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Twitterで知る万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』サイン本情報

夕方、ボケーとTwitterのタイムラインを眺めているときのこと。
筑摩書房の1件の書き込みが目に入りました。

サイン本@丸の内
雨が止んで良かった!
5:43pm, Jan 28 from Tweetie

この書き込みとともに添付されている写真は……おお。
買い物カゴいっぱいに入れられ、“サイン本”のタグが付けらてた万城目学『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』ではないですか。
筑摩書房の書き込みを遡って見ていくと、どうやら今日、万城目学が営業担当者とともに都内の書店を回っているようなのですね。

そんな訳で会社帰り。
早速立ち寄らせてもらいましたよ、丸善丸の内本店。

ああ、そういえば丸の内にはもう1件、丸ビルの中に青山ブックセンターがありますね。
「@丸の内」だとそちらのお店の可能性もあるのですが……いえいえ、サイン本営業まわりだったら、きっと丸善でしょう。
そんなヤマカンで丸善に行くと……ありましたありました。
文芸コーナーの平台に、ドカンとサイン本が積み上げられています。
早速1冊手にとりレジへゴウ。

レジを担当してくれたのは、ワオ!
雑誌の書評や文庫の解説などでおなじみのカリスマ書店員、上村祐子さんじゃありませんか。 ヤバイのです、ヤバイ。
わざわざそんな方がぼくごときのためにレジなんて……ああ、そんなことして頂いていいのでしょうか。
ぼくの表情はなんとかポーカーフェイスを保っているものの、内心ではもうドッキドキ。
鼻血がブーと噴き出してしまいそうなぐらいに大興奮、ぶっ倒れそうになってしまっているのです。

そんな状況を知ってか知らずか、万城目学のサイン本を受け取った上村さん、ニッコリと笑い掛けてくれながら「先ほど、お店にいらっしゃったんですよー」。
もう完全に不意をつかれた笑顔の攻撃に、ぼくのポーカーフェイスの顔面は崩壊寸前ですって。
それでもなんとか「お店に来られているって、筑摩書房のTwitterで見たんですよー」とクールに答えようとして……待てよ。
「Twitter」って、市民権を得ている言葉なんでしょうか。
下手したら、これ、「ツイッター」じゃなくて「ツイスター」に聞こえてしまわないのでしょうか。
そして、「え、ナニ、この人、ヤダ。私とツイスターゲームをやりたいのかしら? うわ、キショイ!」なんて誤解されはしないでしょうか。
もしそんな誤解なんてされてしまおうものなら……嗚呼、ぼくはもう本屋さんウォッチャーとして出入り禁止を宣告されたも同然なんですよ。
いけません、それだけは決してあってはなりません。
しかしTwitterでなかったら、いったい何といえばいいのでしょうか……。
で、思わず出てしまった言葉が、

「筑摩書房のホームページ見たんですよ」

ぐああ! もう死にたい!
言うに事欠いて何を言っちゃっってるんでしょうか、ぼく。
いったいどこの世界に、1時間前のことをわざわざホームページにアップしているというのでしょうか……ウソ丸出しじゃないですか。
カッコ悪い……恥ずかしい……。
しかしそれでもさすが、笑顔を忘れない上村さん、ニッコリと微笑みながら「ありがとうございました」。

イヤ、まあ、そう言ってもらえると、それはそれで良かったのですが(内心で「???」と思われていたとしても)、しかし、いったい、何といえばよかったのか……。
やっぱりTwitterでよかったのかな……とずーっとクヨクヨしてしまっています。

そんな甘酸っぱい思いとともに購入した万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』、サイン本がこちら。
サイン入りの万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

(わざと)間違った名前で検索してみるゲーム

先日観に行った、珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」での他の皆さんの感想が知りたくて、色々と検索してはブログや掲示板を眺めているのですね。
しかしそこで気になったのは、「珍しいキノコ舞踊団(ぶようだん)」というカンパニー名が、結構「珍しいキノコ舞団(ぶとうだん)」としている方が多いことなんです。
まあ、パッと見、漢字の形がよく似ているし、意味も同じようなものだし……で、間違ってしまうのも仕方ないのかもしれません。
そこでフッと沸き起こった疑問が、「これ、間違った名前で検索したら、いったどれぐらいヒットするんだろう」ということです。

