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帰ってきた、うずめ劇場「ねずみ狩り【Bプログラム】」(こまばアゴラ劇場)

“あの衝撃”から約4年、うずめ劇場が問題作「ねずみ狩り」を再演するのですよ。
うずめ劇場「ねずみ狩り」のチラシ

そんな訳で、こまばアゴラ劇場へゴウ。
すると……おおう、なんということでしょうか。劇場周辺、およびストーブがぬくぬくのロビーには、溢れるほどの野郎、野郎、野郎ども。
見事なまでの野郎率、おそらく100%近い数字をたたき出しているのではないでしょうか。
しかも、今日は平日だというのに、場内は週末かと思えるほどの満席状態。
伝え聞くところによると、チケットは前売り段階でほぼ完売なのだそうですよ。

そんな再演版「ねずみ狩り」。
舞台は、様々なモノが捨てられているゴミ捨て場で、そこにやってきた男女2人の物語です。
ストーリーそのものは初演版と変わりありません。
しかし演出において、まるで観客を挑発するかのような内容に変えられているのでした。
ゴミ捨て場にいる男女2人を暗がりからジッと見つめる観客たちが、ゴミ捨て場に巣くう巨大ネズミの集団に見立てられているのです。
観客は、舞台上の俳優から拳銃を向けられ、次々に撃たれていきます。
もちろん、小道具としてのモデルガンなのですが、火薬を使用した射撃に、銃口を向けられた観客は思わず避けてしまうほどなのでした。
この、暗がりからジッと見つめる「観客」をゴミ捨て場に巣くう巨大ねずみに見立てるあたりは、初演よりもダイレクトに「現代社会に対する風刺」として、スパイスが効いていたのではないかと思うのですね。
そもそも、今回の会場であるこまばアゴラ劇場は、初演が行われたシアターΧ(カイ)に比べると、ステージと客席の間がかなり近いのです。
だから、余計に観客を挑発する演出がショッキングに感じられたのかもしれません。

しかし、物語が進み、登場人物が身につけているモノを捨てていくあたりから、状況は変わります。
初演時は、身につけている「モノ」を捨てていき、それが結果として「過剰に装飾され、そして消費されていくだけのモノ社会へのアンチテーゼ」というテーマを生み出していたと思うのです。
しかし今回は、身につけている「モノ」を、商品名を挙げて捨てていくため、単なる「モノ」ではなく、「商品」そのものとしての存在感を発しているのです。
そのため、「モノ社会に対する風刺」というよりも、「モノを所有している個人に対する風刺」としての印象を受けてしまうのでした。

……あ、そうか。
観客を「ゴミ捨て場に巣くう巨大ねずみ」に見立てていることからも考えると、今回の演出の狙いは、前回のように「社会」そのものではなく、「個人」に対する風刺なのかもしれませんね。

そしてクライマックス。
ああ、やっぱり今回もきましたよ、きましたよ、きちゃいましたよ。
男女2人の俳優が着ている服もすべて脱ぎ捨て、真っ裸マッパマッパッパ
しかし今回は、おおう、なんということでしょう。かなり“美しさ”を感じるのですよ。
初演のときは、真っ裸になった2人の俳優が轟音でBGMが鳴り響くなかを、単に踊り回っていただけのように感じたのです。
しかし今回の公演では、なんというか、2人の間にある「モノ」がすべて捨てられ、存在するのは「お互いのみ」という状況下で、“愛”の存在が感じられたからでしょうか。
いやあ、ヒロインの方の美しさにはもう、ただ、ただ、うっとり。
初演のときに感じた不自然さと言うものが一切払拭され、大満足の再演だったのでした。

