再開した究極の偽善番組

いやー、見るともなしにテレビのチャンネルをザッピングしていると、うああ。
今日から、あの偽善番組が再開されているではありませんか。
再開されたあの偽善番組

以前からこの時間帯って他に観る番組がなかったんですね。
だからチャンネルをザッピングの末、ついついこの偽善番組を観てしまっていたんです。

しかし再開第一弾となる今日の物件は特にヒドかった……。

子ども3人と夫婦、そしておばあちゃんという3世代家族の家をリフォームしたのですが、おばあちゃんの部屋だけが完全に座敷牢なんですよ。座敷牢。
もう横溝正史の小説に出てきそうなほどの座敷牢状態。
子どもや夫婦の部屋は、リビングも含めて陽光がさんさんと降り注ぐ明るい部屋なんです。
自称“匠”も「部屋を明るくするために窓を大きくしました」とか言ってるんです。
なのに、おばあちゃんの部屋だけが、小さな窓ひとつしかない座敷牢。
昼間なのに暗くて、風通しも悪そうなんです。
おまけに設置されたベッドの真上数十センチのところが階段になっているし。
絶対にあれ、ベットで寝ていたら、子どもたちがドシドシ階段を上り降りする足音が頭の上からガンガン響きますって。

おばあちゃんがその部屋で過ごすことを一切配慮していない最悪の間取りなんですよね。

いや、ちょっとした配慮はありましたっけ。
おばあちゃんの座敷牢に「化粧台代わりの収納」が用意されていたんですね。
そこは“おばあちゃんのこと、考えたやりましたよ”と言えるのかもしれませんが、あの収納、あれは絶対に仏壇ですよ、仏壇。ミニ仏壇。
もうね、おばあちゃんに「早く死ね!」というメッセージを送っているのかと、勘ぐってしまいましたよ。
全国ネットの番組で、いったい何というブラックなメッセージを送っているのですか!

キッチンもダイニングもリビングも、すべておばあちゃんの部屋の上のフロアにあるから、おばあちゃん、ご飯を食べたり、家族と話そうとするだけでも、この座敷牢から階段を上がらないといけないのです。
もう完全に断絶状態なんですよね。孤独感をひしひし抱え込んでしまいそうな家。
この間取りだったら、もし将来、おばあちゃんが足腰を弱めたら「ご飯を食べるな」「家族に会いに来るな」と宣誓しているに等しいのですよ。
そうなったらおばあちゃん、自分の部屋から出られなくなります。

なのにスタジオの出演者、「おばあちゃん嬉しそう」って……おい。
そりゃ、あんな座敷牢でも、すぐ傍にテレビカメラがあるのだから嬉しそうにしておかないといけないでしょうし……。

昔からこの番組は、「“匠”のいうことは間違いはありません。黙って言うことを聞きなさい」みたいな論調だけれども、どう考えても自称“匠”のアイデアって「その収納は絶対に不便でしょ」「それって生活するときのこと考えてないでしょ」という暴力的なアイデアの押しつけが多すぎだったと思うのですね。
「アフターのさらにアフター」が絶対に存在しないのが、その大きな証拠といえるのではないかと思うのですね。

この番組、VTRのラストはかならず「スッキリとした新しい家で楽しく過ごす家族の様子」で終わるのですが、その新しい家には「もともとあった家財道具」が一切登場していないんですよね。
そりゃスッキリしますって。
なのにスタジオの誰も、この不自然さを訴えないところに怪しさが感じられるのですね。

そんな訳で、これからまた、日曜日の夜にストレスがたまる季節を迎えたのです。
(だったらテレビ観るなよ……)

そういえば以前の放映時はスポンサーが「ペイントハウス」でしたが、今はもちろん違うのでしょうねえ。
提供会社のアナウンスをうっかり見損ねてしまいましたが、いったいどこの会社がスポンサーになったのでしょうか。