ちなみに正しい名前で検索してみると、その結果は約35,400件でした。
「珍しいキノコ舞踊団(ぶようだん)」での検索結果、約35,400 件

そこで「珍しいキノコ舞踏団(ぶとうだん)」で検索してみると……ウワーォ!
「珍しいキノコ舞“踏”団」での検索結果、約49,200 件
なんですか、この結果は!
約49,200 件って……間違った名前の方が、正しい名前より多いんですよ、これ。
いったいどうしたことなんでしょうか。

この検索結果から推測すると、きっとこの世の中では「珍しいキノコ舞踏団(ぶとうだん)」としての認識が高いということなんですよね。
たとえそれが間違った名前だったとしても、です。
……で、思ったんです。
この世の中、ひょっとするとぼくが知らないだけで、まだまだこうした「正と誤の逆転現象」がたびたび起こっているのかもしれないのかなーって。

とすると、ですよ。
これってネットに繋がれた環境さえあれば、いつでもどこでも「間違った名前の方が検索結果が多いと勝ち」ゲームで時間つぶしができるんじゃないかなと。
このゲームのルールは簡単です。
文字どおり、ただひたすら「正しい名前より、間違った名前の方が検索結果が多い単語」を探し出すだけなんです。
勝敗はもちろん、「間違った名前」がどれだけ「正しい名前」を上回っているか。
つまり、間違った名前の検索数と、正しい名前の検索数の差が、そのまんま得点となるのです!
どうです、これ。なかなか難しいですよ。

ちなみに、この「間違った名前での検索」方法にはちょっとしたコツがいります。
間違った単語をそのまま検索しても、正しい言葉でサジェストされて正しい結果が出ません。
誤った単語はダブルコーテーションでくくり、さらには正しい単語を「-」で削除してやる必要があるのですね。
例えば、先ほどの「珍しいキノコ舞踏団」であれば、検索キーワードは

"珍しいキノコ舞踏団" -舞踊団

とするのが正しいやり方ですぞ(←なぜか突然ムックの口調で)。

そんな訳で、ぼくも他にもいくつか考えて検索をしているのですが……うーん。
これ、思ったより難しいですよ。なかなか見つかりません……。
こんな感じです。

  • 劇団新感線の検索結果:約2,320,000件
  • 劇団新線の検索結果:  約15,600件
  • 福井晴敏の検索結果:約219,000件
  • 福井敏晴の検索結果:  約3,950件
  • スタッドレスタイヤの検索結果:約2,720,000件
  • スタッレスタイヤの検索結果:  約154,000件
  • パーティションの検索結果:約2,480,000件
  • パーテーションの検索結果:約3,510,000件
  • パーテションの検索結果:    約91,200件
  • パテーションの検索結果:   約64,600件
  • シミュレーションの検索結果:約17,700,000件
  • シュミレーションの検索結果:約1,800,000件
  • 富士フイルムの検索結果:約1,960,000件
  • 富士フルムの検索結果:  約389,000件

……ダメだー、「正と誤の逆転現象」を起こしている単語が見つかりませんよ。

あ、ちなみに最後の企業名ですが、これが意外と難しいのですよね。
たとえば「キヤノン」と「キャノン」で調べようとしたのですが、「キャノン」という名前のキャラクターがあったり、お店の名前があったりして、企業名として「間違った“キャノン”」がなかなか埋もれて見つかりません。
これって企業名の「キユーピー」にしても、もともとの人形名が“キューピー”なので、これが誤った企業名と埋もれて判りづらいのですね。
……いやー、マイッタ。

