potalives R. 船橋編vol.4『ミラクル☆パッションズ・ブッ倒れるまで五時間限定灼熱ライブ「地獄温泉」』

船橋で今日1日の限定ポタライブが行われるということで、行ってきました。
......が、謎なんです、ナゾ。すべてが謎に包まれているダークなポタライブ。

まず開演時間が変なんです。
「11時から16時まで」......って、5時間も!?
キツイよなあ、どうしようかなあ、などと思っていたら、案内に「お好きな時間に会場へ直接お越し下さいませ」。
うーん、意味判りません。
小心者でチキンハートでガラスのハートを持つぼく、心配になってしまって、思わずミラクル☆パッションズのワクサカさんに訊いてみました。
すると彼からはひと言、

「あ、好きな時間で大丈夫ですよ。すぐ終わります。」

......余計に判らなくなってしまいました。

そしてさらに驚くべきことはそのお値段。
なんと500円なんですよ。500円。ワンコイン。
千の位が抜けてません?
やっぱり小心者でチキンハートでガラスのハートを持つぼく、心配になってミラクル☆パッションズのワクサカさんに訊いてみました。
するとやっぱり彼からはひと言、

「五百円分はきっちり結果を出す、テーマパークを建設いたします。」

......やっぱり余計に判らなくなってしまいました。

これはもう行くしかありませんよね。行って自分の目で確かめるのです!
という訳でやって来た船橋。
JR船橋駅から歩いてすぐのところにある「本町四丁目公園」ですよ。
近づくとブンガチャカ、ブンガチャカと何やら陽気な演奏が聞こえてくるのです。
なんと生演奏付きですか! いいねえ、格好いいねえ......と思っていたら、あれ?
公園で演奏している楽団は別で、さらに入口がその後方にあるのでした
演奏している楽団の後ろに、さらに別の入口が小さくあるのでした。
看板が間に合わなかったのか、お姉さんが鋭意制作中ですよ!

一歩中にはいると、そこに広がるのはダンテもビックリ、悪夢のような地獄八景が繰り広げられているのですよ。
もうカオスです、カオス。
船橋の街の片隅、公園の片隅では阿鼻叫喚のカオスが渦を巻いていたのでした。

【バー地獄】
まずは案内役の鬼さんにここに連れてこられました。
場末のバーのようですが、お姐さんたちがチヤホヤしてくれてお大尽になれるのです。
しかし突然、お姐さんたちは客に柿ピーを浴びせかけ、"鬼"となるのです。
「こぼした柿ピーを弁償しろ」と言いながら、客から10万円もの料金をぼったくっていくのですよ。
(しかもあらかじめ「10万円」と書かれた札を用意しているあたり、ぼったくりの常習店らしいのです)
確かにこりゃ地獄だわ。ひー。
ぼったくりバーという、いわば

【俺地獄】
中学生男子なら、誰もが抱いている妄想の数々を、すべて白日の下にさらけ出されてもだえ苦しむ"俺"。
この"俺"とは、かつて中学生男子であった誰もを意味する「大文字の"俺"」なのです。
男子は皆、過去の恥ずかしい自分を思い出して赤面しながら悶え苦しむのです。ひー。
俺地獄で過去の恥ずかしい自分に攻め立てられています

【ゾンビまわし】
"大門サングラス"を掛けた赤鬼によるゾンビの家族愛のショウタイム。
父は死んでもなお、息子のことを案じているのに、その息子はというと、父のことなどまったく歯牙にも掛けず(←ゾンビだけに)、母親にだけは反応するという、なんというか、もう涙なしでは観られないショウが繰り広げられているのでした。ひー。
息子に届かない父親の愛の物語
ちなみに赤鬼とゾンビたちは、客がいなくなると脇に退いて、タバコを吸っているのでした。うひゃー。
ゾンビだってくつろぎたいのです

【四次元地獄】
国民的アイドルのネコ型ロボットが登場、てっきり彼が地獄に堕ちてしまったのかと思ったら......いえいえ。四次元ポケットから人間の脚が覗いています。
そう、いつも手間ばかり掛けさせられる彼の親友、居候先の家庭の一人息子が、彼の手によって地獄に突き堕とされてしまったのだそうです。
ネコ型ロボットにも彼なりの苦悩があり、そして親友を地獄に堕としてしまったことでさらに苦悩を背負ってしまったという衝撃の地獄だったのです。ひー。
親友を失い、その身体を永遠に抱えたまま生きながらえるネコ型ロボットの苦悩

