青年団若手自主企画・スミイ企画「日常茶飯事」(アトリエ春風舎)

ポタライブでお世話になっている澄井葵さんの、青年団での初演出作が上演されるということで、小竹向原はアトリエ春風舎に行ってきました。
青年団若手自主企画・スミイ企画「日常茶飯事」(アトリエ春風舎)

席に座って当日パンフレットを見てみると……どわぁぁぁ!
こんなところにぼくの名前を載せてもらっているんですよ。
当日パンフにぼくの名前が!
いいんですか。いいんですか。本当にいいんですか。
こんなこと初めてなので、開演までに何度も眺めては、グフフフフと喜んでいます。

内容は、特に「物語」としてのストーリーが展開されていくわけではなく、登場人物が各々、言葉を羅列していくのですね。
てっきり当初は、こうして紡ぎ出されている言葉が積み上がっていくことで、そこから何かが浮かびあげてくるものかと思っていたのです。

ところが!
ああ、途中から気がつきました!
これって、「格闘技」じゃないですか!

かみ合っているようでかみ合っていない会話は、これ、「言葉による闘い」だったのです。
言葉の次には、これで気がついたのですが、グラップリング形式(寝技形式)による技の応酬が繰り広げられるんですよ。
ここはもう完全に女子格闘技、ジョシカクの世界に染まっていました。
事実、この後のシーンで、彼女たちは膝当て(レガースのようにも見える)を装着していることが判るのです。
ね、ジョシカクでしょ……って、おい。
グラップリング形式(寝技形式)といっておきながら、なぜ打撃形式で必要なレガースを装着しているのかは……まあ格闘技のシンボリックなもの、ということで。

この後は、さらに精神面における闘いへとなだれ込んでいくのです。
この「精神面での闘い」における木引さんは、まさに“「黒」木引”が炸裂していて、マニア的にゾクゾクするシーンなんですよ(←どんな観方だ)。
もちろん、彼女の目ヂカラもいつもながら素晴らしく、セリフがなく、眼の演技だけで繰り広げられるシーンは、これ、もう彼女のファンならずともゾクゾクくること間違いありません。
こうしてデュオの2人が様々なスタイルで格闘技を繰り広げる一方、ソロの人物も、常に自分自身と闘っているのですね。

このように、この作品では様々なスタイルの闘いを観ることができるということで、ある意味、「総合格闘技」のような作品だったんですね。
しかし、この作品での最大の意味での「格闘技」は、観客に闘いを挑んでいることだと思うのです。
この作品、通常のストーリー展開があるような演劇スタイルではないために、作品が観客に対して、イマジネーションを最大に駆使して観ることを要求してくるのですね。
そういう意味で、「作品が観客に闘いを挑んでくる」という仕掛けを含んだ、メタスタイルの格闘技であるということなんです。
だからでしょうか、終演後は、試合で全力を尽くしきった後のような心地よさに包まれていたほどなんですから。

終演後、小竹向原駅周辺をボチボチお散歩。
住宅街のなかの方に建っている団地の給水塔を見上げていたら、メチャクチャ蚊に刺されてしまいました。
カユさは手強いけど、ドラッグストアで購入したウナは無敵でした。
夕暮れ空にそびえる給水塔