邦楽もスゴイんです、アイデアと気迫のPV

久々にPVの話など。
以前、「ミステリファンのための名曲集」としてNickelbackの「Someday」「Savin' me」やOasisの「Stand by me」、BUMP OF CHICKENの「K」のPVを紹介したことがありました。
(いや、「K」はPVじゃないけれど……)

それからは、まったくPVを観る機会もなく、新たに「スゲーぜ!」とビックリしてしまうこともなかなかなかったのですが、この間、サカナクションの「アルクアラウンド」という曲のPVがスゴイよ、一度観ておいた方がいいよ、と聞いたのですね。

魚臭い? ラルク・ラウンド?
いやいや、全然違います。サカナクションの「アルクアラウンド」だそうです。

そんな訳で、Youtubeで検索してみると……いやー、現代のネットって侮れませんねー。
ちゃんとアップされていたんですよ。
で、早速観てみたんです。 ところが……。
ん? あれ? これって、カイリー・ミノーグの「Come into my world」じゃないの……などと思わされたんです。
しかし、早まってはいけません! 始まって45秒を過ぎたあたりで、それは、いきなり炸裂してくるんです。
いったん仕掛けがはじけると、そこからがもうスゴイのなんの、止まりません。
「これでもか」「これでもか」と怒涛のように繰り出されてくる仕掛けの数々に、もう、画面から目を離すことができなくなっているんですよ。
スゴイのですよ、スゴイ。スゴイすぎるじゃないですか!

この曲が出たのは2009年12月のようで、既に再生回数は312万を超えてるんですね。
ですから、「けっ、コイツ、何を今さら言ってんの」とか思われそうですね……いやー、スミマセン、スミマセン。
でも、あまりのこのPVのスゴさに、ただ、ただ驚いてしまって、もうこうして叫ばずにはいられなかったんです。

ちなみにカイリー・ミノーグの「Come into my world」はこちらですね。

これも初めて観たときは、かなりビックリしたPVでした。
いや、今、久々に観返してみたのですが、やっぱりメチャクチャ新鮮な気持ちで驚かされてしまいます。
見れば見るほどに発見がある(という気にさせられる)、スルメのようなPVなんですよね。

サカナクションの「アルクラウンド」を最初観たときは、ああ、これはカイリー・ミノーグの「Come into my world」なんだな、だから「スゴイ」とか言われているんだな、とか、そんなうがった見方をしていたんですね。
でも、全然違いました。
サカナクションのスゴイところは、カイリー・ミノーグと違って、お金をそんな掛けなくても、アイデアと気持ちさえあれば、負けないだけの素晴らしい作品ができる、というところなんですよね。

たぶん、もともとは歌詞に対する思い入れが非常にあって、「聞き流されたくない」という強い気持ちがあったんだと思います。
それを製作スタッフが汲みとって、「じゃあ、オレたちも歌詞を聞き流されないように、一発勝負に出てみようか」となって、その気持ちと気持ちがぶつかって、このような緊迫感あふれる“一発録り”作品に仕上がったのではないでしょうか。

いや、ひょっとしたら、実際には何度か撮り直して、それらをうまく繋げているのかもしれません。
それでも、“一発撮り”として掛ける思いは、ヒッチコックの「ロープ」や、黒澤明の「夢」にも負けずとも劣らない素晴らしい作品に仕上がっているのではないかと思います。
画面の向こうから、製作者全員の「思い」が気迫となってビシバシ伝わって、さらには、その思いと気迫から生み出された「アイデア」がキラリと光っている素晴らしいPVだと思います。

それが証拠に、ホラ。
最初は「魚臭い」とか「ラルク・アラウンド」とか言ってたぼくが、今は普通に「サカナクションのアルクアラウンド」って言うようになっているんですから。