BATIK「花は流れて時は固まる」(にしすがも創造舎)

すみません、今日の日記は勢いだけで書いています。
なので、文章がとても変です。
あまりの衝撃に、頭が動かず、手も動かず、ここまでしかできませんでした。
読みづらくて申し訳ありません。

花の週末は、久々のBATIK公演なんですよ。
会社帰りに、にしすがも創造舎へレッツゴウ。
地下鉄三田線で西巣鴨の駅を上がると、そこに広がる小学校のような建物。
ここが今回の公演会場である、にしすがも創造舎なんです。
にしすがも創造舎の入口

「小学校みたい」と思ったのもそのとおり、もともとは小学校だったそうなのですが、廃校となってしまい、そのまま建物を活かして稽古場などになっているのだそうです。
この元・小学校で最も広いスペースである旧体育館が今日の会場です。
19時の開場とともに中にはいると……おお。ステージと客席、そして暗幕ですっかり元の空間が判らなくなっているのですが、よく見ると天井に設置された水銀灯(らしきもの)や、館内をぐるりと取り囲む空中通路(この通路のこと、なんていうのでしょう)があったりして、やっぱり体育館なんですね。
天井の梁に、バレーボールが引っかかっているんじゃないかしらん。
元・小学校の校舎だったにしすがも創造舎

BATIKの公演では、あの激しい動きを、空気とともに直に触れていたいがため、最前列にいそいそと座ったぼく。
すると、係員が「水がはねる畏れがありますので、どうぞこちらをお使いください」。
そういって渡されたのが、“身体用”のビニールと、“カバン入れ用”のビニール袋。
うははは、そんなことに恐れをなすぼくではないのです。水、ドンとこい。来るなら来い。

そんなこんなで始まった19時30分。
わー、これって、なんだかデヴィッド・リンチ的な世界観を体現しているんじゃないでしょうか。
何しろ、美しいガジェットを散らしながら、そこに広がるのはおぞましいフリークス的な描写。
出産シーンとともに、産まれ出た“何か”。
“それ”は最初、こびるような声で話していたのですが、突如としてフリークスとしての狂気に支配されると、あとはもう延々と観客の神経を逆なでしてやまない、おぞましい叫び声をあげ続けるのです。
叫び声だけでなく、何度も同じ行動で観客に強迫的に迫り来る不快感、これ見よがしに登場し、無意味な行動をとる人物……。
ああ、これってやっぱりデヴィッド・リンチだ。
何しろ突然にローラ・パーマーまで登場しちゃうんですから、もう間違いありませんって。

そう思って観ていたのですが、途中から……あれあれ?
いや、もっと単純に、これ、子供を表わしている?
大人に媚びを売る子供、調子に乗って何回も同じことを繰り返す子供、相手にしないと何度も話し掛けてくる子供、気に入らないと暴れる子供、ギャーギャー泣きわめく子供、汚い遊びが大好きな子供、止めなさいと叱られても止めない子供、怒られてやっぱり泣き叫ぶ子供、親に虐待されている子供……。

悪夢的世界が次々と展開されていき、もはやそこで繰り広げているのがBATIKなのか、デヴィッド・リンチなのか、それとも現実の子供の夢なのか、判らなくなってくるのです。
いや、そんなことを考えていることさえもできないほど、ダンサーの激しい息づかい、飛び散る水しぶき、床に擦れてキュッキュ、キュッキュと音がなる足の動きなど、現実が考えることを凌駕していき、頭のなかの“考えること”を段々と消し去り、ただ、ただ、目の前の現実(それが何なのかよく判らないのですが、とにかく目の前にあるもの)に圧倒されている一個の自分がここにいる、だけなのですね。

そして訪れるあのラストシーン。
いや、もういったい何なんですか、この美しさは。この神々しさは。

もともとBATIK公演では、黒田育世のその超絶的なソロに圧倒されるのですが、今回の作品では、BATIKメンバーが“バックで奏でる神々しさ”により、より一層の凄みが増しているのですね。
黒田育世のソロと、バックでのBATIKのメンバーによるあのシーンの美しさは、もう、なんというか、奇跡。

ああ、ここで突然涙が溢れて溢れてとまらなくなってしまったのですよ。
泣かせる要因なんて何一つないのに、勝手に流れて止まらないんです、涙。
なにこれこわい。
カーテンコールが3回もあったから、なんとかその間に汗を拭く振りをして誤魔化した(つもり)ですが、最前列に座っていただけに、すぐ目の前にダンサーさんたちがいて、ちょっと恥ずかしい……。

いやー、しかし今回の作品は本当に本当に観に来てよかったと思うのですね。
それほどまでに素晴らしかったこの作品、もともと黒田育世の紡ぎ出す超絶的な動きが好きだったのですが、それだけでは語れない“何か”が常に孕んでいたのではないかと。
こんなに素晴らしい、伝説的作品が観られたことに感謝。
BATIK「花は流れて時は固まる」(にしすがも創造舎)