ただし、1件だけものすごく気になったのが拳銃の存在です。
初演時は舞台がアメリカということで、登場人物が拳銃を持っていてもなんらおかしくなかったのですね。
ところが、今回の舞台は現代ニッポンなんです。
なのに、登場人物が普通に拳銃(および実弾を箱ごと)を所持している状況の不自然さ。
拳銃と実弾は物語の「キー」となるだけに、存在は不可欠なんですが、しかしながら現代ニッポンではあり得ない状況に、キショク悪く感じられたのでした。
そこだけが残念な点でしょうか。
うずめ劇場「ねずみ狩り【Bプログラム】」(こまばアゴラ劇場)

日本語の学習「駅のアナウンス」編

電車に乗っていると、こんなアナウンスがホームから聞こえてきました。

お気をつけください、電車のドアが閉まります
お気をつけください、電車のドアが閉まっています
お気をつけください、電車のドアが閉まりました

おお、見事な三段活用だ。
しかしドアが閉まってしまったら、もう乗客としては注意しても仕方がないんじゃないかと。
(電車のドアに挟まれたままで発車オーライ ←全然オーライではありません)

今日はパシフィコ横浜にて

今日は、青空がスッコーンと抜けそうなほどに気持ちのいい、まさに横浜日和なんですよ。
そんななか、パシフィコ横浜にやって来ました。
パシフィコ横浜
オシゴトなんですよ。
オシゴトなんですが……。
Windows 7で遊んじゃう
Windows 7なんかで遊んでます。

一方、ロビーはドリンクバーとなっていて、ジュースにお茶にコーヒーがよりどりみどりで飲みたい放題、ズラリ並んでいるんですよ。
ドリンクは飲み放題と、実に豪気
うーん、こんな光景を見ていると、実は世の中、景気はいいんじゃないか……などと思ってしまいます。

そして夕方。
用事があって、会社のみんなからは一足お先に失礼いたしました。
通り掛かったクイーズスクエアから「時計仕掛けの大観覧車」をみてみると……オオウ?
なんとタイミングの悪いことに、地味なイルミネーションの瞬間なのでした。
地味なイルミネーションでガッカリした大観覧車(そのすぐあとに派手なイルミネーションが……)
カップル渦巻くなかを、「ッチ、仕方ないなあ」とデバガメのごとく写真に撮り、サッサと逃げるように立ち去りました。
そのあとで振り返ってみると……オオウ?
なんとタイミングの悪いことに、今度はメチャクチャきれいなイルミネーションになっているんですよ!
カップルの毒気に負けず、もうあと数分立ち止まっていたら、よかったんですねぇ。
ガラスに映り込む横浜の夕景

第2回 世界バカミス☆アワード(青山ブックセンター本店)

わっはっはっは。バカミスですよ、バカミス。
バカミスの祭典「第2回 世界バカミス☆アワード」が青山ブックセンターで行われるということで行って参りました。
バカミス会場はこちら

司会進行はバカミスの名付け親の小山正さん、バカミスのフィクサー(と紹介された)杉江松恋さん、そしてサングラスが恐ろしい川出正樹さんの3人です。
ゲストには、作家の鳥飼否宇さんと翻訳者の日暮雅通さんと、豪華なメンバーで開会されたのでした。
バカミス会場の様子。ひな壇の横にはアワード像が……

まずは選考方法についての説明です。
それによると、まずmixiのコミュニティ「バカミス紹介コーナー」において、候補作募集アンケートが実施され内外の53作品が「第1次選考」として選ばれたそうです。
そして、さらにmixiのコミュニティメンバーにおいてこの53作品から推薦作の投票が行われ、13作品に絞り込まれました。
その後、小山正・杉江松恋・川出正樹・永嶋俊一郎の各氏により激論が交わされた上で、最終候補作として5作がノミネートされた、と言うことだそうです。

ここで、その5作を発表する前に、惜しくも最終選考から漏れてしまった8作を、各推薦者より紹介されました。
いやー、その内容が確かにどれも面白そうなことこの上ないんですね。話を聞いているとメチャクチャ気になる本ばかりだったのですよ。

