久しぶりに横浜港で極私的「工場クルーズ」

昼頃、モゾモゾと目を覚ますと、なんだか窓の外が眩しいのです。
カーテンの向こうを見てみたら……おおう。
なんといういい天気。絶好のお外日和なんですよ。
しかも、風もまったく吹いてないのか、横浜港の風車がまったく回っていません。
海の様子も……凪っぽい感じ?

これはチャンス。

久々にボートに乗ってみたい衝動に駆られちゃいました。
いつもお世話になっている東神奈川のUYフラッグさんに電話して訊いてみます。
すると! なんと! やったね!
今日はどのボートも空いてるからウェルカム、というではありませんか。

ということで!
久々にやってきました、横浜港!極私的工場クルーズ!ヒャッホウ!
お伺いした時間が遅かったので、借りられる時間は2時間しかありませんが、行けるとこまで行ってみましょう!
(こんなことならもうちょっと早くに起きるべきでした……)

瑞穂埠頭の根元にあるUYフラッグさんを出航し、まず見えてくるのはこれ、バンザイクレーンなんですね。
瑞穂埠頭の根元にある小さなバンザイクレーン
「バンザーイ」というよりも、両手を振り上げて「いってらっしゃーい!」とお見送りされているようなものでしょうかねえ。
いってきまーす!

その先にあるのが、ぼくが大好きなバナナ1号2号。
まるで「ロンドンブーツ1号2号」みたいなこの倉庫は、名前どおり、バナナ倉庫なんだそうです。
たまにバナナの甘い匂いも漂ってくることもあるそうなんですよ。
バナナ2号はブルーです。バナナ色じゃないのが残念
1号の方が、見事にキュートなバナナ色の倉庫なのですが、残念ながら船が留まっていてよく見えません。
仕方ないので、なぜかブルーに染め上げられた2号のみ見て行きましょう。

意外と知られてない昭和電工のボーキサイト置き場。
ボーキサイト置き場にある双子のバケットクレーン
この工場では長らく、アルミの原料となる「アルミナ」というのを造っているそうですが、環境問題から2015年までには撤退するそうです。
そうなると、この光景も見られなくなると思うのですね。
この双子のバケットクレーンたちも、いずれは撤去されてしまうのでしょうか。
こうして見られる今のうちに、ガンガン見ておかないといけませんね。
ぼくの大好きな東亜石油の京浜製油所扇町工場も撤退しちゃったし、京浜工業地帯で見どころがドンドンなくなるのは寂しい限りです。

ここから一度京浜運河に出てみます。
鶴見川の河口には、東京電力の火力発電所があるのですね。
双子の煙突が特徴の、東京電力火力発電所
例の原発問題で、今はフル稼働しているところだと思います。
奥に双子煙突があるのですが、震災前はこの煙突がとてもカラフルにライトアップされていたものです。
それが地震以降、すっかり暗くなってしまって、横浜の夜景が寂しいものになってしまっています。
(震災の影響を考えると、そんなことも言ってられないとは思うので仕方ないといえば仕方ないのですが)

鶴見川の向こうには、かなりの規模の造船所「ジャパンマリンユナイテッド」があります。
しかしこの会社、ちょっと前まではユニバーサル造船という名前だったはずなのに、いつの間にか変わってるんですね。
そのさらに前には「日本鋼管」(と日立造船の合併)だったし、もう覚えきれません。

このジャパンマリンユナイテッドでは、民間の船よりも海上保安庁の巡視艇や海上自衛隊の護衛艦がメンテナンスされているところをよく見かけます。
海上保安庁の巡視艇が3隻、停泊中のところ。
造船所には、海上保安庁の巡視艇が3隻停泊中

この船なんて、かなり艦橋や甲板がモノモノしいことになっています。 ひょっとして新造船?……と調べてみたら「補給艦(艦名ときわ)」というものだそうです。
船首に番号が付いていると、調べやすくていいですね。
何やら艦橋が物々しい状態

