非情のトイレット

高速道路で「トイレ、トイレ! 漏れちゃうー!」と、大惨事の予感。
ヤバいのです、ヤバい。激ヤバ。
お願いだから、次のパーキングエリアまで頑張って! ホラ、もうあと5キロだから、ね、ね、ね……と膀胱をなだめすかし、なんとかパーキングエリアに無事到着。
西部警察でもおなじみカーチェイスのように、スピンターンしながら滑り込んだ駐車場。
クルマを停めた目の前には、おお、「特設トイレ」の文字が。
目の前に女神のように現われた「特設トイレ」

これはアレですね、アレ。
高速道路料金ETC1000円対策で利用者増を見込んで増やしたトイレ。
ニュースではよく見掛けていたのですが、まさかこんなところで自分がその恩恵にあずかれるとは。
……ああ、神さま、ぼくはなんて幸せ者なんでしょう。
これはきっとぼくの日頃の行いがよかったからでしょう。

とか言っている間にも、膀胱の水位は刻一刻と増していってるのです。
もう堤防は決壊寸前です。わずか1滴の溢れた水が、大水害への序章となりかねないのです。
もう余裕はありません。ぼくへの感謝はあとです、あと。あとまわし。
トイレ、トイレ! ああ、漏っちゃうぅぅぅー!と目の前の建物目指して入り口に駆け込むと、うぁぁぁぁー!

入口には非情にもビックリマーク付きで「使用できません!」
使用できません!

神さま……ぼくたちは、なんて、無力なんだ……。