1日限りの特別運行「工場“昼”景ジャングルクルーズ」

以前に、なんとか潜り込めて参加できたものの、本当は2ヶ月先まで予約が目一杯入っていてなかなか参加することができない「工場夜景ジャングルクルーズ」。
その「工場夜景」が売りのジャングルクルーズですが、なんと、クリスマスイブイブの日(=天皇誕生日)に、たった1日だけの特別運行として「工場“昼”景」のクルーズを運行するとのこと。
「これは行かねば!」と即効で予約をして、参加してきました。

しかし季節はもうクリスマスを間近に控えた年の瀬ですよ。
しかも吹きっ晒しの海の上ですよ。
「寒いんじゃないかなー」とビビってユニクログッズでがっちり厳重装備をして行ったのですが……あらら?
昼間ということもあって、また天気がメチャクチャよかったせいか、とても温かくて海風が心地いいぐらいだったのですよ。

こちらが、今回のクルーズでお世話になる船です。
「工場昼景ジャングルクルーズ」のお伴となる船
乗船するやいなや後部デッキに陣取って、いざ、昼間の工場地帯を観に行くクルーズに、ゴウ。

工場夜景のクルーズっていいなあと思っていたのですが、昼間の工場クルーズもこれ、なかかステキなんですよ。
夜の工場風景も、確かに多くの光がきらめいていて、そこが幻想的で非日常的な感じがしていいのですが、建物そのものがよく見えないのですよね。
ところが昼間であれば、夜にはまったく見えなかったところもハッキリクッキリ見えているので、工場好きとしてはもう、それだけで大興奮してしまいます。

例えば、これ。
いつもライトアップされた姿しか見たことのない双子煙突のトゥイニー・ヨコハマ(東京電力横浜火力発電所)ですが、昼間の姿を改めて見ると、こんなにカッコイイんですから。
昼間のそびえ立つ姿もなかなか凛々しい双子煙突のトゥイニー・ヨコハマ(東京電力横浜火力発電所)

また、首都高速湾岸線沿いに見えるJFEスチールだって、いつもライトアップされている紅白市松模様の「めでたいタンク」しか目に入らないのに、今日はその手前に広がる廃材置き場だって、ホラ、このとおり、とてもよく見えるのですね。
紅白市松模様の「めでたいタンク」と、その手前に広がる放置されたサビだらけの廃材
紅白市松模様の「めでたいタンク」の浮かれ具合と、手前の捨てられたサビだらけの廃材との対比が、何というか、諸行無常の世界観を浮かび上がらせてくるんですよ。

また、夜だとライトアップされていないために、いつも真っ暗なシルエットでしか見たことがない東京電力扇島火力発電所だって、昼間の陽の光のもとで見たら、こんなにキレイな立ち姿をしてるんですよね。
まるで貴婦人のような気品ささえ感じられる東京電力扇島火力発電所
貴婦人じゃないですか、貴婦人。
夜はその姿を闇夜に隠しているだけに、実はこんな清楚な貴婦人の姿をしていたとは、もうビックリなんです。

そう、いくら見慣れた建造物とはいえ、「ライトアップされた姿でしか見たことがない」ということは、その建物の持つ意匠とか色とかもまったく想像と違っていたりするんですよね。

それがもっともよく表れていたのがオイルコンビナートなんです。
いつも白いメタルランプで照らされている東京電力LNG基地、これはもうおなじみ、見慣れた姿なんですよね。
夜は白いメタルランプで照らし出されている東京電力LNG基地

ところが、いつも夜にはオレンジ色のナトリウム灯で照らし出されている東扇島オイルターミナルは、これ、太陽の光のもとで見ると、東京電力LNG基地とまったく同じ白色で同じような形をしていたのですね。
夜になるとオレンジ色のナトリウム灯で照らし出されている東扇島オイルターミナル
夜だと「白=東電」「オレンジ=オイルターミナル」と区分けができるのですが、昼間見ると、どっちがどっちなんだか判らなって、かなり新鮮な驚きを味わえるのでした。

その東扇島オイルターミナルには、ちょうどタンカーが接岸しようとしているところでした。
なんてステキにナイスなタイミングで我々は通り掛かるというのでしょうか。
東扇島オイルターミナルにはタンカーがまさに接岸しようとしていました

「巨大タンカーの接岸」というダイナミックなイベントなのに、その周りを小さな警戒船がちょこまか走り回っているというキュートな一面を楽しんでいると、突然、ガラガラガラ……と轟音が鳴り響きます。
我々の船がタンカーの真横を通りかかった瞬間に、イカリが下ろされたのでした。
タンカーのイカリが下ろされたところ
どこまでステキにナイスなタイミングを演出してくれているんでしょうか、このタンカーは。

夜だと、どうしても「オシゴト」をしているところが少ないのに対して、昼間クルーズだとこうした「オシゴトの光景」が見られるのも、お楽しみのひとつなんですよね。
平日だったらもっと楽しいかも。