(薦・川出)倉阪鬼一郎『紙の碑に泪を』(講談社ノベルス)
コロンボに憧れる刑事が、ジム・トンプソンを劣化させたような作中作となる小説を読みながら犯人のアリバイ崩しをする物語。
このどうしようもないくだらない作中作と現実がリンクした瞬間、両肩が脱臼するかと思うくらいの衝撃を受けるバカミス。
(薦・小山)恩田陸『きのうの世界』(講談社)
バカミス☆アワードの候補だけでなく、直木賞の候補と、「ダブル候補」になってますね(笑)。
通常の小説は一人称か三人称だが、章ごとに視点を変えた多人称で描く実験的作品。
街の秘密が浮かび上がった瞬間に、あっと驚くこと必至。
帯に「自らの集大成」と書いてあるが、恩田さんの集大成がこれって……(笑)。
鳥飼否宇も「この作品には仰天した。まさかこの街の秘密を書きたかったためだけにこれだけの物語を書いたのかと大笑いしてしまった」と大絶賛。
(薦・小山)スティーブン・ハンター『四十七人目の男』(扶桑社ミステリー)
スティーブン・ハンターと言えば、冒険小説家で有名だが、実は映画評論家でもあり、黒澤明の大ファン。
それが結実した作品で、「アクション小説」+「サムライ小説」+「現代小説(時代小説ではない)」という作品で、イキオイだけ勇ましい。それ以上は何もない。必然的に読む方もイキオイだけになってしまい、あとに何も残らないかも(笑)。
また彼は日本のサブカルが好きらしく、特にAV(エッチなビデオの方ね、オーディオではなく)に対する愛がものすごく感じられる。
あれはきっと所有していますね(笑)。
(薦・川出)ポール・クリーヴ『清掃魔』(柏書房)
まずタイトルに「?」。清掃魔って一体なんだ……掃除好きの犯人?
そうではなく、鬼畜犯の正体が実は警察の清掃員で、捜査情報を簡単に調べることができるというもの(ネタバレではないです)。
その清掃員、自分の犯罪以外の事件も自分が犯人にされていることを知り、自ら犯人を推理していくというストーリーだが、こいつがよく判らないヤツ。
「自分は他の犯罪者とは違うんだ」とか言いながらも、まったく普通の輩と変わりなかったりするんです(笑)。
(薦・杉江)飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』(早川書房)
集団ヒステリーで、物語は「イヤな方へ」「イヤな方へ」とズンズン突き進んでいく。
それが高まった瞬間に、あるものが起こり、パニックが最高潮に達してしまう。
どうなるのか、と思わせておいて、作者はちゃんと本格ミステリのかたちで、落としている。8割方だけど(大爆笑)。
鳥飼否宇「全部回収してないところがいいね」(笑)。
(薦・杉江)ジェイムズ・パウエル『道化の町』(河出書房新社)
短篇集だが、全部バカミス的要素が詰まっている。
表題作は、ピエロしかいない街で発生した殺人事件の話。死因は「顔に投げつけられたパイ」(笑)。刑事もピエロで、ピエロだからボケなければいけないとか、バカミス要素がたくさん。
他にも、スパイがバスで旅行中、トンネルに入るたびに1人ずつ死んでいく話や、身体をドアにホッチキス留めされた探偵が動けないからそのままの姿勢で操作を行うなど、見逃せない作品ばかりだ!
(薦・杉江)アンドルー・クルミー『ミスター・ミー』(東京創元社)
女性には興味がない書痴の老人、稀覯書を手に入れるためにパソコンを購入したが、エロサイトの存在を知ってしまう。しかし興味があるのはハダカの女性ではなく、そのモデルが持つ本……といったAパートに、サスペンスだが“スゴイこと”が起こってSFとしても秀逸なBパート、そして思想家ルソーが登場するCパートと3つのパートが別々に進められていき、ラストで1つにつながる文学作品。
(薦・川出)マイク・ハリスン『揺さぶり』(ヴィレッジブックス文庫)
この本は、例えて言うと「ホットロッドのレースを観ていたら、スタートしたとたんにクルマのパーツがすべてバラバラに外れて2輪が出てきて、しかも真っ直ぐに進まず大きくカーブし、隣にあったオートバイレースに参加しちゃったと、オイ」みたいな作品。
(皆から「判りませんって」とモーレツなツッコミ)