またこの造船所では浮きドックが海上に設置してあるんですね。
このなかを覗き込むのも楽しみのひとつなんです。
浮きドックのなかでは、まさにメンテナンスの真っ最中

浮きドックのなかでは、まさに掃海艇の「のとじま」がメンテナンスの真っ最中でした。
お仕事、ご苦労さまです!
メンテナンス真っ最中の掃海艇「のとじま」

このジャパンマリンユナイテッド(旧ユニバーサル造船)と運河を挟んだ向かいには、旭硝子の工場もあるんですよね。
このような看板を掲げて、とてもウェルカムしてくれてます……が、何をする課なのか、もひとつ判ってません。
非常にウェルカムな課のようですが……何をする部署なのか、もひとつ判りません

ふたたび京浜運河に出て、しばらく行くと見えてくるのは……カッコイイ!
日清製粉のバンザイクレーンです。
日清製粉の巨大なバンザイクレーン
さっきのバンザイクレーンとは違って、こちらは倉庫の規模が大きいからか、バンザイする腕もかなりデカイ。
なんというか、さっきの「いってらっしゃーい」みたいなカワイイものではないのですね。
全米アームレスリング大会で、優勝した選手が「I'm the Champioooooon!」などと雄叫びを上げているかのような、そんな迫力が感じられます。

そのバンザイクレーンの向こうにあるのが田辺運河ですね。
そこに入ろうとした所で「おお!」。
全長が200m以上はあろうかと思われるメチャクチャ巨大な貨物船が、運河の角のところにある三井埠頭にちょうど接岸しようとしているところだったんですよ!
“すでに停泊している巨大な船”というのはいつでも見ることができるのですが、こうして接岸するところなんて、なかなか見られるものではないですからねー。
もうずっと貨物船のお尻あたりに陣取って、眺めていたんです。

そうしたら、ひとつの発見が。
こうした巨大船でも、停泊しているときはちゃんと岸にロープを張って係留しているのですが、あのロープって、どうやって繋ぐのかなーと思っていたんです。
そうしたら、その瞬間を見ることができましたよ! やったね!
こうして小さな船でロープを船から受け取って、それを岸壁まで運んでいたのですね!
係留ロープは小型船で岸壁に運びます
わずか1隻の船が接岸するだけなのに、もうそれだけでも何十人もの人が働く現場、何だかステキです。

田辺運河の入口に2機あるイグアナクレーンも、日曜日だというのに1機が稼働中です。
イグアナクレーン、おシゴト中
仕事していない“頭を上げているとき”は確かにイグアナなんですが、おシゴトするために頭を下げたら……ああ、やっぱりイグアナだ。

この運河を奥に入っていくと、そこにそびえ立つのが、これ。
昭和電工の要塞のようなプラントですね。
ラスボス感満載の風格、昭和電工の要塞のようなプラント
どうですか、この重厚感。
背後からもスチームがもうもうと立ち込めていて、ラストボスの風格がありすぎです。
これを見るだけでも、工場クルーズの価値があるというものですね。

本当はこのさらに向こうにある東亜石油のタワーや、東燃化学の煙突から吹き出すフレアスタックも見に行きたかったのですが……あうあう、風が強くなってきたので断念、引き返すことにしました。

といっても、まだ時間もあるので、ちょっとだけ横浜港内をクルージング。
すると、何やら見慣れないものがあるんです。
緑色の帆船みたいなもの……?アレはいったい何だろう?と近寄ってみると……おお!
マストと舳先に作業用ネットが張られて、何やら帆船みたいに見えた氷川丸
なんと、氷川丸なのでした!
ちょうど海の方に向かっている舳先を、これは塗料の塗り直しでもしているのでしょうかねえ。
マストにも緑色の作業用ネットが掛けられているその姿が、沖合から見たら見慣れない緑色の帆船のように見えたのでした。

こうして無事に瑞穂埠頭のUYフラッグさんまで戻ってきたのですが、ここでまたしばらく長っ尻しちゃいました。
おかみさんの入れてくれるお茶をいただきながらベラベラ話しているうちに、外はもう夕暮れの景色に。
昭和初期に建てられた三井倉庫のカッコイイクレーンもこんなシルエットに染まっていたのでした。
UYフラッグ裏にある三井倉庫の建物も夕暮れの中に

ということで今回、2時間で約25kmの航跡と、各所で撮りまくった写真は以下でご覧いただけます。
お気軽にどうぞ~。

より大きな地図で 極私的「横浜港工場クルーズ」 を表示