ボート免許の実技試験で試験官の甘い罠?

昨日、ボートスクールで行われた「最後の総復習総決算」となる実技演習のとき、「人命救助」で要救助者の代わりとなるブイの写真を撮っていたんです。
すると、そのうちの1枚だけ、なぜかブイが2本あるんですよ。
救助用のブイが2本に増えてる?

何ですか、これは?
確かブイはずっと1本しかなかったはずなんですよ。
なのに写真で見たら、この瞬間だけ2本に増えてるなんて……ひょっとして、心霊写真?
キャー! キャー、キャー、キャー! キャァァァーッッッ!
……とかちょっと思ってしまったりしたのですが、スミマセン。
よくよく見てみたら……おい。

ブイと同じような形で、サカナが飛び跳ねているだけじゃないですか。
ブイだと思ったのはサカナでした

と言いつつ、アップにしてもあまりよく判りませんね。
でも、次のコマでは、ホラ。
「チャプン」とサカナが跳ねた形跡が残っていました
水に飛び込んで「チャプン」と跳ねてます。

と、そんなこんなで実技教習をたっぷり受けた小型船舶の操縦士免許なんですよ。
思えば、ある日突然、「よし、取ってみよう」と深く考えることなく思い立ち、勢いだけで申し込んでしまったものですが、いよいよ今日、大詰めとなる実技試験なんですね。
そんな訳で、JR根岸線は新杉田駅まで行ってきました。

新杉田駅から海側に向かうと、東芝やIHIなど、名だたる大企業の工場が建ち並ぶなかに、今回の試験会場となるマリーナがあります。
マリーナとあって、敷地内に陸揚げされているクルーザーは皆、オーナー船ばかりなんだそうですよ。
周りはオーナー船ばかりで、うらやましさのあまり目の毒です
うらやましさのあまり、ここはかなり目の毒なんです。
ああ、いつかはこんな風にぼくの船(マイ・クルーザー)もここでこんな風に……。

試験は、まず控室に集合します。
そして試験官から「試験の進行方法」や「注意点」などについてのアナウンスがあります。
今日の試験では、受験者数が5名。
それに対して、ここでは試験挺が1隻しかないそうです。
なので、2名・3名と分けて「先発組」「後発組」となりました。
ぼくは後発組ということで、先発組が試験を受けている間はそのまま自由時間となりました。
控室の光景

一緒に受ける2名は、ヨット部の大学生と気さくなサラリーマンのオッチャンです。
気さくなサラリーマンのオッチャンは三軒茶屋から来ているのだとか、ヨット部の大学生は独学で受けているのだとか、そんな雑談で気を紛らわす我々。
この独学で受けに来ているヨット部の大学生には、我々サラリーマンのオッチャン二人組はしきりに「若いっていいねえ」と感心することしきりです。

そんな訳で3人の間の心の垣根が取り払われ、ウォーミングアップができたところで、「前の組が終わりそうなので、会場へ移動してください」。
いよいよ、ここまでやって来ましたよ。
実技試験会場となるマリーナ桟橋

ところがですよ、マリーナの桟橋に降りてみると……オオウ、何ということでしょう。
風がやや強めに吹いていて、うねりもあるんです。
特に着岸……大丈夫かしら。
写真では判りづらいかもしれませんが、海面はうねってます
前の組の様子を見ていると、大丈夫そうなんですが。

【以下、実際の試験内容ですので、興味がある方だけどうぞ……】
試験番号が一番若いぼくから、実技試験が始まります。
あとの2人は陸上で待機。

桟橋にトコトコ降りてきたぼくに、まずは試験官が「ではまず初めにボートの外板とワイパーの点検をしてください」。
やったね、ちょろいもんス。
前・デッキ・右・後と指を差して「異常なし」と確認し、乗り込む際にもちゃんと「乗船します」を忘れず、左もチェックして「外板すべて異常なし」。
続いて、操縦席でワイパーのスイッチを両方入れて動かし、「ワイパー動作確認、異常なし」。

ところが試験官、ここからナゾの行動に出てきます。
エンジン部を指さして、「はい、ココ、エンジン部分ですよね。ハッチを開けてください」。
はい、開けました。
すると、バッテリーとメインスイッチを指さしながら、「ここにバッテリーとメインスイッチがありますね」。
ええ、あります。
「では、バッテリーとメインスイッチのチェックをしてください」。
……え?
試験って確かこういった設備品の設置場所を判っているのかも含めて訊いてくるはずなのに、そんな予め場所を教えちゃっていいいのかしら。
それとも、これは、ぼくを何かのワナに掛けようとしている……?