そして、ここからがいよいよ最終候補作の紹介に入ります。

(薦・川出)鳥飼否宇『官能的』(原書房)
普段は数学者だが、変態により変態探偵になることで難事件が解決される……と言う物語。
と言っても、この「変態」は“スケベ”の変態ではなく、昆虫などにおける“メタモルフォーゼ”という意味での変態ですからお間違いのないように。
しかしその変態が起こるためにはきっかけが必要で、それが「罵倒されること」。
罵倒されることで変態するという……やっぱり変態の話なのかな。
(鳥飼否宇、真っ赤な顔になりながら苦笑)
ここで杉江松恋がすかさずフォロー。「もともとは現実の女性には興味がない学者なんですね。だから変態といっても妄想だけだから、女性でも安心して読めますよ」。
フォロー……?
(薦・小山)スティーヴ・ホッケンスミス『荒野のホームズ』(ハヤカワミステリ)
西部のカウボーイが、ホームズモノを知ることで彼の観察眼を我がものにするという、「ウェスタン」+「ホームズ・パスティーシュ」+「本格ミステリ」の物語。
「これはホームズものだ」と思わせる推理シーンもあるし、ウェスタンとしてのアクションシーンもある。
日暮雅通さんが翻訳されていますが大変だったのでは……?
「登場人物がさまざまな言葉の訛りで話すものだから、そこが大変でした」。
(薦・杉江)東山彰良『ジョニー・ザ・ラビット』(双葉社)
マフィアのボスに飼われていたが、そのボスが殺されたために逃げ出して自然界に帰り、孤高の探偵になったウサギのジョニーの話。
ウサギの視点から語られるウサギの世界のハードボイルド。
実は「ウサギ」という主人公は、「マイノリティ」と置き換えて読ませて悲しみを描き出している物語でもある。
(薦・小山)アノニマス『名もなき書』(PHP研究所)
「アノニマス」は名前ではなく、作者不詳のこと。
ネットで発表されていて、口コミで広がったものを出版したものである。
しかしこの内容がトンデモぶり。「名もなき書」を巡って争奪戦が繰り広げられる様は『月長石』テイストだが、どんどんとカオスが広がっていく。
こんなトンデモ本がPHP研究所から出ているなんて、もう狂ったかと……。
担当者に出版までのいきさつを訊きたかったが、捕まらなかった。ひょっとしてもうPHPにはいないのかも(笑)。
杉江松恋「表紙が、荒木飛呂彦だったらよかったかも。『ジョジョ』のようにBGMで“ゴゴゴゴゴ……”と擬音を想像しながら読むといいよ!」(笑)。
(薦・松江)ドゥエイン・スウィアジンスキー『メアリー・ケイト』(ハヤカワミステリ文庫)
これ、あらすじの1/3がウソ書いてます(笑)。こんな展開はありません。
ただ、そう書かざるを得なかったのは、きっと何を書いてもネタバレになっちゃうからだと思う。
とりあえず読者には「面白そう」と思わせて、手に取って読んでもらえれば、きっとあらすじのことなんて忘れるだろう、と思ったのでは?
昔のポケミスではよくあったことなので、懐かしい(笑)。
とにかく、60ページでとんでもない展開になる。
ミステリ史上もっとも「ペアで逃げなければならない」状況、ミステリ史上もっとも「切実な」タイムリミット。
恐ろしいのは、作者はこの続篇を書いているそうだ……。
鳥飼否宇「なんでこんなバカな設定を思いついちゃったのかと」。