しかしこれだけ色々と探してみても見つからないっていうのは、これはいったい、どういうことでしょうか。
まあ、考えてみたら普通は「正しい単語」の方が世の中に多く出回っているわけであって、当然、検索結果も「正しい単語」の方が多くなるはずですよね。

ということは、ひょっとして「珍しいキノコ舞踊団」の検索結果はこれ、非常にレアなケースなのかもしれません。
つまり、ぼくはGoogleのエライ秘密を知ってしまったということになるんですよね。
うわわわ、こんな呑気にブログに書いたりしてしまっていいんでしょうか。
まさか、命を狙われたりしないでしょうか……(狙われません)。

コンビニの待ちイヌ、自由への疾走

いつも休日はおうちに引き篭っているぼくですが、今日はあまりの天気のよさと日なたのポッカポカ陽気に気持ちが高ぶってしまい、ついお散歩なんて洒落こんで近所を徘徊して回っていたのでした。
いや、散歩という名目での近所の徘徊なんて、いったい何年ぶりのことでしょうか。
それぐらいにまったく出歩かなくなってしまっているのですよね。いけないことです。

そんな訳で、ご近所の普段は通らないようなところをテクテク、トコトコ歩いていると……おお。
こんな知らないところにコンビニがあるなんて、世の中はなんて便利なのでしょうか。
(しかし残念なことに、ぼくの家からは中途半端に遠いのです……)
このコンビニの入口前には……おおう、ミニチュアダックスが待ちイヌしているのですよ。
ミニチュアダックスがコンビニ前で待ちイヌしています

しかしこのミニチュアダックスの待ちイヌ、どうもおかしいのです。
どこかが、おかしい。
よくよく見てみると……うひゃあ。
このミニチュアダックス、入口前に繋がれて、大人しく飼い主が戻るのを待っているように見えたのですが、いえいえ。
メチャクチャ軽そうなキックボードにリードがくくられてあるだけなんですよ!
リードはキックボードにくくられてあるだけ……
いくらミニチュアダックスとはいえ、こんなキックボードぐらい引きずって、逃げ出そうと思ったらいつでも逃げられるのに……。

そんな訳で教えてあげることにしました。
ねえ、キミ、リードはどこにも繋がれていないから、逃げようと思ったらいつでも逃げ出せるんだよ。

驚くミニチュアダックス
「え? ホントに?」
ほんとほんと、キミぐらいのワンコだったらこんなキックボードなんて簡単に引きずって行けるよ。

悩むミニチュアダックス
「うーん、そうかあ、逃げ出せるのかあ。どうしようかな……」
逃げちゃえ逃げちゃえ!
で、ひととおり遊びまわって自由を満喫してもう飽きちゃったり、お腹が空いたりしたら、そのときにおうちに帰ったらいいんじゃないの?

ミニチュアダックス、自由への疾走
「そうか、そうだね! じゃ、ぼく行ってくるよ!」
クルマと悪いヒトには気をつけて! じゃあ、達者でね!

こうしてミニチュアダックスは自由を求めて旅に出たのでありました。
しかしそんな彼でもきっと、晩ご飯の時間までにはおうちに帰っていることでしょう。
彼に与えられたのは、空腹を感じるまでの一時の自由だったのです……。

そんな今日のBGM:Are You Gonna Go My Way by Lenny Kravitz

珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」(世田谷パブリックシアター)

久しぶりに珍しいキノコ舞踊団の公演を観に、世田谷パブリックシアターにゴウ。
開場19時30分、開演20時と、なんだか「大人の香り」に感じられる公演時間です。
珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」(世田谷パブリックシアター)

これだけ遅い時間での開演に、ひょっとしたら今回は1時間程度で終わるのかなとか思っていたんです。
ところがどっこい、今日は終わってからもアフタートークがあり、主宰者の伊藤千枝さんによる裏話なども聞けるという、実におトクな日だったのでした。
すべて終わって会場の外に出てみると、わお、時刻はもう22時前で、やっぱり大人の時間だ。
(でも、ぼくの前には子供さんの観客もいたりして、そのあたりはやっぱり観客を選ばないキノコらしいところです)

