大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき自作朗読会「リーディングカンパニー Vol.8」(光が丘 IMAホール)

大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆきという「大極宮メンバー」が行う自作朗読会にやってきましたよ。
大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき自作朗読会「リーディングカンパニー Vol.8」(光が丘 IMAホール)

前回参加した3年前のときは、会場が新橋にあるヤクルトホールということで行きやすかったのですが、今回の会場となる光が丘って……どこなんでしょうか?
地下鉄の大江戸線って……どうやって乗るのでしょうか?
練馬の方、すみません。
しかし横浜からなかなか行くこともなく、そのため土地勘もなく、「果たして無事に行くことができるか」という不安感に押しつぶされそうなことから、ついついクルマで来てしまいました。
普通は「自家用車での来場はご遠慮ください」ってお断りがありそうなのですが、いえいえ、ここは一大ショッピングセンターで、駐車場完備なのです。
しかも、安い(1時間200円。19時以降は1時間100円!)

しかし、今日はどうしたことか、あまりクルマが走っておらず、首都高速がガラ空きなんですよ。
余裕を見て早めに出たのですが、そのまんま早く着きすぎてしまいました。
家族連れで賑わうなか、ひとりドトールでお茶で1時間半ほど時間潰し。

そして「そろそろ開場時間だろう」と17時、ホールに来てみると……あらら。
もうとっくに開場となっていて、ロビーには黒山の人だかりなんですよ。
しかもみんな、携帯を取り出して写真をバシャバシャ撮っているんです。
いったい何だろうと覗いてみると、おお!
物販コーナーで、大沢在昌と京極夏彦が!
この2人、まるで掛け合い漫才のようにツッコミ合いながら、パンフレットや過去公演のCDを販売しているのですよ。
いやー、やっぱり大沢親分はとっても素敵な人ですよねえ。
なんというか、読者を大切にするという「愛」が、サービスの口上となって溢れてきているんですから。
物販コーナーを取り囲んでいる女子たちも、かなりグイグイと引きつけてやみません。
その大沢親分のあまりのリップサービスぶりに、隣にいる京極夏彦のこの冷たい目って……わははは。
リップサービス前回の大沢親分と、冷たい目で見る京極夏彦

そんなこんなで17時半。
こうした会場ではお約束の「携帯電話は電源をお切りください」の場内アナウンスでも、宮部みゆきの遊び心いっぱいのアナウンスに、始まる前から観客のテンションは上がりっぱなしです。
毎年行われている自作朗読会では、各々がそれぞれの短篇を読み上げる「ソロパート」と、3人でひとつの作品を演じる「共演パート」とに分かれるのですが、今回は休憩を挟んだ「前半」「後半」でひとつの作品を演じる「共演パート」のみの上演でした。
初めての試みということで、終了後のトークコーナーでは、大沢在昌が「どうでしたか?」と気にしていたのですが、正直、短篇ではなく、中篇に当たる長さの朗読会となると、中だるみを起こして、ちょっと厳しかったかもしれません。
ただし、その中だるみを取り戻すべく、後半に入ると、京極夏彦が大活躍なんですよ。
過去の朗読会で登場した様々なキャラクタを演じての熱演に、場内はもう大笑いなんです。
ただ、この“過去のキャラクタで笑いをとる”という試みも、これまた京極夏彦がトークコーナーで心配していたように、「初めて来る人」には意味が判らずあまり笑えなかったのかもしれませんね。

とは言うものの、全体的にはかなり楽しい演目であったことは間違いありません。
山田康雄になりきった京極夏彦のルパン三世、これまた小林清志になりきった大沢在昌の次元大介、いつものチャーミングからセクシーに切り替えての宮部みゆきの峰不二子といった役柄は、三人とも本当に楽しく演じていて、そういった本人たちのワクワク感が見ている方にも伝わり、とても楽しいひとときなのでした。
この“ワクワク感”がよく現われていたのが、トークショーで宮部みゆきが言った「昼公演では封印していた“本当に言ってみたかったアドリブ”を言ってみました」とのこと。
シリアスなシーンでのこのアドリブ、大沢在昌はあまり気に入ってないそうですが、いえいえ。
このアドリブを入れたからこそ、続くシリアスシーンに切り替えたときの雰囲気がより際だっていい効果になっていたのではないかと思うのですね。
このあたり、堅柔を自由自在に使い分けられる宮部みゆきの、天才的な勘所の成果なのではないかと思ったのですが。

この合同朗読会「リーディングカンパニー」は、単に“オレたちってこんなことができるんだぜ、すごいだろ”的なイベントではなく、「来てもらった人にいかに楽しんでもらうか」「そのためには、自分たちがいかに楽しむか」といったことを真剣に考えられている、ファンと作家が一体となって楽しく盛り上がれるイベントであると言って間違いありません。

できることならまた、来年も行きたいものです。