ここで最終投票に入ります。
観客にもあらかじめ投票用紙が渡されてあり、最終候補作のなかから「この本を読みたい」と思ったものを“3作”選び、集計に入ります。

集計結果を待つ間に、質問コーナーとなりました。

「バカミスを人に勧めたらバカにされました」
(川出)「人に合わせて作品を選ばないといけません。“万人受けするバカミス”なんて存在しません」
(小山)「万人受けするバカミスといえば、比較的カーあたりでは? なかでも『魔女が笑う夜』。」
(杉江)「会社でいきなり『官能的』を勧めたら、セクハラになるよね」
(鳥飼)「(真っ赤な顔になって)そんなことありません!」

「杉江松恋さんをずっと女性だと思っていました」
ペンネームのためだと思うのですが、あと、文章を書く際にも気をつけていることがあるんですよ。

  • 女性○○とは言わない
    (例えば弁護士の場合、男性でもわざわざ「男性弁護士」とは言わない。そういった「男性○○」と言わないものについては、「女性○○」とも言わないようにしている)
  • 文章のリズムが「はんなり」しているように心がける
    (おかげでいつも編集者の皆さんには校正で真っ赤にして返していて申し訳ないです)

「皆さんの“オールタイム・ベスト・バカミス”を教えてください」 (小山)霞流一『スティームタイガーの疾走』
(鳥飼)ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ『赤い右手』
(日暮)ウィリアム・ブリテンの「読んだ男」シリーズ(『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』など)
(川出)スティーブン・ドビンズ『奇妙な人生』
(杉江)アガサ・クリスティの全作。
なにか1作というと……読んだ回数で最も多いのは、小林信彦『神野推理氏の華麗な冒険』

そしていよいよ投票集計ができました。 栄えあるアワード受賞作を、小山正さんにより発表されました。

第2回 世界バカミス☆アワード 受賞作
鳥飼否宇『官能的』(72点)
小山正よりバカミス像を授与された鳥飼否宇

次点
東山彰良『ジョニー・ザ・ラビット』(61点)

以下、
ドゥエイン・スウィアジンスキー『メアリー・ケイト』(54点)
スティーヴ・ホッケンスミス『荒野のホームズ』(35点)
アノニマス『名もなき書』(29点)
と続きました。
アノニマスが受賞しなかったと言うことで、「よかったー」と安堵をもらす小山さん。
「何しろこの作品が受賞していたら、誰に渡していいのか判りませんから」。

その後はサイン会。
急遽、惜しくも次点だった東山彰良も参加することになるも、飛行機の時間が差し迫っている言うことで大慌ての大忙しでのサイン。
東山彰良のサイン入り『ジョニー・ザ・ラビット』

そして、奄美大島在住のためにサイン会がなかなかできない鳥飼否宇サイン。
「King Crimsonが好きなので、ぜひ『太陽と戦慄』のシリーズを」とリクエストすると、「ああ、あの本ですね、文庫化するのに大幅にリライトするのですよ。で、タイトルを『太陽と戦慄 パート2』にしようかなと……悪ふざけ過ぎますかね」。
いえいえ、だったらぜひとも「パート4」までお願いします。
(もともと、King Crimsonには「太陽と戦慄」という名曲があり、この曲に「パート1」「パート2」……「パート4」とあるのです)
鳥飼否宇のサイン入り『爆発的』

かんたんチキンカレー

ああ、カレーマニアなぼくは、毎日でもカレーが食べていたいのです。
中毒なんですよ、中毒。カレージャンキー。カレードランカー。カレーキチガイ。
お寺の住職に「キチガイじゃが仕方がない」と言われても仕方がないのですよ。
そんなぼくは、いつ禁断症状が出てもいいように、楽天で「箱買い」したインスタントカレーを普段から納戸にしまってあるのですが……うああ!
いつの間にかすっかり食べ尽くしてしまい、まったく買い置きがなくなっていたのですよ。
うーん、仕方ありません。
もともと今日は何も予定がなくてヒマなんだし、たまにはちゃんとつくってみよう。
……と言っても、“なんちゃって”カレーなのですが。
そんな訳で、今日の夕飯は「かんたんチキンカレー」にしたのでした。

