なんという変態レンズ、大さん橋で飛鳥IIの出航を見送る

タイトルの「変態」は、“ヘンタイ”という意味ではないんですよ。
な形”であるという意味での、「変態」なんです。
でも、考えてみたらこんな変態なレンズを、ウヘヘヘ……とヘラヘラ笑いながら、しかも涎をジュルジュル垂らしながら触っていたら、それは正真正銘、ホンモノの立派なヘンタイなのかもしれません。
まあ、つまり、変態なのはレンズなのではなくて、使っているぼくの方なのかも。
気をつけなければ。

今、ぼくが使っているカメラには24-105mmのズームレンズが付いているんです。
これまで、24mmなんて広角なレンズは使ったことがなかったから、うひゃー、これはいいぜーなんてウヒャウヒャ浮かれていたのですね。
ところが……ああ、ところが。

先日参加した、日本橋から北品川までの運河クルーズの途中で、レインボーブリッジの芝浦側にあるループ橋のなかに入ったのですが、そのあまりの巨大さに24mmのレンズごときでは全然太刀打ちができなかったのですね。
悔しいのです、悔しい。メチャクチャ悔しいのです。
何しろ、「広角が好きだから」というただそれだけの理由でフルサイズの一眼レフカメラを買ったというのに、その広角がまったく活かされなかったのですから、、これはもう悔しい以外の何者でもないのですね。

そんな訳で……フハハハハ、リベンジをしてやるのです。
と言っても、結構なお値段がするので、買うわけにはいきません。
月食のときに望遠レンズとテレコンをお借りした、会社近所のレンタル屋さんを、また利用させてもらいました。
しかし、こちらのレンタル屋さん、本当に安いんですよね。
このレンズ、買えば12万円もするお値段なのですが、それが土曜日から火曜日まで3泊4日で5000円なんですよ! 安い!
……って、実はこれ、1泊2日の料金なんです。
ただ、こちらのお店では日曜日と祝日が休みのため、返却できない日は「サービス日」として設定されているのですね。
ありがたや、ありがたや……。

ということで、借りたその場でレンズをカメラにセットして、早速試し撮りしてみました。
まずは、これ、大手町の交差点です。
大手町の交差点をフィッシュアイレンズで撮影
わははは、何という狂ったパースペクティブ。
そうなんです、魚眼レンズなんて借りてみたのですよ。
これで「対角線180°」という変態的な範囲を撮影できちゃうのですから、今度こそループ橋の全景が撮れることでしょう。

このレンズ、こんな極端な魚眼だけではなくて、8-15mmと、ちゃんとズームになっているんですね。
テレ端側で撮影すると、やはり少々歪みはしますが、そこがまた、超広角の楽しさを味わうことができるんですね。
そんな訳で、日本橋に向かってみました。
まずは交差点から。
日本橋を超広角で撮影
ありゃ、ファインダーの視野率が100%じゃないから気づきませんでしtがが、四隅が欠けてしまいました。
あと上側に2ヶ所、モッコリとした陰が入り込んでいますが、これ、フードが写り込んでいるんです。
恐るべし、超広角の世界……。

日本橋といえば、欄干のガーゴイル、「東京市」の紋章を踏みつけている獅子も忘れてはいけませんね。
超広角で撮影した日本橋の欄干に立つガーゴイル
しまった、もうちょっと獅子の鼻先までカメラを上げたら、「鼻デカわんこ写真」になって、キュートな獅子像が撮れたかも……。

ちなみに、橋の真ん中にある麒麟像の方は、東野圭吾の原作映画でちょっとした名所となったようで、次々と観光客が来ては写真撮影をしていきます。
変態レンズをつけると、30cmぐらいの距離までくっついて撮らないといけませんので、完全に邪魔者ですね。
そっと遠慮しておきました。

お昼ごはんは日本橋のスターバックスで。
いい天気だったから、日なたがポカポカしていて気持ちいいんです。
お昼ごはんと休憩で日本橋を眺めながらスターバックス

ここで用事を片付けに、横浜まで戻り、みなとみらいにやってきました。
用事の合間に、ちょっくら象の鼻まで足を伸ばしています。
象の鼻から大さん橋を眺めてみました

すると、その向こうには……おお。
大さん橋には巨大な客船が停泊しているのです。
船名を見てみると、「飛鳥II」なんですよ。
この飛鳥、もう煙突からは排気ガスがモクモクと吐き出されているのです。
また、飛鳥の周辺でタグボートがウロウロしています。
出航準備中の飛鳥II
なかなか見る機会がない夜の飛鳥なので、ここからしばらくは、カメラのレンズを標準のズームに戻しました。

ひょっとして、これは出航間近なのかしら?
ということは、乗客と紙テープを投げ合ったりして別れを惜しむセレモニーを見ることができるのかしら?
そう考えると、もうガマンできません。
大さん橋の上までやって来たんです。
そうしたら……これはスゴイ。
大さん橋の上と、飛鳥のデッキ上には人が鈴なりになっているじゃありませんか。
飛鳥IIの出航を見送る人と、見送られる人
飛鳥船上では、船員がドラを鳴らしながら「まもなく出航しますー」と言い回っています。
これって、昔、テレビのマンガで観た、「おーい、船が出るぞー」というシーン、そのまんまじゃないですか!

そして17時、大きく汽笛を2回鳴らすと、飛鳥は静かに岸壁を離れて行きました。
大さん橋を離れていく飛鳥II

あれ?
別れを惜しむ紙テープを投げたりはしないのかー。
でも、大さん橋にいた人も飛鳥の船に乗っている人も、皆、まるで知り合いであるかのように手を振り合っていて、何なんでしょうかね、一体感というか共有感というか、そんな不思議な気持ちが味わえます。

飛鳥の後ろには、まるで大きな飼い犬に引きづられる子供のように、手綱を持ったタグボートが飛鳥に引きづられていました。
飛鳥のお見送りをするタグボート
というか、お見送りの放水が、まるでおじいちゃんのオシッコみたいにショボショボしてます……。
「イッテラッシャーイ」という意味合いがあるのに、このおじいちゃんのオシッコ状態って……わはははは。
まわりはすっかり暗くなっているから、華々しく吹き出しても見えないし、そもそも寒いから見る人もいないのかな。

こうして、もうすっかり陽も落ちて真っ暗になった大さん橋から、赤レンガ経由で家路についたのでした。
超広角で赤レンガ倉庫

最後に、運河パークにあるナビオス横浜ホテルの、ゲート部分を増したから見上げたところで、今日の変態レンズとのお遊びも終わりにしましょう。
運河パークにあるナビオス横浜ホテルからフィッシュレンズ

ということで、これだけ撮影の練習をしたから、大丈夫でしょう……多分。
9日の祝日にはボートを借りて、カメラにこのレンズを付けて、ループ橋までリベンジの写真撮影に向かうことにします。