砂山典子「むせかえる世界」が横浜に帰ってきました

前回、横浜は若葉町でゴールデンウィークに開催された砂山典子さんのインスタレーション作品「むせかえる世界」が、この秋、ふたたび横浜に帰ってきましたよ!
場所は前回と同じく、もともと銀行だったビルをカフェに改装された「nitehi works」です。
また今回は、「関内外OPEN!3」というイベントでの“下町エリアのオープンデー”としての開催でもあるようです。

前回に開催されたときは、たった1日しかお手伝いできなかったので、あとでメチャクチャ後悔したんです。
何しろ、非日常的な空間で、非日常的な体験ができるのに、それをたった1日だけしかお手伝いできなかったなんて、なんともったない……と、かなりの消化不良感が残っていたんですね。
そんなときに、この再演のお話なんですよ。
これはもう行かなければ!ということで、土曜日と日曜日の2日間、記録係としておじゃましてきました。
砂山典子「むせかえる世界」(nitehi works)

この「むせかえる世界」については、前回のご案内を今回も転載させていただきます。

全長20メートルもの巨大な真紅のドレスを身にまとい、2メートルの高さから私たちを見下ろす“女性”。 わたしたちは、そのスカートの中へ潜りこむことが許されている。


1995年水戸芸術館のジョン・ケージ「ローリー・ホーリー・オーバー・サーカス展」にて発表された後、国内外を巡回した砂山典子の衝撃作「むせかえる世界」。 その壮大なライヴインスタレーションが、旧赤線地帯と旧青線地帯の狭間にある、ディープ横浜「若葉町」にて蘇ります。 会場は、1966年(昭和41年)築の銀行を改装したアートスペース&カフェ「nitehi works」。 「カフェ&バー」という居心地のイイ空間で、どんな”彼女”と出逢えるか? どんな関係を創れるか?

「2メートルの高さ」とありますが、身長が2メートルというわけではないんですね。
いわば、「足の長さが2メートル」ということで、実際にはさらに座高分もここに加わりますので、パフォーマーは実際には3メートル近い高さから、観客を見下ろしてくることになります。
実際は3m近い高さから観客を見下ろしています

パフォーマーのこの高さがあるので、会場としては元銀行店舗で吹き抜けのある「nitehi works」がピッタリなんですね。
このカフェは、吹き抜けの1階を見下ろすように2階にもスペースがあるので、観客はここでじっくりとパフォーマーの目線にあがったり、またスペースいっぱいに広がったドレスのスカートを眺めることができるのです。
2階席ではパフォーマーと同じ高さで見ることができます

2階から見下ろすと、こんな感じです。
フロアいっぱいに流れるドレスを身にまとったパフォーマーの姿がよく見える2階席も、また違った味わいがありますね。
2階から見ると、長さが20mあるドレスがよく判ります

またこの建物は、もともと銀行だけあって、窓には厳重な鉄格子がはめられてあるのですね。
その鉄格子越しになかを見ると、また全然違った見え方になるのも、この会場の大きな特徴なのかもしれません。
外から格子越しに中の様子を見てみました

そして、このインスタレーション作品の大きな特徴は「観客は、スカートのなかに潜り込むことができる」ということなのですね。
20メートルもの長さがあるドレス、これ、全部で重さが70キロほどになるというから、頭にかぶるだけでかなりのまとわりつき感があるのですが、観客はこのスカートの裾をめくって、思い思いになかに潜り込むことができるのです。
観客はスカートの中に潜り込みます
スカートの下に潜り込んだ観客は皆、パフォーマーの足元まで行くのですが、どうもここがかなり落ち着くらしいのです。
いったんスカートのなかに潜り込むと、なかなか出てこないのですね。男性も、女性も。

パフォーマー自身も、スカートのなかの自分の足元にヒトが集まってくるというのは、最初でこそおっかなびっくりのようですが、徐々に慣れてくると、「いらっしゃい」という気持ちになるのだとか。
自分の足元で観客がリラックスして、集まった人同士で談笑なんてしていると、パフォーマー自身もリラックスするそうです。

ああ、それでなんですね!
観客がスカートのなかに潜りこんでいくときのパフォーマーの顔は、まるで「お母さん」のような優しさがあるんです。
学校から「ただいま!」って家に帰ってきた子供たちを「おかえり」と優しく迎え入れるような、パフォーマーたちがそんな優しい顔をしているのは、そういった感覚からくるものなのかもしれません。
パフォーマーは皆、優しい顔で観客を迎え入れていました

そんな、観客がスカートの下に潜り込んでいるところを動画に撮影させてもらいました。
これで、この「むせかえる世界」というのがどのような作品なのか、ある程度は判るのではないかと思います。
いや、本当に判るためには、実際に潜り込んで、リラックスしてもらうのがいちばんなのでしょうが……。

最後に、いつものように今回撮影した写真を改めてPiasaにアップしました。
どうぞお気軽にご覧ください。

砂山典子「むせかえる世界」(nitehi works)
砂山典子「むせかえる世界」
(nitehi works)