こうして、夜景クルーズとはまた全然違った数々の興奮を味わいながら、やがて船は、京浜運河の終点にある、東燃化学のフレアスタックを目印に引き返します。
引き返す目印となる東燃化学のフレアスタック

夜景クルーズだと、写真を撮ろうとしても「感度不足」「手ブレ+船の揺れ」と悪条件が重なって、なかなか写真を撮ることが難しいのですね。
特にアップで撮ろうとすると、ますます「手ブレ+船の揺れ」の幅が広がってしまって、とても観られたものじゃない写真に仕上がっちゃうんですね。

だからこれまでは絶対にアップの写真なんてなかったのですが、今回は昼間で簡単キレイにアップの写真が撮れるものだから、もう嬉しくなってガシガシカメラにへばりついてしまっていました。
東燃化学のフレアスタックをアップにしてみました

ここまで来ると、その向こうの沖合いには羽田空港に向かって着陸しようとする飛行機や、首都高速のパーキングエリアである「海ほたる」も見えています。
羽田空港に着陸しようとする船と、首都高速の「海ほたる」

これまたいつも夜景クルーズだと、なんとなくその存在が「光」でしか判らないのですが、さすがは昼間。
しかも今日は天気も良くて視界が良好なんですね。
その存在を誇示するかのようにハッキリクッキリ見えているのです。

復路に入った船は、ここから京浜運河の「枝」となっている運河に入り込んで、その奥にある工場群を見てまわります。
まずは東亜石油京浜精油所水江工場の素敵なタワー型建造物なんですよ。
東亜石油京浜精油所水江工場の素敵なタワー型建造物

以前に夜景クルーズでここまで来たときに、「できれば明るい時にも見たいなー」とか言っていたけど、まさにその夢が叶ったんですよね!
あまりのそのカッコよさにしびれっぱなしで、バンバン写真を撮りまくってしまいました。
東亜石油京浜精油所水江工場の素敵タワー型建造物をアップにしてみました

年季が入って茶色くサビの浮いたタンクと、紅白のおめでたい彩りの煙突の対比が夢のようなカッコよさのコラボレーションなんですよね。
何度見ても、そのあまりの圧倒感と迫力とカッコよさにタメ息が出ちゃいます。

そして船はメインストリートである京浜運河を横浜方面に向けて戻って行くと、三井埠頭のガントリークレーンが「ようこそ」と出迎えてくれるのですね。

この三井埠頭のガントリークレーンたちは、夜に見ると、そのシルエットが重々しい迫力を感じさせるのですが、昼間だと、そのカラフルで明るい全身をしているからか、さほど圧迫感というものは感じさせませんね。

ここを曲がり、船は枝である田辺運河に入ります。

三井埠頭のガントリークレーンはここにもう1機ありました。

これはもう「キリン」というよりも、この四肢の踏ん張り具合から、ブルドッグのように見えてきますよね。
ということは、地獄の番犬ケルベロスと言った方がいいかもしれません。
赤のキリンさんたちは「ようこそ」と歓迎しているのに、その裏では緑の番犬ケルベロスが「こらぁ!」とか怒っている、そんな一角なんですよね、ここは。

田辺運河に入ってまず目につくのが、これ。

「JR」の文字がおなじみ、JR東日本川崎火力発電所です。

そしてここからがこのクルーズのラスト、この運河の奥にある扇町にある昭和電工へと向かいます。
ほうら、ジャジャーン。

夜見ると、この昭和電工の建物は光で夜空の浮かび上がるようでいて、まるで要塞のような存在感と圧迫感と迫力を感じさせるのです。
が、昼間見ても、これはやっぱりスゴイわー。
いや、昼間見た方が余計に重厚感が漂っているというのか……ウーン、うまく言葉にできません。

ここで写真撮影タイムを済ませると、あとは一路、出発点の「ピア赤レンガ桟橋」へと向かいます。
途中、行きには撮りそこねていた「万歳クレーン」の日清製粉もちゃんと写真撮影してきましたよ。

ただ、この写真、これだけ色味が他と異なっていますよね。
実はなんたるアクシデント! 興奮して写真を撮りまくっていたら、途中でデジカメの電池が切れてしまったんです。
なので、この写真だけが携帯電話のカメラで撮ったものなんですね。
携帯電話のカメラ仕様の写真です。

まあ、電池が切れたのは、クルーズのほぼ終盤だったので、まったく問題はなかったといえることが不幸中の幸いでした。

こうして、昼間ならではの発見や目撃などで大興奮のうちにあっという間に経ってしまった90分。
このクルーズはぜひともレギュラー化して欲しいものですね。
工場夜景クルーズで「工場そのもの」に興味を持った人には、これは絶対に需要があるはずなんですから。

そんな大興奮の90分のクルーズの写真は、こちらにアップしています。
どうぞ、お気軽にこちらもご覧ください。

工場“昼”景ジャングルクルーズ
工場“昼”景ジャングルクルーズ