詰め替え用シャンプーに隠されていた社会の闇

いやー、前々からずっと疑問だったんです。
詰め替え用のシャンプーやリンス。
あれってメーカー側は散々「環境にいい」とか、「エコ対策」とか、ぼくたち消費者を煽り倒していますよね。
新品を買うのではなく、詰め替え用を買いましょう!って。
いや、それはいいんですよ。時代の流れなんですし。
でもメーカーに訊きたい。どうしても訊きたい。

「だったらなぜ、容量が少ないのデスカ?」

ボトル入りのシャンプーやリンスを買わず、その代わりに「詰め替え用」を買ってきて使ってきたボトルに注いだら……あらら? 量が少ないのですよ。
ボトルの半分ちょっとしか入ってないんですよ。
全然、新品の代わりになんてなってないんですよ。

そんな小さな疑問をずっと抱き続けてきたのですが、やったね!
遂に今日、メーカーの方に訊くことができたのです。
テレビでもよくコマーシャルをしていて、誰もが知っているシャンプーやリンスを出しているアノ会社。
御社の製品は、我が家でもよく使わせていただいております。本当にお世話になっているんです……というような、そんな大人の会話でご機嫌を伺いながら、和気藹々とした雰囲気に持っていくことに成功。
いや、ホントにいつも家で使わせてもらっているんですから、ウソじゃないんです。お気に入りなんです。
友好ムードも最高潮に達したそのときに、「これはチャンスですぞ」とムックのような心のささやきに、さりげなく質問してみました。

「ところで、前々から思っていた素朴な疑問なんですが」
「はいはい、何でしょう」
「どうして詰め替え用のシャンプーやリンスって、容量が少ないのでしょう?」

……え? 寒っ! 何ですか、この部屋の空気は。
これまで暖かかった雰囲気、あの軽く浮き上がるような談笑の記憶はどこへやら、まるで部屋のなかがいきなりブリザード、シベリアの大地の果て、南極大陸のホワイトアウト、バナナで釘が打てるような、そんな冷たくキリキリと張り詰めた空気がピンとぼくのまわりを包み込んじゃったのです。

メーカーの方、非常に居心地悪そうにお互いの目を見合わせながら、「どうしよう」とアイコンタクトでご相談している様子。
そのうちの1人が「ちょっと失礼します、確認してきますんで」と部屋を出て行きました。
確認って……何を?
容量が少ない理由? それとも別の何か……。

残されたもう1人の方の前で、非常に居心地の悪い思いをしながら待つこと、しばし。
ようやく戻ってきたメーカーの方は、こう答えてくれたのでした。
でも、明らかに笑顔と口調が不自然ですよ、メチャクチャ。とっても。

「お客さまにも色々な方もいらっしゃいますし、それぞれにご要望もありますし、ここの商品にも開発事情などもありますので、一概に“これが理由です”とはお答えできないんですよー、あははは」。

どこをどうとっても、あまりに不自然すぎるこの対応に、ぼくも「……あ、ああ、なるほど、そうですか。そうですよね、いや、そうでしょう、あはははは」とメーカーの方と一緒に笑って誤魔化すことしかできませんでした。
いったい、何がこのメーカーのなかで起こっていたというのでしょうか。
ひょっとしてこの質問って、メーカー内の何か禁忌(タブー)に触れちゃっていたのかしらん。

例えば、「賛美歌13番のリクエスト」「13年式G型トラクター売りたし」に継ぐ、世界的スナイパーへの接触方法だったとか。
ああ、だからぼくのような部外者がそんな超機密事項をペラペラと口にしてしまったので、メーカーの方の顔色が変わってしまったのか。

明日からは、オフィスにいても窓際にはなるべく近寄らないようにします。
(言わずとしれた、ゴルゴ対策)

と、まあ結局、謎は謎のままに終ってしまった「詰め替え用シャンプー」の謎。
しかし、どうしてもあの中途半端な量が気持ち悪いぼくは、ついに素晴らしい商品を見つけました!
「詰め替え用パッケージをそのまま使える」という素晴らしき着眼点をもった、その名も「詰め替えそのまま」……って、そのままやん!
でもこれ、本当にメチャクチャ便利なんですよね。
何しろ、詰め替え用が中途半端な量でもそのまんま使うのですから、まったくストレスがありません。

ただ、ひとつ難点を上げるとすれば、それは高い……。