「第1回コレオグラファーズ ダンスコンサートY」(町屋ムーブ)

垣内友香里さんから、彼女が主宰するBenny Mossが出演するというご案内をいただきました。ありがとうございます!
そんな訳で、会社帰りに町屋ムーブへゴウ!
町屋ムーブの案内「第1回コレオグラファーズ ダンスコンサートY」

この「第1回コレオグラファーズ ダンスコンサートY」は、5組の若手ダンサーたちが出演する試みなんですね。
1組あたり持ち時間は20分程度で、割と「コンテンポラリーダンスしてます!」的な作品が多いなか、やはりBenny Mossは異彩を放っていました。
もうね、なんというか、カオスなんですよ、カオス。混沌。
何しろオープニングからしていきなり人を食っています。
全然垣内さん“でない人”がステージ中央に立ち、「皆さん、こんにちは。私は垣内友香里と申します。今日は私の作品を観に来ていただき、ありがとうございます」的な口上を述べ始めるのです。
この“信用できない語り手”が現われた時点で、これはもう、すっかりメタフィクション的展開にもっていっていますよ。
メタ好きなぼくとしては、この枠を壊す試みにもうワクワク、ドキドキしてなりませんって。
さらに、この“信用できない語り手”が口上を述べている途中で客席から男がいきなりステージに乱入、彼女にタックルを食らわして2人ともひっくり返り、そのまま動かなくなってしまいます。
「客席」と「ステージ」は別世界であり、お互いの世界を浸食してはならないというお約束をも覆す、やはりこれもメタな展開で作品は始まるのでした。

ここから舞台上では、これまたカオスとしか言えないダンスが展開されていくのですが、ここでまた、さらに客席から別の乱入者が登場してくるのです。
……しかしステージには入ることができません。
どうもステージ上にいるメンバーは、ある“共通した色”を身につけており、この色を身につけていない乱入者は、仲間に入ることができず、舞台袖から観ているだけしかないようなのでした。
が、ここでもうひとりの傍観者である「全身に包帯を巻いた女性」はなぜか途中からメンバーに加わります。
ということは、彼女は“色”を途中で身につけたことができたのでしょう。
それは、やはり包帯を身につけていることと関係あるのか、それとも“女性だから”なのでしょうか……。

こんな風に、この作品はいろいろと考えさせられるメタファーに満ちあふれ、非常に刺激的なものだったのです。
(あまりに刺激的すぎたからか、聞くところによると、初日は途中で倒れてしまい、救急車で運ばれてしまったお客さんもいたそうなのです……ううん、オソロシイ)

ただ冒頭に登場した語り手が、“信用できない語り手”であることは、垣内友香里さんを知っているからこそ判るのであって、今回の作品を初見であるとなかなかその意図は通じないのではないかと、余計な心配をしてしまうのでした。
(あ、でも“信用できない語り手”が「私は垣内友香里です」と言ったとたんに、あちこちで当日パンフを開く音がしていました。きっと顔写真を確認しようとしていたのでしょう……。でも、顔写真ではよく判らないと思うのでちょっと弱いかも)
「第1回コレオグラファーズ ダンスコンサートY」(町屋ムーブ)