疑心暗鬼になりながらも、バッテリー本体とターミナルの取り付け状態、そしてバッテリー液の確認、そしてメインスイッチがONの位置にあるのを指差し確認して「異常なし」。
報告しました。

すると試験官、さらにニコニコしながら「はーい、ではエンジンハッチ内のここと、助手席の下に消火器がありますね?」。
ええ、あります。
「では、消火器の確認をしてください」。
……!?
今、消火器の場所を教えましたよね? で、消火器の確認って……いつものとおりでいいのかしら。
自動消火器、よし。消火器、よし……。
でも、これ、最初に言われたそのままを指さしているだけなんですが……大丈夫か、オレ。
なんだか最初に思った「やったね、ちょろいもんス」が、段々とウソのように思えてきました。

トラブルシューティングも、「オーバーヒートの時は、計器のどこを見て、どうなっていますか?」。
いや、計器を見るだけって……全然“トラブルシューティング”になってないと思うのですが……大丈夫か、オレ。
とりあえず水温計を指さして、「ココを見て、“H”の目盛りの方に針が触れていたらオーバーヒートです」と答えたんだけど……ウーン。
本当はもっとちゃんとした答えがあったのじゃないか、何かのワナに掛けられているのじゃないか、訊かれていないけど「冷却水やVベルトの点検、推進器の海水取込口にゴミが付着していないか確認します」と言っちゃうとか、そうした方がよかったのでしょうか。

いや、本当にもう、よく判らなくなってきました。
でも、後で訊いてみると、他の2名もこんな感じだったようです。 うーん、やっぱりワナじゃなかったのか。

そして港内から沖の方まで船を進めて、「進行方向の設定」「変針」「後進」「他の船舶が近づいてきた際の行動」などを見られます。
ここはまったく問題ありませんでした。
特に「蛇行操縦」については、目標設定がやりやすいようという配慮からか、大きなマンションに向かってブイが並べられています。
なので「ヒャッハー」的な感じでボートをビュンビュンと飛ばしまくって蛇行グリングリンしてきました。
これはメチャクチャ楽しい試験項目ですね。

港のド真ん中で船を停めると、今度はハンドコンパスを使っての方位測定です。
一人ひとりを後部デッキに呼び出して測定させます。
その間、他の2名はハンドルや手すりに、「もやい結び」や「巻き結び」を行うよう指示されたのですが……えええええ?
試験官に「できました」と報告すると、一瞬チラッと見ただけで「ハイ、よろしいー」。
……え、ちゃんと結び目とかチェックしなくても大丈夫なんでしょうか? マジで? マジで?

風とうねりで、うまくできるかどうか心配だった「人命救助」ですが、ぼくを含めて全員が軽々とクリア。
これって、ひょっとするとひょっとして、よっぽどのことがない限り、誰でも合格させてくれるんじゃないかしら……。
思わずそう考えてしまったほどですよ。

いやいや、いけません、いけません。
そういうことを考えると、ドツボにはまっちゃうんですね。
やってしまいました。
最後に失敗しちゃいました。

桟橋に戻って着岸を行うのですが、ここだけがうまくいきません。
大失敗で大後悔なんですよ。
何しろ、向かい風が思ったより強く、また潮もこちらに向かった形で流れていたためか、微速前進がまったく進まなかったんですね。
「あ、ヤバイな、進まない……。もうちょっと回転数上げた方がよかったのかな」と思ったときには、すでに桟橋にかなり中途半端に近づいてきています。
なので何もすることができず、「お願いします、進んでください」と心の祈りながら、少しでも進むように、身体を前に向けて揺らしていたのでした。
(公園のブランコで、座ってこぐ子供のような感じ)

ところが今度は、その「前に進ませること」に気を取られて、ついついハンドル操作が遅れてしまったんですね。
幸い桟橋にぶつかりはしなかったけれども、なんか変な形で、あまりうまい接岸とは言えずにトホホ。
おかしいなー、イメージトレーニングでは完璧だったんだけどなー。

まあ、何はともあれ、とにかくこれですべて終わったわけですね!
結果発表は、12月24日のクリスマスイブです。
果たして、サンタクロースは「大人のクリスマスプレゼント」をしてくれるのでしょうか……。

ああ、免許が取れたら、もうやりたいことがいっぱいだ。