このエロさがヤバかった、高襟「高襟狂想曲」(Dance Studio UNO)

何があろうとも、高襟~HAIKARA~だけは皆勤賞を目指すのですよ!
動機が不純? そんなことありません!……たぶん。

そんな訳で、毎度お世話になっています青山るり子さんからもご案内をいただき、高襟の第3回単独公演「高襟狂騒曲 ~ハイカラプソディ~」に行ってきました。
高襟「高襟狂想曲」(Dance Studio UNO)

場所は前回と同じく都内某所のスタジオです。
ここでは靴を脱いで階段を上がるため、前回はメッチャ恥ずかしい思いをしたのですが(しかも家に帰ってから気が付く有り様)、今回はちゃーんと穴の空いていない靴下を履いていきましたよ! やったね!

今回は青山さんからメチャクチャ気になってしまう案内をいただいていたのです。

今回はメンバー総出演の力作です。
「女性」とは?「エロス」とは?
高襟の基盤となるモチーフを全面に押し出し、かつ高襟的ダイナミックなダンスと度肝を抜くパッションは従来のまま、息つく暇すら与えない時間をお楽しみいただけることをお約束いたします。

ね? どうですか、これ。さすが、よく判っていらっしゃる。
ということで、青山さんには「これは絶対、最前列かぶりつきで見なくちゃいけませんよね!」と鼻息もフンガフンガー荒く宣言していたのです。
が……とほほ。
10分前に到着すると、平日の夜だというのに、もう客席はほぼ満席なんですよ。
そんなこと関係なしに「さあ、かぶりつこうかな?」と最前列をギロギロと眺めていると、客席誘導係に「どうぞ、後ろからお詰めになってお座りください」。
小心者のぼく、つい「ハイ……」と素直に従ってしまい、真ん中あたりに空いていた席に座ってしまったのでした。
いやあ、今回の客席誘導係をしていたのが、また知りあいだったので、「最前列に座らせてぇぇぇ~ん」とダダをこねて、「あ、コイツ、中橋、エロ目的だな」なんて思われることが許せなかったんです……。

ああ、しかし今回のこの作品ほど、「最前列で見たかった……」と後悔することになろうとは。
カッコつけている場合ではありませんね!
(そもそも、こんなお下劣ブログを垂れ流していることもあるのだし)

と言うのも、今回の作品ですが、なんというか、いきなり冒頭から、猛烈に、「これでもか」「これでもか」と一気に押し寄せてくるのですよ。
いわば、もう“なんでもあり”でグイグイ迫ってくるのですね。
しかも、各々のエピソードにはかなり性的なメタファー……というか、そのまんまですね、アレは。
性行為のイメージを喚起させるイヤラシイ動きや、けいれん、そしてあえぎ声の連続に、もうウヒャー、なんですよ、ウヒャー。

しかし徐々に「あれ?」。
こうした数々のエピソードが組み合わさった流れをよくよく見ていると、「これって女の一生を表わしている……?」。
出産から始まり、成長していき、女になり、子供が生まれ、育て上げ、しかし牢屋に繋がれ悶え苦しむ。
そう思うと、全体の流れとしては「エロさ」はすなわち、「生への情念」として見えてきたのですね。
単に「スケベ」なエロじゃなくて、もっと、なんというか、深いところにある「こころ」というのか。
そういった「表面的にとらわれない」深いところのものが現われているのじゃないかな、とそう思わされてきたのです。

そういう目で観ていると、かなり観客を翻弄するトリッキーな動きも、単なる「エロ」ではなく、もっと違ったカタチに見えてくるから不思議なんですね。
たとえば主宰者のソロシーン。
ここで彼女は、上半身裸になっています。
背中はモロに露わになっているのですが、しかし胸は「両側に控えたダンサーが胸だけを隠すように服を持っている」ために見えません。
そうしたギリギリの格好で、彼女は激しく踊ります。
当然、胸を覆っているだけの服が外れそうになるのですが、両側に付いたダンサーがうまく隠し続けながらダンスのフォローを行うのです。
しかし時折、外れる瞬間も出るのですが、そのときにはうまく、常に後ろ向きの姿勢でいるのですね。
つまり、観客は常に「見えそうで見えない」ギリギリのところで寸止めされている訳です。

この「見えそうで見えない」寸止めのテクニックは、最初でこそ「見えること」を期待する“エロの目”で観ていたのですが、それがいつしか「あ、ヤバい、見えそう」と、“見えそうになることに対してハラハラする”サスペンス感に変わっているのですね。

全篇通じて、我々観客はこうした「見えそうで見えない」寸止めのテクニックに翻弄され続けていくうちに、いつしか彼女たちの動きに感情移入してしまい、ついには彼女たちの織りなす「動きそのもの」や「筋肉の美しさ」に魅了されていくのですね。

そして迎えるラストのシーン。
ここでなんと全員がパンティ1枚になり、「自分で手ブラ」「他人の手ブラ」「お互いに手ブラ」……と、かなりのスリルとサスペンスが折り合わさった動きが、延々と繰り返されていきます。
しかし、その時にはもう「エロい!」と思う感覚はなくなっているんですね。
ただ、ただ、彼女たちの背中に光る汗と、筋肉の動きの美しさにウットリと見とれてしまうだけなのです。

いやー、ホント、この作品は最前列かぶりつきで見た方がいいですよ。
カッコつける必要はありませんって。
終演後、お疲れさまの青山さんにも「どうして最前列に座ってなかったの?」と言われて、「それを言わないで……(涙)」。
しかしそこは青山さん。
「まだ土曜日のチケットがありますよ」などと甘い甘い営業トークをささやくのですね。
うーん、さすがは判っていらっしゃる。
「だったら、今度こそ最前列に陣取ってリベンジ観賞しちゃおうかな」なんて考えてしまっているぼく……。
(↑やっぱりエロ目的だろ、お前……って言われそうですが、違います! たぶん