指輪ホテル「洪水 - massive water」(シアターイワト)

行きたい行きたいと思いながらも、なかなか行くことができない劇団のひとつが指輪ホテルなんです。
初めて行った前回は、もう4年前のことなんですね。
会社帰りの週末、行ってきた人生2回目の指輪ホテルは、神楽坂のシアターイワトです。
指輪ホテル「洪水 - massive water」

主宰の羊屋白玉とミュージシャンのスカンクの2人の出演とあれば、これはもうどんな18禁的作品が展開されるかと、恐る恐るの鑑賞だったのですが……あれ。
とってもファンタジーな物語が展開されているではないですか。
どこか不器用なウサギとスカンク(ミュージシャンのスカンクが、“スカンク”に扮しているのです)による、森の奥でのキュートな物語。

ただし、ウサギとスカンクによるファンタジーな物語といっても、2匹の様相はまるでフリークだし、2匹の会話もうまく噛みあわず、奏でる音楽もどこか合うこともなく、なんとも気持ちの悪さ(居心地の悪さ)をずっと心の奥底に抱かされてしまうのですね。
しかし、あれだけ不協和音的な物語の展開に、どこか気持ち悪い思いをさせられていた物語が、ラストシーンではついに美しく調和した音楽が奏でられ、その心地よさにウットリとさせられるのです。
それまで徹底的に不調和に不調和を繰り返して、なんとも居心地の悪さを感じさせられてきただけに、このラストの調和に、なんというか、希望的な光が差し込んできたような、そんな美しさが見えたのですね。

ところが……ああ、なんということでしょうか。
物語をこうして美しく締めるのかと思いきや、ラストのラストでは、さらにどんでん返し。
観客に現実を思い知らされる“えげつない仕打ち”が待ち受けているのです。
うはははは。ありきたりなハッピーエンドとせず、こうした観客への仕打ちでブラックな終わり方に思わずゾクゾクしてしまったのですが……。

ところで今回の公演では、最前列に座ると、ウサギのサラダや、2匹が茹でたパスタの振る舞いがあります。
これってある意味、「物語に参加できる特典」といえますよね。いいなあ、羨ましいなあ……。
指輪ホテル「洪水 - massive water」(シアターイワト)

指輪ホテルの今後の予定としては、また3月に本公演があるそうで、こちらも非常に楽しみですね。