古本屋さんでサイン本の福袋(今ごろ……)

だいたいのところ、「福袋」なんてものの存在が信じられないのですよ。
絶対にアレ、売れ残りを詰め込んだだけだと思うのですね。
だって出てくるモノといえば、あり得ないほどのダサダサか、サイズが全然合わないか。
だからこれまで福袋なんて決して買うことはなかったのですよ。

それなのに、ああ、それなのに。
遂に買ってしまいましたよ、福袋。
古本屋さんで。

それでなくても「福袋」は売れ残りの在庫一掃処分の口実だと思っているのに、それがいまだに残っているとなれば、「売れ残りの売れ残り」とモウ最悪のはずなんです。
なのに買ってしまいましたよ……とほほ。
だって「すべてサイン本」なんて書かれてあったら触手が動かない訳がありませんって。
でもさすがはサイン本の福袋、「松」「竹」「梅」とランクがあって、かなりいいお値段しているんですよね。
「松」なんて、恐ろしくてとても買えませんって!

紙袋が並べられた棚の前で「うーん、うーん」と唸っているぼくに、お店のご主人、笑いながら「損はさせませんよ」。
いや、だって福袋でしょう、中身が見えないのがなあ……と、さりげなく「中を見せて貰っても、いいでしょ?」光線を出してみたのですが、やはり笑いながら「ダメですよ」。
そう言われてしまうと、ますます動けなくなってしまって「うーん、うーん」。
さすがにご主人も気の毒に思ってくれたのか、それとも早く店から追い出したかったのか、並べられてある紙袋からひとつ取り出し、「これなんてどうでしょうかね?」。
渡された紙袋は手応えズッシリ。
いただきます、いただきます、それ、いただきますとも。

そんなこんなで、遂に買ってしまったのですよ、福袋。
店を出てすぐに中身を見たくなる誘惑は、グッとガマンなんですよ。
何だか、中身を見るのをガマンすればするほど、中身が「当たり」になるんじゃないかと、そんな気がしてきたのです。

もうほとんどどのようにして帰ってきたのか記憶のないままに、気が付いたら家のなかに立っていました……コワッ。
服も着替えずに部屋の真ん中で仁王立ちのまま、紙袋を蹂躙するかのごとくオープンですよ……うおお。
中に入っていたのはこの10冊でした。

筒井康隆・柳瀬尚紀『突然変異幻語対談』
筒井康隆・柳瀬尚紀『突然変異幻語対談』

宮部みゆき・室井滋『チチンプイプイ』
宮部みゆき・室井滋『チチンプイプイ』

黒川博行『封印』
黒川博行『封印』

中島らも『ガダラの豚』
中島らも『ガダラの豚』

岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』
岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』

小川洋子『冷めない紅茶』
小川洋子『冷めない紅茶』

ほしよりこ『きょうの猫村さん1』
ほしよりこ『きょうの猫村さん1』

「ユリイカ 2005年11月号」
(川上未映子が、「未映子」名義で小説家デビューした「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」が収載されています)
「ユリイカ 2005年11月号」(川上未映子のデビュー作「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」収載)

日本SF作家クラブ編『2001』
(このアンソロジーに収載されている作家は、新井素子・荒巻義雄・神林長平・瀬名秀明・田中光二・谷甲州・野阿梓・藤崎慎吾・牧野修・三雲岳斗・森岡浩之の11名でした)
日本SF作家クラブ編『2001』

北野武『たけしくん、ハイ!』
サインが怪しい……北野武『たけしくん、ハイ!』

……えっと、最後の北野武『たけしくん、ハイ!』。
これだけ怪しい。アヤシイ。メチャクチャうさんくさいのですよねえ。
何しろ、「北野武」名義の本なのに、サインが「ツービート」と書かれて「ビートたけし」となっているのがどうもアヤシイんです。
これまで見てきたなかでも最大級のナゾを持った本なのですよ。

とまあ、アヤシイ本があったとは言え、全体的には大満足だった初めての福袋。
「残り物には福がある」ということわざは本当だったのですね。
お店のは、まだまだそんな「残り福」らしき福袋がゴロンゴロンと転がっていたんですよ。
もうできることなら買い占めたい。
……あ、でもそんなことしたら、絶対に変なヤツばかり引いてしまうので、絶対にできませんが。
(子どもの頃、「プロ野球スナック」や「仮面ライダースナック」で、イヤというほど経験済み)