シラフでも(悪魔に魅入られて)デインジャラス

JRの駅に掲示されていたこのポスター。
ちどり足では危険なんですよ

いや、確かにちどり足でホームの端を歩くことは危険なのは判ります。
それは判るのですが、そもそも、ホームと電車の間がこんなに空いていたら、シラフでもかなりキケンですって。
何しろ、普通に電車に乗ろうとしても、これだけの幅があるとかなり大股開きをしないと乗れませんよね。
女性の皆さんがタイトなスカートなんて履こうものなら、電車に乗った瞬間、巨大なスリットが入ってしまってもう大変です。
ミニスカートなんて履いていた暁には……うへうへ。

大人でこれなんですもん、子供なんてもう絶対ムリです。電車に乗ることができません。
大人が大股開きで乗る電車なんですから、子供なんてもう、幅跳びの要領で電車に向かって飛び込まないといけないんですよ。
これで電車が動いていたら、ジャッキー・チェンの映画じゃないですか。

……逃げる犯人を追いかけて、駅構内を疾走するジャッキー(子供)。
人混みに溢れる構内では、犯人やジャッキー(子供)が露天の果物や野菜をぶちまける。
「何やってんだ! おい!」と怒鳴る露天商のオヤジ。
犯人がホームを駆け上がると、発車のベルがまさに鳴っている。
ぎりぎり電車に飛び乗ることができた犯人。
遅れてホームに上がったジャッキー(子供)、電車はもうかなりの速度で動き出している。
キリッとした表情で体勢を整えるジャッキー(子供)。
突然にスローモーションとなり、「アィィィヤァァァー……」と掛け声とともに電車にジャンプするジャッキー(子供)。
別角度から、ふたたびスローモーションで「アィィィヤァァァー……」と電車にジャンプするジャッキー(子供)。
さらに別角度から、みたびスローモーションで「アィィィヤァァァー……」と電車にジャンプするジャッキー(子供)。
しかし、エンディングロールではジャンプに失敗して、スタッフが心配そうに駆け寄るシーン。

……って、これ、ジャッキー・チェンじゃないですやん。子供ですやん。
いったい、子供になんてことさせようとしているのですか。メチャクチャですよ。
恐るべし、JR東日本。

でも、せっかくなので、このポスター、ちどり足の酔っぱらいだけじゃなくて、シラフの人も危険ですよ、という意味で「電車に幅跳びの要領で飛び乗っているところ」に修正してみました。
幅跳びの要領で電車に飛び乗るポスター……のつもりでした
……ギャア!

これじゃあ、飛び込み自殺している人にしか見えませんって。
そうか! きっと危険なのは「ちどり足」でも「駅ホーム」でも、ましては「電車」ではないのです。
あなたの心そのものが危険だったのですよ!
なるほど、単に「酔っぱらい注意」だけではなくて、よくよく見るとそういったメンタルヘルス面での啓蒙も兼ねている、奥のふかーいポスターだったのですね。

……とここまで書いたところで、あれ?
この「飛び込み自殺」のようになってしまったポスターを見て、なんだかとても違和感を感じるのですよ。
危険なのは、あなたの心? 本当にそうなのでしょうか?

試しに、飛び込みをしている電車の上下をひっくり返してみました。

……ギャア!

なんと言うことでしょう、これ、電車じゃなかったのですよ! これはきっと、そう、悪魔なんですよ、悪魔。デヴィル。サターン。
なんとこのポスターは、メンタルヘルス面での啓蒙を裏の顔に見せかけていて、さらにその裏(裏の裏は表ではありません、さらにその裏側、ダークサイドなんです)には、こうして悪魔に魅入られた乗客を表わしていたのですよ!
なんと黒魔術的なポスターなのでしょう! ああ、恐ろしや、恐ろしや。
JR東日本は、すでに悪魔にその魂を奪われてしまっていたのです!
きっと、国鉄から民営化するとき、「うまくいきますように」と何気ない気持ちで悪魔と契約してしまったのでしょう。
なるほど、だからここまでJRは復活繁栄しているのですか! わー!

なんというか……世の中の裏側を垣間見てしまったぼく。
こんな恐ろしいことを発見してしまって、ぼくは明日、無事に電車に乗ることができるのでしょうか。