【材料】
  • 鶏肉 食べたいだけ(350gぐらいのパック)
  • ヨーグルト 250g
  • トマト缶(400g)1缶
  • ニンニク 1片
  • ショウガ 1片
  • 玉ネギ 1個
  • 赤唐辛子 5本
  • バター 大さじ2杯分
  • カレー粉 大さじ2杯程度
  • 塩 小さじ1杯
  • ウスターソース 小さじ1杯
  • インスタントコーヒー 小さじ1杯
  • 水 600cc

【作り方】

  1. 鶏肉をヨーグルトに浸けておき、冷蔵庫で一晩おく
  2. バターで唐辛子を炒める
  3. みじん切りしたニンニク、おろしたショウガを加え、香りをたてる
  4. みじん切りした玉ネギを加え、飴色になるまでじっくり炒める
    飴色になるまで玉ネギを炒めます
  5. カレー粉を加え、粉っぽさがなくなるまで炒める
  6. トマト缶を加え、水気がなくなるまで炒める
  7. 浸けておいた鶏肉をヨーグルトごと加え、ざっと炒める
    すべての材料をぶっ込んで炒めます
  8. 水、塩を加え、1時間程度煮込む
    水と塩を加えて煮詰めます
  9. ウスターソース、インスタントコーヒーを仕上げに入れる
  10. できあがり

うひひひ。
ではでは、いっただきまーす。
できあがり。あとは食べるだけ

イヤラシイ液体

会社で夕方。
ちょうど今ぐらいの時間になると、もう毎日のように、理性という防御壁を乗り越えて、本能の奥底からモーレツに突き上げてくる衝動があるのです。
病気ですよ、病気。もう、ほとんどビョーキ(山本晋也風に)。

「お腹空いた」。
ただ、ただ、その衝動に突き動かされ、脱兎のごとくオフィスを抜け出すと、一路目指すはご近所のローソン。野郎まっしぐらです。
そして菓子パンコーナーにかぶりつくのです。
うへへへへ、今日ははちみつがたっぷりベトベトに塗りたくられたフレンチトーストなんて買ってきたのですよ。
めちゃくちゃカロリー高そうですが、まあいいや。

で、さあ食べようとしたとき、そのビニール袋に書かれてある説明が目に付いてしまったのでした。
「フレンチ液」っていったい……
えっと……、何ですか、その「フレンチ液」って……?

めちゃくちゃイヤラシイ響きがあるのですよ、「フレンチ液」。
直訳したら「仏蘭西の液体」じゃないですか。オオウ、マドモワゼール。
なんか、こう、エマニエル夫人の身体から滴ってきているような、そんなイヤラシイかほりがプンプンと漂ってくるかのようですよ、「フレンチ液」って。

しかし、なぜにこんなにイヤラシイ感じがするのでしょうか。
他にもこのような言葉がないものか、考えてみました。

  • イギリス液(ウスターソース)
  • インド液(カレー)
  • チャイナ液(ラーメンスープ)
  • ジャパン液(蕎麦のダシ)

全然イヤラシくありません。
というか、何か工業品の原材料みたいな、まるで「職人」のような雰囲気さえ感じさせるではないですか。

あ、そうか。
“フレンチトースト”をつくるための液だから「フレンチ液」か。
だったら「イギリス液」や「インド液」って、別に料理の名前が付いてないですよね。
料理の名前を付けて言い換えてみました。