さてそんな久々の珍しいキノコ舞踊団(以下、キノコ)の公演なのですが、幕が上がったオープニング……え?
なんというか、キノコらしくないのです。まずは音楽が変。ノイジーな不気味な音楽で、メンバーもバラバラに踊るのです。
あれー、イメージチェンジを図ったのかしらん……などと思っていたら、うわー!
違うんです、違う。全然違いました。ネタバレになるから言えませんが(でも言いたい)、実はキノコらしいのですね。
もう「キノコらしさが明らかになった」ときの全員が揃ってのダンスに、もうサブイボがゾワゾワ出ちゃいましたよ。
しかも、このオープニングとまったく同じシーンが、エンディングでもリプライズされるのですね。
しかしこのエンディングのシーンは、オープニングとまったく同じ動きをしているにも関わらず、演出が若干変わっていて、これがまた全然違うものに見えてしまうのです。
すごいよ、すごい。

もちろん今回の公演も、どのシーンをとっても「ポップ」で「キュート」なシーンばかりなので、観ているだけでフワフワとした心地よい気持ちになります。
キノコの公演では、いつもこうした「心地よさ」や「元気」を貰えているような、そんな気がします。

個人的には、山田郷美さんのソロシーン、これがもうサイコーでした。
とてもしなやかに踊られる方だとは思っていたのですが、そのしなやかさがまた、セットや小道具、そしてライティングとピッタリあっているのですよね。
それがもう神々しくて美しいのなんの。
しかしそこはキノコ、ただ単に「神々しい」だけではありません。
セットの「家」では、暖炉から伸びた煙突の先から、煙がポワポワ浮かび上がったりするなど、決して「可愛さ」も忘れてはいないのですね。
なんというか、観客に「畏怖の念」を抱かせるのではなく、「可愛さ」を通じて温かい気持ちを抱いてもらおうとする、そういったところがキノコを安心して観られる理由のひとつなのでしょうね。

「可愛い」といえば、ダンサー2名によるガールズトークのシーンがもうとびっきりのキュートでした。
登場した2人のダンサーがずっと、どうでもいいようなガールズトークを延々と繰り広げているだけなのですが、実はこれ、かなりアクロバティックな動きをしながらの雑談なんですよね。
「どうでもいい話」と「アクロバティックな動き」、このギャップに会場中はもう大爆笑に包まれていました。
どんなシーンでも決して「可愛さ」を忘れない、これがキノコなんですよねえ。
あまりのステキぶりにうっとりしてしまっていたのでした。

次回公演は2月14日に、栃木県立美術館で無料パフォーマンスを行うとのこと。
キノコはこうした「劇場以外のところ」で行われるのがとっても魅力的なので、ぜひ行きたいなあ……と考えているのですが、うーん。
最近、休日前の夜はずっと夜更かしばかりの生活なので、こんな突然に朝起きて、栃木まで行けるかどうか。
(でも行きたい)
珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」(世田谷パブリックシアター)

写真が1枚でスミマセン、半年ぶりの「くすぐリングス NEO」(新宿ロフトプラスワン)

火曜日の夜に、大遊戯場・歌舞伎町で行われた「くすぐリングス」を観戦してきたのでした。

しかし平日の夜、仕事用カバン片手にスーツ姿で歌舞伎町をウロつくサラリーマンなんて、もう絶好のカモ状態、それもネギを背負った状態なんですよね。
ええ、ええ。自分でもそう思います。
だから客引きのお兄ちゃんたちから威勢よく「いかがっすか!」「どうですかぁー」と声掛けられまくりですよ。
これはやばい、と裏道から行こうとすると、今度は黒人の客引き!
馴れ馴れしく肩を抱いてきながら「アニキィ、アニキィ~。いい娘イルヨ! チョット寄って行こうヨ!」。
ヒィー、ごめんなさい、ごめんあさい、ごめんなさい、今のぼくには行くところがあるのです!……とスタコラ逃げ出して、ようやくロフトプラスワンにたどり着いたのでした。

