伊藤計劃の訃報を聞いてから

つい先日、まだ35歳という若さで伊藤計劃が亡くなったと聞いたときに、「そういえば以前、伊藤計劃のことをブログで書いたことがあったなあ」と思いだしたのでした。
といっても書評などではなく、いつもの書店でのPOPネタだったのですが。

【円城塔に便乗してやったぜ、伊藤計劃】
http://biboulog.com/archives/2007/08/21-092136.php
円城塔『Self-Reference ENGINE』の紹介POP

このブログをアップすると、その後、ご本人から「このPOPは、ぼくが入院しているとき、見舞いに来ってくれた円城塔とベッドの上で書いたものなんです」とのお言葉をいただいたのですね。
もうひぇぇぇーですよ、ひょぇぇぇー。
まったくもって申し訳ございません(いろんな意味で)。

ところが。
訃報を聞いてから、改めてこのご本人の言葉を読み返そうとしたら……見あたらないのですね。
ブログには、そんなコメントが一切ないのですよ。コメント数0。
あれれ? ということは、これはコメントではなくて、メールでいただいたのだっけ……?
そう思ってメーラの中身もくまなく検索してみたのですが……やっぱりないんです、ない。どこにもない。
もうね、夢か幻か、はたまた勝手なぼくの思いこみだったのか、すっかり本気で悩みましたよ。
ただ夢や幻にしては、ずいぶんリアルに具体的に覚えているんですね。
また思いこみにしても、そんな「入院先で一緒に書いた」なんてことを思いこむ理由もないはずです。
だからきっと、これはご本人から現実にいただいたコメントに違いないはずなんです。
そうすると、残る可能性としては、やはりメールで送られてきたのに、そのメールをつい削除しちゃったのかぁ……とクヨクヨ思い悩んでいたんです。

ところが、さっきのこと。
突然に「……あ!」。閃いたんです。
思い出しましたよ、思い出しました。すっかり思い出しました。
そうなんです、そう! ここだったのですね、ここ。mixi日記。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=536850037&owner_id=85558

よかったー、メールを削除した訳でも、ましてや夢や幻、思いこみなんかではな買った訳なんですね。
mixiが観られない方のためにコメント部分を再掲させていただきます。

おお。

それは私の本の発売前に内職したやつですね。私がたまたま入院していて、円城さんがお見舞いにきてくださったときに、病院のベッドで一緒に書いたのを憶えておりまする(なので、青い題名部は円城さんの字です)。

便乗というより、デビュー作発売前の知名度皆無状態なのでそんなふうになったのだと思います、たしか。円城さんはすでに文學界とっておられましたから。それと、あんたも宣伝してええよ、と寛大なお言葉を頂いておりましたので。

なんか貰われていった子どもを見る気分でござりまする。ほかにもいくつかあるとは思いますが、はじめて見ました。

それに対するぼくからのチキンな返事。

げ、ご本人さまからの書き込みが……。
す、す、す、すみません。好き勝手なことを書いちゃって(汗)。
「便乗」というのはあくまでぼくの妄想ベースでの勢いですので、お気を悪くされたら申し訳ありません……。

しかしこのPOPのエピソード、伊藤さんが入院されていたときに作成されたものだとは驚きました。
てっきり、本屋さんの事務所でお2人、ワイワイと大騒ぎしながら(「オレが宣伝書いてやるよ」「あ、お前、自分の本の宣伝までしたな」「いいじゃん。今度オレのPOPにはお前に書かせてやるから」「コーイツー」「ははははは」みたいな感じ)作ったんだろうなあと勝手に思っていたのですが、そんな想像を上回るまさに「走れメロス」ばりの友情のPOPなんですね。

写真をご覧いただけただけでも、このPOPを発見して日記ネタにさせていただいた甲斐がありました。

その節はコメントを頂きまして本当にどうもありがとうございました。
そしてご無礼を失礼いたしました。

ご冥福をお祈りいたします。