奈良の古本屋さんを巡ってきました

この週末、実家のある関西に急遽戻っていたのですが、用事を果たしてしまうと、とたんにやることが何もなくなってしまいました。
うーん、ヒマだ。
そんな訳で、久しぶりに奈良の古本屋を回ってみることにしました。
懐かしいなあ。昔はミステリファンの仲間と徒党を組んで、よく「古本屋ツアー」なんてやっていたものですよ。

1軒目「フジケイ堂尼ヶ辻店」
フジケイ堂 尼ヶ辻店
実はこのお店、以前住んでいたところのすぐ近所にあるんですね。
歩いて数分。
なのでよく、休みの日はお散歩がてら、お店を覗きに行ったものです。
久しぶりに行ってみると、並びにあった麻雀屋さんとラーメン屋さんは潰れてしまっていたのですが、この本屋さんだけは以前のままですよ。
品揃えても以前のまま。
このお店、たまーに「うわおぅ!」と踊り出したくなるような掘り出し物があったりするのです。
掘り出し物といっても、“絶版モノ”というより“品切モノ”といった方がいいのでしょうか。
例えば、皆川博子『トマトゲーム』や、創元推理文庫から復刊される前の笠井潔『バイバイ、エンジェル』『アポカリプス殺人事件』『薔薇の女』など、メチャクチャ貴重だ!とまでいかなくても、なかなか手に入らない本をかなりこのお店で見つけました。
しかも安い。
文庫本だと、ほとんどが100円台(それも前半)の値札が付いているんですね。
もうこのお店の値段感覚に慣れてしまうと、他の店では古本は買えません。
ブックオフの100円均一でも、なぜか「高い」と思ってしまうほどです。

そうそう、「ブックオフ」といえば、かの店と違って、このお店では帯を勝手に捨てることありません。
持ち込まれたそのままの状態で売っているところも好感度高いですよ。
ただ、今日は特にこれといった本はなく、残念でした。
普段読み用の本を2冊ばかり購入したのでした。

2軒目「紀文堂書店」
紀文堂書店
開店が割と新しい部類に入る(といってももう10年以上は経つのですが)奈良駅近くの古本屋さん。
昔よくお邪魔していたときは、文芸書の古い本が充実しており、ミステリはオマケ的だったんですね。
それでも結構古いモノや珍しいモノが置いてあることもあったので、今日も「どれどれ」と何気ない気持ちでお伺いしてみると……うひゃあ!
いつの間にか、ミステリやSF関連の本が充実しているんですよ。
東都ミステリーシリーズや、横溝正史の白背の角川文庫、コバルト文庫や黒背時代の講談社文庫のミステリ傑作選、鮎川哲也のあれこれ、そしてボアロ&ナルスジャック。

店の奥、レジの前で黙って座っているのは、気むずかしそうでコワモテのご主人。
しかし本を買ってお金を払っていると「ミステリがお好きなんですか?」。
なんと、とっても気さくなご主人だったのでした。
なんだ、だったらあんなに緊張して本を見ていることなかったんだー。
(ミステリの珍しい本は、レジの真ん前、ご主人の目と鼻の先にしか置かれていないのです)
そんな訳で、ひとしきりミステリ談義に花を咲かせました。
ご主人曰く、ミステリそのものはさほど詳しくないそうですが、昔のミステリやSFの本は、表紙デザインが好きなので揃えているとのこと。
なかなか楽しく過ごさせていただいた時間でした。

ところでどこかの出版社から出ていた「SFミステリーシリーズ」と名打たれたうちの1冊に、佐野洋の巻が入っていたのにはビックリしました。
佐野洋とSFって……泡坂妻夫とSFぐらいイメージが結びつきません。
いったい何の作品が収められているのか、そもそも「SFミステリーシリーズ」とはいったいどこの出版社から出ていたシリーズなのか、気になりましたが、ビニールで封印されているので確認できませんでした。

3軒目「開放倉庫 山城店」
開放倉庫 山城店
このお店、コンセプトは「ドンキホーテ」だと思うのですね。通路を極限まで狭くして商品を展示してある手法は、まさにドンキ。
取扱商品も、古本だけではなく、ゲーム、DVD、CD、レーザーディスク、楽器、AVやPCのジャンク、古着、釣具……ともう、カオス状態。
店のなかを見てまわっているだけでも楽しいのです。
古本については、開店当初はここでエラリー・クイーン名義のジュブナイル小説がすべて揃った状態で見つかるなど、なかなか侮れないものがあります。
今回も期待しながら来てみたのですが、……うーん。
ライトノベル系が割と充実しており、そこで富士見ミステリー文庫の太田忠司をひと揃い買っていったのでした。
(よくよくこの店ではひと揃いで買っているなあ……)

4軒目「BOOK245」
BOOK245
このお店には本当にかなりのお世話になってきました。
現在、「リアル書庫の部屋」にある本のうちのいったい何割がこのお店で買ったものか。
このお店の売り文句は「在庫10万冊以上」。とにかく奥が見えないほどの広さの店舗に、本がズラリと並べられているんです。
その様子はもう圧巻です。
しかも、丁寧にまわればかなりの掘り出し物(“品切”以上に入手が困難なもの)が見つかるうえ、文庫本であれば1冊50円や80円、なかには「どれでも3冊100円」などと、もうタダ同然の価格付けをしているのですね。
しかも営業時間は24時間。
だから奈良に住んでいたときには、ヒマさえあれば、いつも行っていたお店なのでした。

そんな訳で、今回も楽しみにしながら来てみると……え?
本が全然ないのです。本棚で2~3棚ぐらい。
あとは漫画がほとんど。そしてゲームセンターにビリヤード場と遊び場のスペースがメチャクチャ拡張してるんですよ。

そういえば、2軒目に寄った「紀文堂書店」のコワモテ店主と話しているときに、「BOOK245は、組合を抜けたから最近の状況は判らないなあ」と言っていたのでした。
ああ、そういうことだったのね……。
津原やすみ『海の13』を50円でお買いあげ、スタコラサッサと逃げるように店を出たのでした。