エロくてカッコよくてキレイだった高襟「ふぞろいの果実」(Pit北/区域)

以前に「ダンサーの1日貸切」という、一歩間違えれば「人身売買か」「監禁事件か」とも思われかねない“デインジャラスに贅沢なこと”ととして、我が家のマンション屋上で踊ってもらった「るぅ」さんこと青山るり子さん。
その彼女が所属する「高襟(ハイカラ)」の、意外にもこれが初めての単独公演となる「ふぞろいの果実」を観に、王子はPit北/区域に行ってきました。
雨のなか、劇場入口へと客を誘導するチラシと人差し指

会場に着いて、「さてどこに座ろう」……とウロウロしていると、誘導のお姉さんが「こちらが観やすいですよ」。
素直なぼくとしては、その案内された最前列席に座ったのですが……これがまたエライことに。
なんとその席では、ダンサーさんとの距離が0センチになってしまうのですよ。
もう目の前どころか、ぼくのすぐ傍、身体が当たるか当たらないかというキワキワの位置で繰り広げられる激しい踊りの数々。
ヤバイのです、ヤバイ。劇ヤバ。
当たらないようにと気を変に遣って下手によけようとすると、これはかえって危険なのです。
ダンサーさんにしてみれば「この位置に身体があるな」と察知して、ちゃんと当たらないようにコントロールしているので、これはもう動かない方がいいのです。
そんな訳で、まるで銅像のように凝り固まってしまっているぼく。身動きとれません。
その横スレスレの位置で激しくダンスを舞う彼女たちの動きは、心地よい風となって、ぼくの頬を撫でていくのでした。

そんな彼女たちのオープニングは、いきなりトップレスでの登場です。
下も可愛いパンティ1枚に、うひゃー(喜)。
ただし正面向きのときはしっかり手ブラで、どよーん(悲)。
でもその手ブラだって、自分の手以外にも他のダンサーによる手ブラもあるのですよ。うーん、なんとエッチなんだ!(喜)。
さらに後ろ向きになったときには、もうすっかり全開なんですよ、全開。オープン。
あーもう、こんなことならステージの後ろ側に座りたかったぜ(←そんなところに客席はありません)。

そんな具合に、最初はエロいとかエッチとかスケベとか変態とかフェチとか、そんな下世話な気持ちいっぱいで観ていたのです。
ところが、しばらく経つうちに……あれ?
何というか、ダンスそのものは動きが非常に激しいだけに、惜しげもなくさらけ出している背中やお腹、また全身の筋肉が本当に美しく動いている様がよく見えるのですね。
躍動感に溢れているというのか、生きているってスバラシイって思っちゃうというのか。
オリンピックの競技も、超高速カメラによるスローモーションで見るとメチャクチャ美しいですよね。
あの美しさが、もう目の前0センチのところで炸裂しているのですよ。
いやあー、ステキですよ、ステキ。うっとり。ほれぼれ。
カッコイイったらありゃしません。

高襟(ハイカラ)の踊りは、ひと言でいうと「変幻自在」。
彼女たちの動きは常に観客の予測を裏切って「いったい何が飛び出してくるのか判らない」。
それはダンスだけでなく、会場の状況を即興で取り入れたパフォーマンスや、小道具を使って想像力をかき立てられるダンスなどといった形で表わされてきます。

そしてラスト。
全員がステージ上でチラシと同じ衣装に着替え、チラシと同じ格好になってフェードアウトという印象的なものでした。
チラシをずっと見ていたぼくとしては、このチラシと同じのシーンのフェードアウトに「ああ、そこに回収されていくのか」。
何というか、まるでラストでフッと最初に戻り、そしてストーリーはまたそこからループして延々と繰り返される……といった趣向が感じさせられ、感動を覚えたのでした。
高襟第一回単独公演「ふぞろいの果実」

なんというのか、「ああ、“人が動く”って、こんなにもエロカッコキレイなものだったんだな」と実感させられる75分間でした。