首都高速の羽田可動橋を見に行った

なんでも、首都高速の羽田線に今はもう使われず、そのまま残されている橋があると聞いたんです。
しかもその橋は、掛かっている川を大型船が通行できるように、動くそうなんです。
といっても、勝鬨橋みたいに跳ね上がるタイプじゃなくて、グルングルン回るタイプなのだとか。

場所は羽田空港のすぐそばとのことで、何だ、クルマで行けばすぐそこじゃないですか。
そんな訳で、羽田空港に向かってゴウ! 見に行ってきました。
(今は「羽田空港へ見に行く」といえば、新しくできた国際ターミナルのことなんでしょうが、いえいえ、そこは温故知新、あえて古いものを見に行くのがいいんですよ)

工場街のパーキングにクルマを停めて(都内なのにメチャクチャ安い!)、川沿いの遊歩道をテクテク歩いていくと、おお!
ありました、ありました!
確かに川の上に、不自然に分断されている道路が見えてきたのですよ!
使われていない今でも見ることができる羽田可動橋

もともと渋滞対策として設置されたこの高速道路は、湾岸線の開通で渋滞が減り、使う必要がなくなったために閉鎖されたのだそうです。
同時に橋としての機能も終了したために、こうして「開きっぱなし」の状態で放置されているそうです。
「閉じるとき」は、手前の橋と奥の橋がクリンクリン回転して結合し、ひとつの橋になるのだそうですよ。
手前の可動部と、奥の可動部が回転して橋を形成

実はこの橋、Googleマップの航空写真でも見事に「開いている」状況がよく判るのですね。
Googleマップで見ると、この橋の状況がよく判ります

しかしこの「橋が開いた状態」だと、道路の断面が丸見えなんですよね。
普段はこんな道路の断面なんて見ることがないので、なんというか、まるで「人体の不思議展」で人間の身体の輪切りスライスを見たときのような、不思議な気持ちになってしまいます。

道路の断面といえば、橋の手前側となる道路もバッサリと断面をさらけ出されています。
普段はなかなか見ることができない道路の断面

この橋がまだ機能していた頃は、断面と断面はピッタリくっつき合っていたはずなんですよね。
もはや2人は寄り添うことはできないのでしょうか……
それが、今ではこうして2人の仲を引き裂かれてしまい、離れ離れになってしまったところなんて、まるで道路版「織姫と彦星」ではないですか。
いや、織姫と彦星の方がまだ1年に1度会えるだけでも幸せなのかもしれません……。

この橋も、船が通るときには「橋を開く」ことで、高さを考える必要はないのですが、やはり橋の操作をする人もサラリーマン、24時間営業というわけにもいかないようです。
橋脚には、このような注意書きが残されています。
橋を動かす時間について

また、橋の下にも高さが4.5mまでしかないということが表示されています。
橋が開きっぱなしの今となっては桁下高も意味ないのですが

もう使われなくなったこの橋の向こうはすぐに羽田空港です。
新しくできた管制塔も見えています。
羽田可動橋の可動部と、羽田空港の新管制塔

……とまあ、1時間以上はこんな写真やあんな写真を撮りまくっていたのです。
羽田可動橋が川上を見ている

すると、自転車に乗ったお巡りさんから声を掛けられてしまいました。
そういえば、今日と明日はAPEC開催期間中で首脳クラスのVIPが来日する日じゃないですか!
きっといつも以上に気合を入れることを求められているお巡りさん、写真を撮りまくっているぼくの姿が、さぞかし不審に見えたに違いありません。
ということは、これ、生まれて初めての職務質問でしょうか……ドキドキ。

きっとあまりのワクワクドキドキ感に、ぼくの顔はメチャクチャいい笑顔だったに違いありません。
「はい、何でしょう?」と振り返ったぼくに、お巡りさん、「足場が悪いですよ、気をつけてくださいね」。
あれ? 職務質問じゃなかった。
しかもぼく以上にワクワク顔しながら、「あれ、スゴイですよね」。
ぼくが写真を撮りまくっていたからでしょうか、橋を指さして話し掛けてくるんですよ。
あれあれ? 職務質問どころか、世間話になってきましたよ。

まあそんな訳で、さっき家を出る前にWikipediaで調べてきたことを、さぞかし自分の知識であるかのような顔で、橋の由来や、たった8年しか使われなかったことなどを説明する、イヤラシイぼく。
2人で「ねー、あの橋ってスゴイですよねー」と盛り上がってしまっていたのでした。

うーん、お巡りさんとの世間話も楽しかったのですが、でも、やっぱり一度は検問で車検証を確認されたり、職務質問で何をしているのか訊かれてみたい……。