城之内早苗にさりげなく肩入れしてみる新聞記事

うわ。
紹介するのをすっかり忘れていました。
そんな訳で、今更ながらの更新。

11月上旬、新聞にこのような記事が載っていたのでした。

城之内早苗さん事故
自転車の女性はねる
「城之内早苗が事故」と伝える新聞記事

うわ、すげー。
見出し2行とも字数が一緒だ。
......ってそんなことじゃなく、記事の内容なんですよ、記事の内容。
何だかこの記事の口調って、どこか歯切れが悪いように感じるのですね。
なんというか、遠回し的に「被害者も悪い......のかも?」みたいに言いたがっているような、そんな印象ですよ。
そう思って記事を見返すと、これ、伝えている事故の内容はすべて城之内早苗からの視点で書かれていますね。

城之内さんは6日午後6時ごろ、港区麻布台2丁目の都道交差点で左折しようとしたところ、左から自転車で走ってきた世田谷区の自称大学教授のアメリカ人女性をはねた。

ね。
事故の状況が完全に城之内早苗の視点のみであって、決して第三者の視点(神の視点)ではないですよね。
とすると、きっと記者としてはこの記事を読む側として、城之内早苗に感情移入してもらいたかったのではないでしょうか。

そして極めつけは、はねた相手が"自称大学教授"であったということ。
大学教授って、いったいどうやったら自称できるのか、ナゾなんです
"自称"ですよ、"自称"
もう、これで完全に被害者の印象がかなり胡散臭いものに変えられてしまいましたよね。

ということで、どうやらこの記事は、事故の状況を"城之内早苗視点"で語り読者を彼女に感情移入させたうえで、被害者を"自称大学教授"などと胡散臭さ全開で、完全に城之内早苗ペースに持っていこうという力が感じられるのです。
(そもそも、こんな小さな記事なんだから職業は伝えず、単に「アメリカ人女性」だけでもよかったのではないかと......)

いや、おそるべし、"自称"という言葉の持つインチキ臭さ、胡散臭さ。
こうして、さりげなく記事内に挟み込むだけで、見事に世論を操縦してしまえるのですね!

ということはですよ。
もともと胡散臭い言葉に、この胡散臭い"自称"という言葉を付け加えてみると、いったいどうなるのでしょうか。
きっと「マイナスとマイナスを掛け合わせてプラス」となるように、「胡散臭さと胡散臭さが掛け合わせて、胡散臭くない」言葉に変わるのではないでしょうか。
ということで、早速試してみました。
たとえば、

詐欺師

知能犯というイメージがあるからか、「クロサギ」のようにスマートな印象を受けちゃったりするのです。
ところが、

自称詐欺師

ああ、もうダメです。
何というか、正直すぎて詐欺師に全然向いていない、とっても"いい人"の姿が浮かぶのですね。
で、親友から「悪いことは言わん、おまえに人は騙せない。むしろ、おまえがカモにされるよ」と説得されている様子が目に浮かぶようです。

渋谷で、殺人鬼が逃走中

恐いですね。
もうオシッコちびってしまいそうなくらいビビって、渋谷行の予定は速攻で全部キャンセルしてしまいそうな勢いです。
ところが、

渋谷で、自称殺人鬼が逃走中

ぶわっはっはっは。
バカです。おバカです。大バカものなんです。
オシッコをちびりそうな勢いでの恐ろしさが急減速、まるで「ぼくは"スーパーハッカー"なんだ。おまえの住所を割り出してやる」並みの強がりの大ボラ吹きになり下がってしまいましたよ。

自称レイプ魔

なんというか、これはもうマヌケというよりも虚しさが来てしまいますね。
きっとコンパで、男子学生たちが酔っぱらって女性遍歴の自慢大会なんかが始まったんだと思うのです。
そんななか、ただ一人の童貞青年が「お、お、お。おれ、おれ、おれ、もう普通のオンナでは満足できなくなってさ、レイプしてんだぜ、レイプ」と必死に汗をかきながら言っている姿が浮かんでくるのです。虚しい......。

自称お金持ち

これはもう、"自称レイプ魔"並みに虚しさが漂う言葉ですよね。
皆の前では「おれってお金持ち。お坊ちゃんだぜ。休日はヨットでセーリングしててさ......」とか威張っておきながら、実は休日に、井の頭公園の白鳥のボートにひとりで乗っているような、そんな人生観が垣間見えるようです。

こうしてみると、やっぱり「自称」という言葉は、数字につける「マイナス」と同じなんですよね!
「-1」にマイナスを付けると(掛けると)「+1」プラスになるのと同様、もともと「マイナスイメージのある言葉」に「自称」を付けると、あーら不思議、プラスの印象に変わってしまうのですよね。
(あ、マイナスではないににしても、虚しさが漂う場合もありましたが)

そんな訳で、明日から、何かネガティブなことがその前に「自称」をつけてプラス要因とし、元気に明るく乗り切っていっちゃいましょう!
ほら、あっという間にハッピーな人生に早変わりしちゃいます。