ナースさん

先週、緊急入院した病院のことです。
その病院には、患者さんたちから「ナースさん、ナースさん」と呼ばれている看護師さんがいたんですね。
「看護師さん」ではなくて、「ナースさん」。
もうこの病院、看護師さんのことをナースさんって、なんてオシャレな呼び方をしているんでしょう。

が、しかし、あれれ?
どうも患者さんから「ナースさん」と呼ばれているのは、看護師さん全員ではないようなんですね。
たった1人の看護師さんだけ、「ナースさん」って呼ばれているようなんですよ。
ということは、「ナースさん」というのは、この病院での「看護師さん」に代わる新しいオシャレな呼び方じゃないということなのかしら……?

しかもよくよく見ていると、その「ナースさん」と呼ばれている看護師さん、患者さんからだけじゃなくて、同僚からも「ナースさん」って呼ばれているんですよ。
これはますますナゾが深まるばかりなんです。
例えば、その看護師さんが患者さんからだけ「ナースさん」と呼ばれるのであれば、「看護師さん」に代わるオシャレな呼び方を、その看護師さんだけに愛称込めて呼んでいるんだなーとか思うのですね。
ただ、同じナースである同僚からも「ナースさん」と呼ばれているとなると……うーん、これはいったいどういうことなんでしょうか。

あ、ひょっとしたら。
看護師という資格は「看護師」「准看護師」以外にも、さらに細かく階級別に分かれていて、そのうちのひとつに「ナース」という階級があるのかもしれないですね。
で、この病院では、彼女だけがその「ナース」という階級なのかもしれません。

とにかく、謎が深まるばかりの看護師、通称「ナースさん」です。

次の日の朝の検温のとき、体温計を持ってきてくれたのは、その「ナースさん」でした。
皆から慕われている「ナースさん」、本名はいったい何と言う方なんだろうと、こっそり名札を見てみたんです。
すると、そこに書かれてあった名前は、「那須」さんだったのでした。