サンプル「家族の肖像」(アトリエヘリコプター)

土曜日。
青年団の木引さんからご案内いただき、サンプル「家族の肖像」を観に五反田はアトリエヘリコプターにゴウ。

しかし、朝からものすごい雨が降っているのですよ。
そんな訳で、電車ではなくクルマで出かけたのですが、これが大正解。
実は五反田と横浜って、国道で一直線に繋がっているのですね。その距離、わずか20キロ。
30分ぐらいで着いてしまいました。
しかもアトリエヘリコプターのある場所は、キャッツシアターのある再開発地区のど真ん中。
隣に巨大なコインパーキングがあり、止めたい放題なんですよ。
しかもこんな都心の一等地にある駐車場が、30分200円という良心的なお値段。
いやあ、とってもいいところですねえ。五反田は。
山本モナと二岡を見ることはできませんでしたが(当たり前です)。

さて、そのサンプル「家族の肖像」ですが、公式サイトの案内によると、

本公演は客席の構造上、開演後の入場が難しくなっています。
スカート・ヒール以外の動き易いお召し物がお勧めです。

と書かれてあります。
いったい何があるのだろう……と、ドキドキしながら会場に入ると「なるほど」。
すごいのですよ、すごい。
客席が、舞台の上方に設置されているのですね。四方から取り囲むように。
そのため、会場に入ったお客さんは、まず舞台に足を踏み入れ、そのまま舞台脇に設置してある小さな階段をあがって、キャットウォークのように設置された座席に座る……という訳です。
たしかにヒールでは、キャットウォークのような座席に座るにも苦労しそうですし、そもそも、スカートだと下からなかが見えちゃいますよね!
実際に座って、舞台を見下ろすと……うーん、何といえばいいのか、この感じ。
「屋根裏から覗いているような」そんな感じなんですね。
“観劇”というよりも、“覗き”をしているような、そんな背徳感をリアルに覚えるのでした。

サンプル「家族の肖像」(アトリエヘリコプター)
ストーリーは、スーパーで働く店長とパート、アルバイトたちといった登場人物を軸とし、その彼らが織りなす様々なシーンが重層的に積み上げられていきます。
どのシーンにも共通するのは、「人間関係の危うさ」。
もともと崩れそうなギリギリのところで均衡を保っている人間関係が、気付かないうちにいつの間にか崩れ、毀れていくのですね。
こうしたテーマは正直、ありきたりと言えばありきたりなのですが、そのなかで「おお、これはすごいや」と思ったのは冒頭のシーン。
登場人物が「ひとりで盛り上がって騒いでいた」話をするのですが、その再現する様子に空恐ろしさを感じさせるのですね。
何というか、「ちょっとズレている」。
ズレているといっても、ナンセンスになるほど大きなものではなく、ほんのちょこっとだけ。
そのあたりが妙にリアリティがあるというのか、何というのか。
そもそも、彼女の語る「ひとりで盛り上がる」シーンを再現するズレ具合が、彼女の「毀れている」様を表わしていると思うのですが、この「わずかにズレている毀れ方」が、その後のすべてのシーン(エピソード)に共通していくのですね。
つまり、冒頭で堂々とこれから語られるストーリーの伏線を張っていたのです。

各シーンが重層的に積み上げられていくため、かなり入り組んでしまっているのですが、人物の性格がかっちりつくられているため、特に混乱することなく観ることができます。
どの人物に感情移入できるか、で観客の性格判断ができそうですね。
いや、「どの人物に感情移入するか」というよりも、どの人物もひとクセもふたクセもあるため「どの人物が気に入らなかったか」で自分の性格が判りそうなのです(つまり、登場人物は同族嫌悪しそうな人物ばかりなんですね)。

終演後、ロビーでアンケートを書いていると、「おっ、こんにちは」。
おお! かねやんさんじゃないですか。お久しぶりです。
ずっと気になっていた「かねやんのマッサージ屋さん」の話を聞かせていただきました。
このマッサージ、9月から毎週水曜日に行われるパフォーマンスなんですが、「1日1人限定」と贅沢なものなんですよね。
既に予定はドンドンと埋まりつつあるのだとか。
それを聞いては黙っていられません。ぼくも、早く予約しますよ!と熱くアピールしておきました。

そんなかねやんさんと話していると「ああ、どうも~」、またしても声掛けられました。
何とさっきまで舞台上にいた出演者の方じゃないですか。いや、もうビックリですよ……というか何か関係者みたいで嬉しいボク。
そんな声を掛けてくださった彼女、うわぉう、中川ともさんじゃないですか!
今回、出演者名が「中川鳶」さんとなっていたので気付きませんでした。
ごめんなさい!
驚きのあまりに頭が真っ白、自分でも何を言っているのか訳が判らなくなってしまいました。
わざわざ声を掛けていただいたのに、勝手に一人でパニくってしまって、さぞかし「不審人物がロビーに紛れ込んでいるぞ!」状態になってしまったのではないでしょうか。
大変失礼しました。

そして、ご案内をいただいた木引さんの次の予定は、青年団の本公演「冒険王」。
どんどんと雲の上の方になっていってしまってますよ……。