マンション屋上で皆既月食を見てました

今回、「日本全国で皆既月食が見られる!」ということで、前々からワクワク感が止まらなかったぼく。
土曜夜だから会社の心配はいらないし、気になる天気も週末は上々とのことで、これで張り切らないわけにはいきません。

ただ残念ながら、手元にあるレンズは24-105mmのズームが1本。
月を写真に撮ろうと思ったら、どうやら1000mmはないといけないみたい。
1000mmって!とてもそんなレンズは考えられないので、とりあえず一般的な300mmの望遠レンズにを用意しましょう。

……といっても、まさか買うわけにもいかず、レンタルを利用します。
幸い、会社から歩いていける近所に、品揃え豊富なレンタルショップがありました。
これまで「カメラのキタムラ」を利用していましたが、品揃えがいいわけじゃなく、そもそも1週間前に予約しないといけません。
しかし、こちらのレンタルショップだと、前日に予約しても在庫があればOKなんですね。
これは便利。

ここで300mmのレンズ(といっても、明るさはF2.8の高い方ではなく、F4の安い方)を用意してもらいました。
これ、F4の「暗い方」といっても、それでも定価ベースで21万円なんですよ……。
Amazonでも15万円です。
これがF2.8の明るい方だったら定価で78万円、Amazonでは64万円……買えませんって。
それが2泊3日で6700円で借りられるのですから、ありがたいかぎりです。

この300mmのレンズに、1.4倍のエクステンダーをつけて420mmとします。
ただし、明るさは1段、F5.6と暗くなっちゃいますが、まあ、ぜんぜん問題ないでしょう。

そんな訳で、まずは前日にテストしてみました。
まずは自宅ベランダで、月食が始まるのと同じ時間帯に月を探してみると……おお。
思ったより上空、ほぼ真上にあるじゃないですか。
どうも屋根に遮られてよく見えません。
そこで、マンション屋上にあがって見ることにしました。
しかし、さすがは真上の月、三脚をセットしたら、カメラの角度がほぼ真上になってしまいます。
ファインダーを覗こうとしたら、寝転がるしかありません……アヤシイぜ、オレ。

このとき撮ったのが、こちらの写真です。

さすがは21万円のレンズ(定価ベース。Amazonだと15万円)、クレーターまでハッキリ見えてますぜ。

しかし調べてみたら……おお!
なんとこのカメラ、パソコンに繋げられるのですね!
試しにノートパソコンに接続してみたら、スゲー!
カメラの液晶画面に表示される情報が、全部、パソコン画面に映し出されるのです!
ファインダーを覗いた状況も、そのままパソコン画面に映し出されているのですよ!

これで、マンションの屋上で三脚の下にずっと潜り込んだ状態で寝転んでいる必要がなくなりました。
ファインダーが確認できるだけじゃなくて、ピントを合わせたり、シャッタースピードや絞り、ISOの設定変更もできるのですね。
さらにはクリックするとシャッターも切れるのですから、ボタンを押すときのブレ防止にもバッチリなんです。
うは、これはスゴイですね。デジタルカメラ、万々歳なんですよ。

ということで、土曜日当日。
服を何重にも着込んだうえにカイロをベタベタ貼り付けた厳重な寒さ対策な服装で臨みます。
さらには、ポットいっぱいに熱々のお茶を用意してもう準備万端。
21時45分の部分月食開始にあわせて、マンション屋上に向かいました。

三脚をセットして、カメラを上空に向けて、ノートパソコンを立ち上げて、お茶を飲んで、気分はもうピクニックですよ。
で、フト空を見上げてみると……キャー!
いつの間にか、もう月が欠けはじめているではないですか!
ヤバイ、ヤバイ、これはヤバイ……と慌ててパソコンをクリック。
こんなに慌てていても、パソコン越しのシャッターなので、ブレる心配はありませんね。
その記念すべき第1号写真が、こちらです。

しかし露出がよく判りません……。
とりあえず、まだまだ明るいと思ったので、ISO100でシャッタースピードは1/125、絞りはF11にしてます。
でも、本当にあっているかどうか判らないので、あとで調整できるようにRAWで撮っておくことに。
本来だと、手元にノートパソコンがあるのだから、撮影した写真をその場で確認することもできます。
ただし、バッテリーを消耗しないために、明るさなどを最低限の状態にしてるので、よく見えないのですよね。

