、実はキノコらしいのですね。
もう「キノコらしさが明らかになった」ときの全員が揃ってのダンスに、もうサブイボがゾワゾワ出ちゃいましたよ。
しかも、このオープニングとまったく同じシーンが、エンディングでもリプライズされるのですね。
しかしこのエンディングのシーンは、オープニングとまったく同じ動きをしているにも関わらず、演出が若干変わっていて、これがまた全然違うものに見えてしまうのです。
すごいよ、すごい。

もちろん今回の公演も、どのシーンをとっても「ポップ」で「キュート」なシーンばかりなので、観ているだけでフワフワとした心地よい気持ちになります。
キノコの公演では、いつもこうした「心地よさ」や「元気」を貰えているような、そんな気がします。

個人的には、山田郷美さんのソロシーン、これがもうサイコーでした。
とてもしなやかに踊られる方だとは思っていたのですが、そのしなやかさがまた、セットや小道具、そしてライティングとピッタリあっているのですよね。
それがもう神々しくて美しいのなんの。
しかしそこはキノコ、ただ単に「神々しい」だけではありません。
セットの「家」では、暖炉から伸びた煙突の先から、煙がポワポワ浮かび上がったりするなど、決して「可愛さ」も忘れてはいないのですね。
なんというか、観客に「畏怖の念」を抱かせるのではなく、「可愛さ」を通じて温かい気持ちを抱いてもらおうとする、そういったところがキノコを安心して観られる理由のひとつなのでしょうね。

「可愛い」といえば、ダンサー2名によるガールズトークのシーンがもうとびっきりのキュートでした。
登場した2人のダンサーがずっと、どうでもいいようなガールズトークを延々と繰り広げているだけなのですが、実はこれ、かなりアクロバティックな動きをしながらの雑談なんですよね。
「どうでもいい話」と「アクロバティックな動き」、このギャップに会場中はもう大爆笑に包まれていました。
どんなシーンでも決して「可愛さ」を忘れない、これがキノコなんですよねえ。
あまりのステキぶりにうっとりしてしまっていたのでした。

次回公演は2月14日に、栃木県立美術館で無料パフォーマンスを行うとのこと。
キノコはこうした「劇場以外のところ」で行われるのがとっても魅力的なので、ぜひ行きたいなあ……と考えているのですが、うーん。
最近、休日前の夜はずっと夜更かしばかりの生活なので、こんな突然に朝起きて、栃木まで行けるかどうか。
(でも行きたい)
珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」(世田谷パブリックシアター)

アサヒアートスクエア(通称うんこビル)に潜入してきました

浅草駅から隅田川方面を見ると、イヤでも目に入るうんこビル……もとい、アサヒアートスクエア。
今回、ミラクル☆パッションズのメンバー、および次回公演「地獄温泉」の出演者やスタッフの皆さんと一緒にこの内部に潜入させてもらいました。

うんこビルとスカイツリーのコラボレーション
隅田川に掛かる吾妻橋から眺めると、ただ今鋭意建設中のスカイツリーとのコラボレーションが楽しめますね。
この建設途中のスカイツリーの姿も、あと何十年か経ったら、映画「オールウェイズ」での東京タワーのように、不思議な感じがするのでしょうかねえ。

こ会公演の設営の真っ最中に、お邪魔します
会場では、次回公演の設営の真っ最中でした。
お邪魔します……。

観客では普段見ることができないテラス席
会場の上には、このように見下ろすかたちでテラス席がありました。
いやー、このようなスペースがあるなんて、まったく知りませんでした。
(実はそれもそのはず、通常の公演時にはここを客席としてオープンせず、スタッフ用のスペースとしているそうです)

会場スタッフの方から説明を受けているところ
皆さん、会場スタッフの方から設営等の説明を受けている間に、ぼくは何をしていたかというと……

女子トイレもやっぱりゴージャスなのでした
わははは、こんなときぐらいしか立ち入れない女子トイレを見学させてもらっていたのでした。
覗きじゃないですよ! 係の方のご指導、ご鞭撻による立ち会いのもと、見学をさせていただき、写真を撮っているのですよ!
アサヒアートスクエアのトイレって、男子の方はかなりゴージャスなんですよね。
なので、女子トイレの存在もずっと気になっていたのですが、まさかこんなふうに疑問が解消できるとは……本当にどうもありがとうございました。

はみ出すうんこ
見学を終えて、ビルの外に出てきました。
ビルの前に広がる広場から上を見上げてみると……おお。
ヤバイのですよ、ヤバイ。うんこがビルから溢れ出しています。
いつ何時垂れ落ちてくるかと思うと、口をポカーンと開けて見上げているわけにはいきません。
早く帰ることにしましょう。
皆さん、本当にどうもありがとうございました。

シベリア少女鉄道「キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~」(新宿・タイニイアリス)

お久しぶりのシベリア少女鉄道。
帰ってきましたシベリア少女鉄道。
ただし今回は、諸般の事情とやらで、シベリア少女鉄道“スピリッツ”としての公演となっているようです。

そんな、お久しぶりの公演ということに加えて、会場が新宿のタイニイアリスとかなり狭い場所、さらには川上未映子が自身のブログでシベリア少女鉄道の本公演を期待を込めて大絶賛していたことなど諸々が重なって、前売りチケットがあっという間に売り切れてしまったとか。
この事前の期待感に応えてなのか、さらに当日券も出されていました。
結果、週末の公演は会場内がギューギュー詰めとなって、エライことになっていましたよ。
ぼくの場合、割と早い段階で入場することができたので、隅っこに座ったつもりだったのですが……あれあれ?
いつしか次から次へと椅子が運び込まれ、端っこに座っていたはずのぼくは、真ん中の方になっているというトリッキーさ。
まさにシベリア少女鉄道のステージを、客席でも体感してしまったような、そんな気持ちを味わされます。

そのステージですが……うはははは。
アイデアとしては、かつてのシベリア少女鉄道が帰ってきた!というものですよね、これは。

物語は、筆の遅いマンガ家の仕事場を舞台として、そのマンガ家とアシスタントと編集者が織りなす「思い込み」の展開。
その思い込みはタイトル通りのまさに「ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート」。
開演からの数10分はどこか怪しい挙動の数々に「?」と思わせながらも、マンガ家の仕事場における日常風景が繰り広げられています。
しかし、ある動作のきっかけをもとに……キター!
日常風景が繰り広げられるのかと思いきや、突然、本当に突然に衝撃弾が炸裂してくるのですよ!