【神田家でのお葬式】
これは......なんというか、スゴイですよ。「ミステリ」としてのストーリー展開が繰り広げられていくのです。
まず突然に「意表を突いた内容」が提出され、その内容が葬儀参加者によって次々と覆されていくのですね。
どんでん返しに次ぐどんでん返しの展開に、もう観客はなすすべもなく、ただ事態の推移を見守るしかありません。
これって、そう、まるで「キサラギ」のような展開といえるのですよ。
まさにミステリ。
惜しむらくは、隣で演奏されている楽団の音がうるさすぎて、言葉がうまく聞き取れなかったところでしょうか。
そこに伏線とか張り巡らされていたとしたら......ああ、なんともったいないことをしたのでしょうか。ひー。
この「神田家」のなかでは、壮絶なミステリ的展開のストーリーが待ち受けている

【謎のガウン男】
地獄の温泉があまりに心地よくて「こんな温泉があるなんて、もうここは天国やでぇー」などと、妙な関西弁でくつろいでいる男。
"地獄"という存在のアイデンティティをあまりに無視した発言の数々に、ジワジワと笑えてくるのです。
木村祐一の「写術」の名作ともいえる作品のひとつに、「地獄がまるで天国と思えるほどの苦しみが与えられますように」と、花泥棒を呪う言葉が書かれた張り紙を思い出してしまいました。
まったく反対の使われ方ですが、地獄という存在が"指標"として用いられている点としては同じ作品であるといえるのでしょうね。
謎のガウン男

【カッパ】
地獄になぜカッパなのか判りませんが、格好いいカッパがいたものです。
地獄内の各所を優雅に舞うその姿は、まるで水のなかを泳いでいるかのようにしなやかなんです。
普段は優雅に舞っているカッパ
そしてこのカッパ、そこらに生っている果物をやり、彼と同じ果物をこちらも食べると、心を許して話をしてくれるのだそうです。
案内役の鬼に誘導されてリンゴをカッパにやった女の子、完全にカッパを怖がっています。
直立不動で今にも泣き出しそうになっています。
今晩、変な夢を見なければいいのですが......。ひー。
女の子、完全にカッパに怯えて直立不動状態です

【血の池地獄】
なぜか子供用プールのようなノンキな絵柄が裏に隠されている血の池地獄の前では、カッパとゾンビマンションの貴重なツーショットが撮れましたよ!
これはきっと、様々な意味で小演劇界に衝撃が走るヒトコマとなっているのではないでしょうか。ひー。
小演劇界に衝撃が走ること必至のヒトコマ、撮っちゃいました!

【営業地獄】
いや、これは地獄ではないのです。
しかし出演者にとっては"地獄"なのでしょう、お客さんが途絶えてしまったのですよ。
ここで案内役の鬼さんがチラシを持って外に出て、営業活動に勤しんでいました。
鬼を見ているのに、皆、この笑顔......。
「鬼」が街なかに現われたというのに、みんな笑ってるよ!
もし彼が、筒井康隆の短篇「鬼」に出てくる鬼だったら、きっと一瞬のうちにここは「地獄絵図」になってしまったことでしょう。
あー、そうなんですよ、これはきっと、サラリーマンの飛び込み営業という地獄絵図なんですよ! ひぃぃぃぃー!

◇potalives R.船橋編vol.4 『ミラクル☆パッションズ・ブッ倒れるまで五時間限定灼熱ライブ「地獄温泉」』
[作・演出]ミラクルパッションズ
[出演]伴秀光(ミラクル☆パッションズ)
    畑中実(ミラクル☆パッションズ)
    ワクサカソウヘイ(ミラクル☆パッションズ)
    岩本えり(俳優/乞局)
    笠井里美(役者/ひょっとこ乱舞)
    小沢哲人(演出家/元青年団)
    ハッちゃん(芸人)
    竹内直人(料理人)
    チョウソンハ(役者/ひょっとこ乱舞)
    西尾佳織(役者/乞局)
    墨井鯨子(役者/乞局)
    瀬川たくみ(音楽家)
    森すみれ(劇団鳥公園)
    塚田史子(劇団鳥公園)
    三好早紀(劇団鳥公園)
[上演日時]11月15日(土)11:00~16:00
[上演場所]本町四丁目公園(JR船橋駅南口下車徒歩7分)