シベリア少女鉄道「キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~」(新宿・タイニイアリス)

お久しぶりのシベリア少女鉄道。
帰ってきましたシベリア少女鉄道。
ただし今回は、諸般の事情とやらで、シベリア少女鉄道“スピリッツ”としての公演となっているようです。

そんな、お久しぶりの公演ということに加えて、会場が新宿のタイニイアリスとかなり狭い場所、さらには川上未映子が自身のブログでシベリア少女鉄道の本公演を期待を込めて大絶賛していたことなど諸々が重なって、前売りチケットがあっという間に売り切れてしまったとか。
この事前の期待感に応えてなのか、さらに当日券も出されていました。
結果、週末の公演は会場内がギューギュー詰めとなって、エライことになっていましたよ。
ぼくの場合、割と早い段階で入場することができたので、隅っこに座ったつもりだったのですが……あれあれ?
いつしか次から次へと椅子が運び込まれ、端っこに座っていたはずのぼくは、真ん中の方になっているというトリッキーさ。
まさにシベリア少女鉄道のステージを、客席でも体感してしまったような、そんな気持ちを味わされます。

そのステージですが……うはははは。
アイデアとしては、かつてのシベリア少女鉄道が帰ってきた!というものですよね、これは。

物語は、筆の遅いマンガ家の仕事場を舞台として、そのマンガ家とアシスタントと編集者が織りなす「思い込み」の展開。
その思い込みはタイトル通りのまさに「ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート」。
開演からの数10分はどこか怪しい挙動の数々に「?」と思わせながらも、マンガ家の仕事場における日常風景が繰り広げられています。
しかし、ある動作のきっかけをもとに……キター!
日常風景が繰り広げられるのかと思いきや、突然、本当に突然に衝撃弾が炸裂してくるのですよ!

しかし……あれ?
先ほど提示された「?」と思わされる伏線らしきものは、まったく回収されません。
ひょっとしたら、伏線と思っていたのは考えすぎで、実はなにごともなかったのかしらんと見続けていると……さらにキター!
先ほどの衝撃は、このための伏線だったのですね! もう次から次へと、誰もがよく知っているアレに、アレに、アレに、アレに、アレに、そしてアレ。

はっはっは、そうくるかと笑わされていたのですが……あれ?
どうもおかしいのです。最初に「?」と思わされた点もやっぱり伏線として、ある程度回収されようとしているのですが、どうもおかしい。何かがおかしい。
この伏線が、しっかりと回収されていないのです。
これはどういうことか……中途半端なこれで伏線は回収したつもりなのか……と思っていたら、ああ! やってくれました!
来ましたよ、来ました、ビッグウェーブが!
最後の最後に大オチが!

なんと、日常の風景だったと思われていた物語が、実は、誰もが知っている壮大なソレだったという……脱力感(いい意味で、ですよ)。
もちろん先ほどの伏線はすべて解明されて行くのです。
それどころか、先ほど中途半端にしか思えなかった伏線の回収は、実はこのラストの大オチにいたるための、さらなる伏線に過ぎなかったのですね。

そしていつものシベリアらしく、突然の暗転ののちに客電が付き、終了。
終わってみて時計を見ると、あらら。
1時間というかなりの短い上演時間だったのですね。
ただし、これ、仕方ないものだと思います。
ネタがあれ1発ということで、これ以上長くなると、見ている側として飽きてくる可能性があります。 そういう意味では程よい長さだったかもしれません。
そもそも、アレたちが一斉にソレ、という時点で、役者も舞台スタッフも、かなりの集中力が要されると思うのですね。
この上演時間には賛否両論出るかもしれませんが、ぼく個人としては、久々にシベリア少女鉄道が帰ってきた!ということで満足したのでした。

ただ、いつもながらシベリア少女鉄道を楽しむコツとして、大オチを知っていなければならないというモノがあります。
実は今回の“ソレ”、ぼくはあまりよく知らなかったのでちょっともったいないところもあったかも。

そんな訳で、今回のこの記事ですが、まだ公演が17日まで続いているようなので、ネタバレできませんでした。
なので「アレ」とか、「ソレ」とか、「ナニ」とか書いたのですが、自分でも忘れてしまいそうです。
(諸般の事情で、絶対にこれはDVD化やテレビ放映はできませんし)
18日以降、忘れないうちに書きなおすことにします。