「SAW」に5は必要だったのか

基本的にケチでズボラなため、高くて1週間レンタルできない新作は借りられません。
しかもレンタル屋さんには、半額セールの時しか行かないという徹底したケチぶりのため、新作から通常作品になったとしても、すっかり話題が冷めた頃になってようやく観ているクチです。

今回、そんなケチでズボラな人間が借りてきたのが「SAW 5」。
「SAW」シリーズはこれまでにも、毎回ガラリと趣向を変えるテーマの描き方や、よくこんなこと考え出せるよなあと感心してしまう「ゲーム」のアイデアと、そして徹底したロジックの美しさがひときわ輝くラストのネタバラシのシーンなどで、かならずサブイボが立ってしまうのでした。

ところが。
今回の「5」、見終わってしばし唖然。
なんですか、これ。
1から4(実質は2以降)の単なる総集編じゃないですか。

あー、単なる総集編とはちょっと違いますね。
何しろ申し訳程度には、エピソードが付け加えられているのですから。
が、今回付け加えられたエピソードのひとつの「ゲーム」は、アイデアが全然ひねられていません。
もうね、痛くもないし、全然ハラハラもしないし、サイテー。

いやいや、気が付かないうちに、実はアレコレと伏線がいくつもソッと張られていて、ラストになったら、いつものように「これでもか」「これでもか」と畳みくるようなネタバラシで「ヒョエーッ!」という盛り上がりを見せてくれるか……と期待していたのですが……おい
BGMで、いつもの勇ましいヤツが流れてきたので「来た、来た、来ましたよー!」と正座してまで画面にかぶりついたのに……内容がまったく伴ってないのですよ。
これまでの場面をツギハギしただけ。
これじゃ、単に総集編の、さらに総集編ですよ。このシーンの意味が全然ないのです。

また申し訳程度に付け加えられた(アイデアが全然ひねられていない)エピソードも、風呂敷を広げるだけ広げておいて、結末も見せずにそのまま放りっぱなし。
制作陣にとっては、時間がなくなったので(あるいは予算がなくなったので)、ひとまず撮れたところだけでも「5」として、あとはまた続きで……というつもりなのかもしれません。
まさか、「その先は考えていなかったから、今回は撮ってません」とかいうつもりはないでしょうね……(今回の作品の質だったら、それがまたあり得そうだからコワイ)。

もうね、ハッキリと誰か言ってやってくださいよ。
「ふざけるな。作品の質を落としてまで金儲けがしたくなったのか」って。
これまで、4作掛けて築き上げてきたものを一気にたたき壊した、ある意味、革命的な作品ですね、これは。
この先、完結して「SAW コンプリート版」みたいなものをつくったとしても、5はないですよね!
そうか、そういう意味ではもう2度と見られなくなる「貴重な1作」になってしまうのかもしれません!

基本的にB級テイストが好きで、バカ映画がこよなく好きなので、どんな映画でもあまり文句は言わないのですが……今回だけは別ですよ。
言ってはいけない言葉が自然とこみ上げてきました。

「時間とカネ、返せぇぇぇぇー!」

ここまで絶望的に呆れさせてくれた映画って、「イリュージョン・ホテル」以来かも。