そんな訳で半年ぶりのくすぐリングス、今回はなんと、買ったばかりでまだ出番が少ない“おニューのカメラ”を抱えて行ったのです。
よっしゃー、バッシバシと撮りまくってやるぜー!と思いきや……あれ?
どうしたものか、なかなかうまく撮ることができないのです。
頭が良すぎるのか、悪いのか、ピントがなかなか思い通りのところに合いません。
合うのはあさっての方ばかり。
いや、ちゃんと被写体があっても、連写をすると、なぜかピントを合わし直そうとして、またもピンぼけ, again。
もうイヤン。

そんな訳で、いつもであれば、こうした観戦は「これでもか!」と写真付きでレポートを掲載するのですが……スミマセン。
今回は使える写真がまったくないので、レポートを作成するモチベーションがダダ下がりです。

いや、確かにいつも「使える写真がない」とは言っていますが、それは“倫理上”使える写真がないということなんですね。
ところが今回は、ピントが合っていなかったり、ブレブレになっていたりで、本当に使えそうにないのですよ。
うーん、もったいない。

とりあえず、当日の雰囲気が伝わりそうな、皆がいい表情で写っている1枚だけを、さりげなくここでアップします。
すっかりできあがってしまい、いい感じでグダグダになっているラストの試合

超絶的なバカミス、駕籠真太郎『フラクション』

もう、かれこれずっと「すごいよ」「すごいよ」というウワサばかりを聞かされていたので、とてもとても気になっていたのでした。駕籠真太郎『フラクション』。
しかしなかなか本屋で見かけないのです。
そこでネット書店でお取り寄せ注文をしたのですが、これがまた1冊だけだとメール便扱いになって、なかなか届きません。ウキー!
やきもきすること数日、ようやく届きましたよ。
もう会社から帰るやいなや、着替えもせずに即効で封を破ってむさぼるように読んでしまったのでした。

読了後の第一声が、「うあぁぁぁー、いったい何、コレ!」。
イヤ、もう、ホント、コレぐらいしか最初は言葉が浮かびませんって。
読後も唖然ですよ、唖然。AZEN。
スゴイのなんの。
これはもうウワサに違わず、あまりに想像を絶するバカミス中のバカミス。バカミスナンバーワンの称号を授けたいです。

どう説明したらいいんでしょうかねえ。
“マンガであることを最大の武器としたぶっ飛び方”でしょうか。
このラストに、読んだヒトは大爆笑するか、それとも大激怒するか、二者択一、どちらかでしょうね。
それほどまでの、あまりに凄まじい大バカぶりがラストで炸裂しているんです。

でもこれ、ラストでの一発オチかと思いきや、よくよく読み直したら、そんなこと全然ないのですよ。
ストーリー上でちゃんと伏線が張ってあるのですね。
そもそも、そのストーリー展開が素晴らしい。
物語が「連続殺人のエピソード」と、「作者自身がミステリについて語る」と、2つのエピソードが交互に組み合わさって構成されているのです。
もうこれは、マンガ界の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』ですよ!
(なんだ、それは)

この2つのエピソードが交互に語られていくことで、うまく物語は最後に向けて大きく収束していくのですね。
といっても、その収束があの「うああ!」と雄叫びを上げてしまうようなアレなんですが。うああ!
なにしろ、「主人公がうたた寝してしまった間に、バイト先の同僚女性が風呂場で胴体切断されていた」のに、「次の日、バイト先のタイムカードが押されてあり出勤した形跡がある」……って、これ、すごい展開ですよね。
ね、ね、ね、そうでしょう。
しかもこの主人公、犯人と思しき人物と取っ組み合いをして、気絶させられた一瞬の間に、この犯人らしき人物も胴体切断されちゃっているのですから、もうドッキドキなんですよ。
ところが!
その真相が……ぶわっはっは。なんてことなんですか、アレでしょう。アレ。
ああ、言いたい。このあまりのおバカっぷりをここでぶちまけて皆と笑いあいたい!

