猫☆魂「アロマ」(下北沢駅前劇場)

今日は、下北沢駅前劇場に猫☆魂の「アロマ」を観に行く予定なのですが......何でしょう、この不安感は。
人混みはもとより、他人がギッシリと詰まっている電車に乗れるような気分ではなかったので、贅沢してクルマなんて乗ってしまいましたよ。
すみません、このエコが叫ばれる時代に、地球に優しくないことしています。

しかし下北沢って、横浜からクルマで行くにはメチャクチャ近いことが判りました。
電車ルートだと「東急東横線-京王井の頭線」か「JR京浜東北線-JR山手線-京王井の頭線」となるのですが、いずれもわざわざ東京方面に寄り道しなければなりません。
しかしクルマだと、環七から真っ直ぐ上にあがるイメージなので近い近い。
その距離、20キロちょっとですよ。
おおう、これだったら自転車ででも行けそうですよね。
問題は環七での渋滞だったのですが、まったく引っかかることなく予想より早く到着してしまいました。

あと、クルマでのお出かけで気になるのは、駐車場。
あったとしても、都内だったら目玉が飛び出そうな料金になってしまいそうなのですが......さすがはこの不況の時代、土地はいくらでも余っているようです。
コインパーキングがメチャクチャ多いのですよ。なかには1時間600円という強気なお値段の駐車場もありましたが、駅からちょっと離れると1時間400円(土日料金ちょっと高くなっています。平日は1時間300円)というところがゴロゴロ。
なのでクルマを停めるところには、まったく苦労はしませんでした。
......ってクルマを停めてから気付いたのですが、本多劇場の地下に「1時間400円」という駐車場があっるじゃないデスカー!
灯台もと暗し、すっかり忘れていたのですよ。

さて、そんな駅前劇場の猫☆魂。
実は、元・シベリア少女鉄道の秋澤弥里さんが出ているということで観に行ったのですね(きっぱり)。
秋澤さんのことは、シベ少に出演されているのを観て以来の大ファンなんですよ。
しかしそのシベ少にもいつの間にか出演されなくなっていて、「あれえ?」。
それでも他劇団に客演などしていたのですが、3年前からふっつりと見ることがなくなったのですね。
「もう役者は辞めちゃったのかなあ」と思いながらも、6月、「シベリア少女鉄道の再放送」を観に行って、久々に"動く"秋澤さんを観ることができると、ファン心にメラメラと火が付くのでした。「うれしー!」とか言っていたら、あらら。
今回の猫☆魂公演で、3年ぶりに女優復帰と言うじゃないですか。
もう、速攻で劇団に予約させていただきましたよ。
おかげで、ぐふふふ、最前列。うっとり。
お帰りなさい、秋澤弥里さん(← キモイよ、オレ)。

ストーリーは、「ネットカフェ難民のフリーターの男性」「美容師になる夢を諦めたフリーターの女性」「今イチ売れないグラビアアイドル」といった3人の主役を軸に、割とよくわる「今どきの若者たち」を描いていくのですね、前半は。
そう、前半はありがちな展開で、「就職したい」(フリーター男)、「夢を諦めた。結婚したい」(フリーター女)、「夢を諦めず女優になりたい」(グラビアアイドル)として物語は進められていくのです。
かなりありきたりなストーリーなのですが、ここは男優たちが妙なテンションで観客を引っ張るので飽きさせません。
うーん、しかしあまりにハイテンション過ぎて、男優たちが皆、イロモノにしか見えないのがもったいない。
女優陣がしっぽりして、その差が激しいだけに、男優たちの頑張りが時折行き過ぎでは?と心配になってしまうこともあるほどです。
ああ、でも彼の頑張りがないと平凡な前半は寝ちゃうかもしれないよなあ......難しいところです。
しかし前半ではしっかりと後半、ラストシーンに至る伏線が張られてあるので油断は禁物なのですよ。

そして、中盤でいきなり「うわおぅ、そうくるか!」。
いきなりのクライマックス。あれで終わっちゃうのかと思いました。それぐらいにまとまった前半の落とし方なんですよ。
ところが物語は後半へと続くのです。
後半ではかなり物語のエピソードを色々と組み合わせているため、無理矢理に妙なテンションで観客を引っ張る必要もありません。
安心してゆっくり観られます。
そしてラスト、ありがちと言えばありがちだし、ご都合主語と言えばご都合主義だし、リアリティがないと言えばリアリティがないのです。
が、それでも、前半で張ってあった伏線を、このラストの物語のために回収していくところは非常に美しく......泣いちゃったじゃないですか、最前列で。

前半におけるストーリー展開の平凡さに「うわ、ちょっと失敗したかな」と思わせ、しかし男優たちのハイテンションにうまく引っ張っていかれ、後半における数々のエピソードをうまくリンクさせたり組み合わせ、そしてラストの伏線の回収と、非常に丁寧なストーリー仕立てで、これは安心してみていられますね。
今回は、主題曲や挿入曲がナマ歌で行われるという試みもあり、非常に贅沢なんです。
何しろ、BGMでさえナマ歌だったんですよ。
しかも、またこの歌がいいのですね。この歌を聴かされて胸が熱くなってきたところにあのストーリー展開ですから、こりゃ泣かされない訳にはいきません(←言っていることがどこかおかしい)。

そして何と言ってもお目当ての秋澤弥里さん。
役柄でも「芸能界を休業し、そして復活する」ということになっており、まさに今回の彼女に被ってくるのですね。
それだけに、彼女をストーカーのように追っかけるオタクファンの姿に、「うわ、ひょっとしてぼくってあんな感じなの......?」とげんなり。
(いや、ぼくの場合はそんな追っかけまではしていないのですが(← 言い訳くさい)。
しかしそこはそれ、作者もちゃんと判っていらっしゃる。
後半で彼もすっかりいい男に成長しており、さらにはもう、映画のように格好いい男っぷりも見せつけてくれるのです。
「お、お、お、おれもそのうち......」などと根拠のない妙な元気をつけられたのでした。

オタクファンと言えば。
作者はリアリティを追求しようとしてなのか、現実の企業名をバンバンと出しています。
このあたりは全然OKなのですが(よくドラマなんかで、「毎朝新聞」とか言ってるのを聞くと、ゲンナリしちゃう方なので)、ただオタクファンの違法行為を、彼が勤めている某大手カメラ店で行っているというのはちょっとやばいかも......と心配になってしまうのでした。
猫☆魂「アロマ」(下北沢駅前劇場)