しかし……あれ?
先ほど提示された「?」と思わされる伏線らしきものは、まったく回収されません。
ひょっとしたら、伏線と思っていたのは考えすぎで、実はなにごともなかったのかしらんと見続けていると……さらにキター!
先ほどの衝撃は、このための伏線だったのですね! もう次から次へと、誰もがよく知っているアレに、アレに、アレに、アレに、アレに、そしてアレ。

はっはっは、そうくるかと笑わされていたのですが……あれ?
どうもおかしいのです。最初に「?」と思わされた点もやっぱり伏線として、ある程度回収されようとしているのですが、どうもおかしい。何かがおかしい。
この伏線が、しっかりと回収されていないのです。
これはどういうことか……中途半端なこれで伏線は回収したつもりなのか……と思っていたら、ああ! やってくれました!
来ましたよ、来ました、ビッグウェーブが!
最後の最後に大オチが!

なんと、日常の風景だったと思われていた物語が、実は、誰もが知っている壮大なソレだったという……脱力感(いい意味で、ですよ)。
もちろん先ほどの伏線はすべて解明されて行くのです。
それどころか、先ほど中途半端にしか思えなかった伏線の回収は、実はこのラストの大オチにいたるための、さらなる伏線に過ぎなかったのですね。

そしていつものシベリアらしく、突然の暗転ののちに客電が付き、終了。
終わってみて時計を見ると、あらら。
1時間というかなりの短い上演時間だったのですね。
ただし、これ、仕方ないものだと思います。
ネタがあれ1発ということで、これ以上長くなると、見ている側として飽きてくる可能性があります。 そういう意味では程よい長さだったかもしれません。
そもそも、アレたちが一斉にソレ、という時点で、役者も舞台スタッフも、かなりの集中力が要されると思うのですね。
この上演時間には賛否両論出るかもしれませんが、ぼく個人としては、久々にシベリア少女鉄道が帰ってきた!ということで満足したのでした。

ただ、いつもながらシベリア少女鉄道を楽しむコツとして、大オチを知っていなければならないというモノがあります。
実は今回の“ソレ”、ぼくはあまりよく知らなかったのでちょっともったいないところもあったかも。

そんな訳で、今回のこの記事ですが、まだ公演が17日まで続いているようなので、ネタバレできませんでした。
なので「アレ」とか、「ソレ」とか、「ナニ」とか書いたのですが、自分でも忘れてしまいそうです。
(諸般の事情で、絶対にこれはDVD化やテレビ放映はできませんし)
18日以降、忘れないうちに書きなおすことにします。

指輪ホテル「洪水 - massive water」(シアターイワト)

行きたい行きたいと思いながらも、なかなか行くことができない劇団のひとつが指輪ホテルなんです。
初めて行った前回は、もう4年前のことなんですね。
会社帰りの週末、行ってきた人生2回目の指輪ホテルは、神楽坂のシアターイワトです。
指輪ホテル「洪水 - massive water」

主宰の羊屋白玉とミュージシャンのスカンクの2人の出演とあれば、これはもうどんな18禁的作品が展開されるかと、恐る恐るの鑑賞だったのですが……あれ。
とってもファンタジーな物語が展開されているではないですか。
どこか不器用なウサギとスカンク(ミュージシャンのスカンクが、“スカンク”に扮しているのです)による、森の奥でのキュートな物語。

ただし、ウサギとスカンクによるファンタジーな物語といっても、2匹の様相はまるでフリークだし、2匹の会話もうまく噛みあわず、奏でる音楽もどこか合うこともなく、なんとも気持ちの悪さ(居心地の悪さ)をずっと心の奥底に抱かされてしまうのですね。
しかし、あれだけ不協和音的な物語の展開に、どこか気持ち悪い思いをさせられていた物語が、ラストシーンではついに美しく調和した音楽が奏でられ、その心地よさにウットリとさせられるのです。
それまで徹底的に不調和に不調和を繰り返して、なんとも居心地の悪さを感じさせられてきただけに、このラストの調和に、なんというか、希望的な光が差し込んできたような、そんな美しさが見えたのですね。

ところが……ああ、なんということでしょうか。
物語をこうして美しく締めるのかと思いきや、ラストのラストでは、さらにどんでん返し。
観客に現実を思い知らされる“えげつない仕打ち”が待ち受けているのです。
うはははは。ありきたりなハッピーエンドとせず、こうした観客への仕打ちでブラックな終わり方に思わずゾクゾクしてしまったのですが……。

ところで今回の公演では、最前列に座ると、ウサギのサラダや、2匹が茹でたパスタの振る舞いがあります。
これってある意味、「物語に参加できる特典」といえますよね。いいなあ、羨ましいなあ……。
指輪ホテル「洪水 - massive water」(シアターイワト)

指輪ホテルの今後の予定としては、また3月に本公演があるそうで、こちらも非常に楽しみですね。

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