しかしこの作品、このオチというか、ネタというか、アイデアはぶっ飛んでいて確かにインパクトはあるのですが、どこかおかしいのです。
どうしても、物語の辻褄が合わないのですね。
「ははぁ、きっとこれは、作者が強引にオチをつけたからなのかぁ……」と思ってしまったのですが、いえいえ。
ちゃんと読み返すと、ウッヒョー!
これって作者が物語自体に大きな仕掛けを施していたんですよ!
その大仕掛けが「違和感」となって、最後の最後になってようやく明らかになるという……すごい贅沢なつくりになっているのですよ。
もうスゲーの、なんの。
ああ、言いてえ、メチャクチャこの内容を言いてえー。

そうですよ!
もう1人でも多くのミステリファンに、このバカミスナンバーワンの作品を読んでもらって、このあまりのバカさ加減と、しかし丁重に積み重ねられた伏線の数々、そして物語全体に仕掛けられた作者のトリックを、大いに語り合いたいものです……うずうず。

大江健三郎『水死』刊行記念サイン会(丸善丸の内本店)

金曜日、花の週末の夜に会社近所の本屋さんで、大江健三郎のサイン会がある!……とのことで行ってきました。
大江健三郎『水死』刊行記念サイン会(丸善丸の内本店)

うああ、大江健三郎ですよ、大江健三郎。
大御所とか、御大とはまったく違う次元の、そう、もう「雲の上のヒト」と言ってもいいぐらいの方なんですですよね。
例えば、ぼくにとっての御大といえば島田荘司ですが、彼のサイン会のときも、確かに緊張のあまりにオシッコを漏らしそうなほどになってしまいました。
ただ、今回はなんというか、またそれとはまったく種類の違う緊張感なんですよね。
朝から「今日の夜、大江健三郎にお会いできる」と思うと、それだけでもう身体がガッチガチになっちゃっているんですよ。
会社にいても仕事になりません。

そんな訳で早く行きたいような、でも行くと卒倒してしまいそうで行かない方がいいような、複雑な気持ちのまま、18時半前、会社を出ました。
会場に着くと、列はもう店の外の空中通路で3列折り返しとなっていて、かなり伸びています。
男性率が9割で年配の方が多く、静かな興奮に満ち溢れている待ち行列

その列に並んでいる人々は、圧倒的に男性が多いですね。だいたい9割ぐらいが男性ではないでしょうか。しかも年配率が高いのです。
おヒゲを生やされていたり、いい生地のスーツを着られていたりして、なんというか、「学生時代からの読者です、会社帰りに来ました」といった部長とか、そういった方々が並んでいるという印象なんです。
そういった方は決して徒党を組むことなく1人での参加が多いようなので、これだけ列が伸びていてもどこか、シンと静まっているような、静かな興奮に満ちているような、そんな風に感じられるのも、また特徴的なのかもしれません。

並ぶこと1時間ちょっと、ようやく前の方まで回ってきました。
気さくに握手もしていただけるようです
(写真撮影は周囲からであればOKとのこと、前の方が握手されているいい写真を撮らせてもらいました)

次がいよいよぼくの順なんですね。
うあー、緊張してノドがカラッカラ、何もしゃべられません。
「よろしくお願いします」……うへぇ、声がかすれて変なオッサンですよ。
そんなガチガチの緊張ヤロー状態であることを察知したのか、ヘルプで付いているおヒゲのダンディな方(出版社の方でしょうか)が優しくフォローしてくれます。
うーん、素敵。
そんな訳でぼくも握手までしていただき、サインを無事にいただくことができました。
これ、“本物の”万年筆ですよ、本物。
一字一句丁寧に書いていただいたサインは、これ、もう、家宝ですね!
大江健三郎のサイン入り『水死』

いやー、それにしてもオシッコを漏らさなくてよかったー。
(結局、いつもの終わり方……)

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