そうこうしているうちに、半分ほどになってきました。

ここでISO100のまま、絞りはF8.0にして、シャッタースピードを1/40にしています。

しかし、月が移動する速度って結構早いのですね。
油断していると、あっという間にフレームアウトしていきます。
そのたびに、このときだけは三脚の下に潜り込んで寝転びながらカメラを動かして、月を追っかけていきます。
こうして、あっという間に、月はほとんど欠けて、残りあとちょっとになりました。

これで、シャッタースピードは1/4ぐらいまで遅くしています。

このあたりになると、肉眼でもハッキリと暗い部分が赤く見えてきているんですね。
そこで、カメラの設定も絞りはF8.0のままでISO1600まで上げて、シャッタースピードを1/8にしてみました。
すると……ホラ、赤い部分がよく見えてきましたよ。

その代わり、明るい部分が白く飛んでしまいますので、どちらの部分を撮るかによって設定を考えないといけませんね。

皆既食の始まりまであと数分と言うところで、なんと、アクシデントが発生しました!
オシッコしたい……

「身体が冷えないように」と、ポットいっぱいに熱々のお茶を用意して、2杯ほど飲んだのが原因のようです。
さいわい、マンション屋上には他に誰もいません。
ということで失礼して排水口に向かって……なんてするわけないじゃないですか!
誰もいないから、カメラにパソコン、メモ用のiPod touchや携帯などの機材はそのままに、オシッコをしに、部屋まで戻って来ましたよ。

いやー、お茶を用意するのは考えものですね。
かと言って用意しなかったら、ここまで身体が温まることもなかったわけで……ここは今後の課題です。

オシッコをして戻ってきたときはもう、皆既食の真っ最中です。

この皆既食、23時05分に始まって、「最大になる」のが23時31分、終了するのが23時58分ということで、てっきりこれからドンドンと月の表面全体が真っ赤っ赤になるのかなと思っていたんですが……ありゃりゃ。

やっぱり、白い部分が残っているのですね。

しかしさすがは皆既食。
月の照度が落ちてくるとともに、まわりに星がどんどんとキレイに見えてくるではないですか。
こちらも、コンデジで撮ってしまおうと用意していたのですが……ありゃりゃ。
コンデジだから、あまりキレイに星空が写ってないのですね。
ということで、とりあえず手元の写真を全部つなげて見ました。

真ん中あたりのひときわ太く写っている線が、月です。
そのまわりにもこれだけの星が見えていたということなんですねー。

さて皆既食の方ですが、端に見えている明るい部分(白いところ)がなくなった時が「最大」なのかなと思っていたのですが、違いました。
今回はこの白い部分は最後まで消えず、下の方をグルリとまわり込んでいくように移動して、左側にきたところで「皆既食終わり」の時間となったのでした。

そして、皆既食が終わったここで!
なんとこのタイミングで!
ノートパソコンとカメラのバッテリーがなくなったのです!

さらに空を見ると……おお。
ちょうど雲が出てきて月を隠してしまっているじゃありませんか!
同時にコンデジで撮っていた星空写真の方では、こうなってしまいました。

なんという奇跡のタイミングなのでしょうか。
さらにここにきて、ワオウ! ふたたび、オシッコに行きたい……
もう神様が「そろそろ引き上げなさい」との思し召しを授けてきたかのようなんです。

ということで、皆既食の終了と共に撤収、自宅トイレにとダッシュして戻ったのでした。

今回の撮影枚数は240枚、時間にして2時間15分ほど。
これでバッテリーが切れてしまったのですから、もっと長丁場の撮影をする場合はどうしたらいいんでしょうねえ。
カメラも、ピントの微調整用にずっとライブビュー表示にしていたから、余分に電池を食っちゃったのかもしれません。
まあカメラは予備バッテリーを用意したらいいのでしょうが、ノートパソコンはどうしましょうねえ。
もっと大きなバッテリーを買うしかないんでしょうか。
まあ、もっともかなり以前のマシンなので、今のものだったらもうちょっともつのかもしれませんが……。