  • ソース液
  • カレー液
  • ラーメン液
  • 蕎麦液

もう言葉として間違ってますよ、これはやっぱり。
あ、そうか!!
料理系は大体、こういったものは「汁」って使うんですよね、汁。
「カレー汁」「ダシ汁」「みそ汁」「肉汁」……って、「肉汁」は“しる”って読まないか。
なるほどね! 「液」なんて使っているから変に感じたのであって、これが最初から料理系でよく使われる「汁」だったら違和感は感じなかったはずなんです。
謎が解けてヨカッター。
そんな訳で、改めて読み直してみました。

フレンチ汁。

ああ、何だかやっぱりイヤラシイ。

ヒョウタン・オブジェと交通安全祈願の関係性

冷たい雨がシトシトそぼ降る浜松町の駅前に、何やら金色に輝くヒョウタンのオブジェがあるのを見かけたのですよ。
金色に輝く謎のヒョウタンオブジェ

……ヒョウタン?
ここは浜松町ですよ、浜松町。通りの向こうには東京タワーがそびえたつ都会の一等地。
別にヒョウタンの産地でも何でもないはずなんです。
そんな都心の駅前に、なぜに金色に輝くヒョウタンのオブジェがあるのデスカ?

ヒョウタンが設置されてあるその石台には、「世界の願い交通安全」と刻まれてあるのです。
謎のヒョウタン・オブジェを支える石台には、祈りが刻まれてあるのでした

祈りですね、祈り。祈りの言葉が記されてあるのです。
なるほど。
このオブジェが建つその向こうには、クルマがビュンビュン行き交う道路なんですもの。
これではいつ何時、事故が起こってもおかしくはないのですね。
だから「交通安全を祈願して」このオブジェを建てた、ということなのでしょうか。
しかし、それでもヒョウタンの謎は解けません。ヒョウタンと交通安全の関連性がよく判らないのですよ。
……あ。
ひょっとしたら、ヒョウタンの花言葉って"交通安全"とか“祈り”とか?
いやいや、これがヒョウタンの花なら花言葉も判るのですが、このオブジェ、もう実になってしまってますよね。
花言葉なんて全然関係ありません。
謎なんですよ、謎。
ヒョウタンと交通安全のナゾ。

冷たい雨がそぼ降る駅前で、アホのようにポカンと口をあけながら、ヒョウタンをよくよく見てみました。
すると……うああ!

ヒョウタンではなかったのですよ!
これ、ヒョウタンではありませんよ!

ヒョウタンとばかり思っていたオブジェは、実は「地球」と、「その上にとまるハト」(地球の大きさに対して、メチャクチャでかい!)だったのですよ!
「地球とハト」って……。
まあ確かに、これだったら「世界の願い交通安全」という祈りにもピッタリ合いますよね!

しかしここで新たな問題が発生してしまうのです。
どうして「地球とハト」のオブジェが、「ヒョウタン」なんかに見えてしまうのでしょうか……。

ま、いいか。
あまり深く考えないようにして、オブジェの反対側にまわってみました。
ホラ、この"ヒョウタンもどき"の「地球とハト」のオブジェも、反対側から見たら、このとおり。
反対側から見たらヒョウタンでもなんでもないのです
見間違うことなく確かに「地球とハト」だったのです。
なんだ、最初からこっち側から見ておいたら、「ぬお、なぜにヒョウタンが!?」なんて悩む必要はなかったのですね……って、うああ!
オブジェをこちら側から見てみると、石台に刻み込まれてある言葉が……

祈りでもなんでもないのです
広げよう納税の輪

もはや祈りでもなんでもなく、単なる「標語」になってしまっているのですよ。
そもそも納税って……、これこそ「地球とハト」とはまったくかけ離れてしまっているのですよ!
しかもこれ、標語としてもどうなんでしょうかね。「広げよう納税の輪」って……。
まさか「笑っていいとも」で、「世界に広げよう友だちの輪」が流行った頃に建てられたものなんでしょうか。

こうしてひとつの問題を解決しても、次々に新たな問題が浮上してくる“無間地獄”に陥ってしまったのでした。

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