水陸両用バスで東京タワーとレインボーブリッジを見に行った

大阪で以前、どうみてもバスが川の真ん中をプカプカ浮かんでいているところを見て、「ウワワ、事故でバスが橋から転落したのかしら!?」と思いっきりビックリさせられたことがあったんですね。
まあ実は、これが水陸両用バスを使った新しい大阪の観光ツアーだったんですが。

今回、東京でもそういった観光ツアーの実現を目指して社会実験が行われるとのことで、参加させてもらいました。
こちらが、その水陸両用バスです。

車体は思いっきり普通のバスという感じなんですが、タイヤ部分が妙に内側に入り込んだ感じで、バランスが悪く感じます。
なんというか、下半身が細い感じ?

このバスを後ろから見てみてみると……おお。

真ん中に堂々とプロペラが付いていますね。
道路でこのバスの後ろについたクルマは、目の前にプロペラがあるのでビックリすること間違いありません。

またバスと違って船でもあるわけですから、喫水線より下にドアを付けるわけにはいきません。
当然、入口はメチャクチャ高い位置にあるわけで、乗り降りは、飛行機のようにタラップを使って行うことになります。

バスの中はこのようになっています。

2列ずつ座席があるので、やっぱり普通のバスみたいですが、これ、窓にはガラスがまったくないのですね。
吹きっさらしなので、天気が悪かったら雨風がモロ直撃です。
冬だってメチャクチャ寒そうです……。
あ、でもボートに乗って、デッキにいると思えば別にこれが当たり前か。
さいわいにも、今日はメチャクチャ天気がよくて、気温も暖かい!
そんな訳で、窓ガラスのないバスは、まるで窓を全開にしているかのような、そんな気持ちいいクルーズとなりました。

浜松町バスターミナルを出発すると、本場関西からやってきた関西弁バリバリのガイドさんが、東京ディスニーランドのジャングルクルーズさながらに面白おかしく我々をナビゲートしてくれます。

バスはまず陸路を東京タワーに向けて進みます。

毎日見掛ける東京タワーですが、こうして観光バスから見上げると、なんだか観光中の旅行客みたいな気分になりますね。
何というか、見慣れた東京タワーではなく、初めて見たかのような目新しささえ感じるのです。
いいです、いい。メチャクチャいい。

やがてバスは品川を超え、普段は関係者以外立ち入り厳禁の「みなと清掃事務所」までやってきました。
ここに、海に入ることができるスロープがあるんですね。

何だこれ……と調べてみました。
goo地図でこのあたりを見てみると、昭和22年や38年の航空写真では造船所のあることが確認できます。

バスはこのスロープからゆっくり、ゆっくりと海に入っていくのかなと思ったのですが……いえいえ。

海を目前にしたところで、まずはストップ。
そして皆でカウントダウンし、その合図と共にスゴイ勢いでバスは海に突っ込んでいくんです。

ザバーン!

考えてみたら、ゆっくりソロソロ海に入っていっていたら、波に押し流されたりしてかえって危険ですからね。
また浅瀬を離れない限りはプロペラを使うことができませんので、惰性で深いところにまで行く必要があります。
そのため、思いっきり勢いをつけて海に突っ込んでいくのですね。

バスが海に入るところは動画にも撮影して、いつものようにYoutubeにもアップしました。 あわせてこちらもご覧ください。

こうしてバスが海に入ってしまうと……うーん、どうもいつもの見慣れた光景になってしまうのですね。

なんというか、非日常の世界から日常の世界に戻ってきた感じで。
しかし、よくよく見てみると、波を切る船体はまぎれもなくバスの車体なんですね。
サイドミラーにはドライバー……もとい、船長が、車体前部を映し出すフロントミラーには海面が写り込んでいるんです。

乗り心地もとてもいいので、フトすると、ついいつものような「船に乗っている感覚」になるのですが、これ、外から見るとプカプカ浮かんでいるバスに乗っているんですね。
ちょうど僚船と行き交いました。
こんな感じなんです。

なんだか、ちょっと深めの川をザブサブ進む逞しいバスのようですね。

反対に海から陸に上がるところも、実は大変なようです。
スロープから上がるのに、動力をプロペラからタイヤに切り替えなければならないんですね。
そのときの動画がこちらです。

ガイドさんが「1度で上がることができました」と言ってますねー。
ということは、やはりタイミングが悪かったり、海の状況次第では、やり直したりすることもあるのでしょうか……。

陸に上がると、すぐさま高圧スプレーで車体下を洗います。
そうかー、海水だもん、融雪剤が巻かれた雪道の比じゃないから、すぐ洗い流さないとエライことになっちゃいそうです。

こうして陸に上がった水陸両用バス、やっぱり下半身が細すぎて笑っちゃう格好をしてますね。
ここでも僚船と行き交い……もとい、同僚バスとすれ違いました。

向こうからみても、こっちはこんなバスに乗っているんですね。
そりゃ皆が注目するはずだわ。
クルマなんて見慣れているはずの道路工事中のオッチャンたちも、思わず手を止めてこっちを見いっていました。

こうしてあっという間に過ぎ去った90分間の「東京ダックツアー」、今日の水陸両方のルートはこのようなものになりました。

今回体感してみて感じたのは、やはり「バス」であり「船」である、という“変わった乗り物”を体験できるのが面白い。
もともと「旅行」「観光」って、非日常的なものを体験するものだから、その方法が更に非現実的なものだったらワクワク感は倍増すると思うのですね。
これはまた乗りたいと、ぼくは思ったのでした。

ただし、今のところバスを海に侵入させることができるスロープが、そんなにあちこちにあるとは思えません。
そうすると、どうしてもツアーを行うコースが画一的になりかねず、オープン当初は物珍しさから利用者が多く来たとしても、徐々に飽きられていく可能性も高くなると思うのですね。
そうしたときに、どのようなアイデアを出せるか、継続させることができるのか、そこにカギがあるような、そんな気がしてなりません。

ぜひぜひ新しいスタイルの観光ツアーとして定着してもらいたいものです。

【その後の追伸】
師匠の1人であるmechapandaさんが、今日のツアーを完全版として動画で公開されていました。
特に、バスが海に突っ込むところと海から上がるところは、ドライブレコーダーのように運転席視点でも撮影されていて、迫力あるシーンを見ることができます。
さすが、師匠……。