シベリア少女鉄道「翼をください」(テレビ放映)

前回、地上波に初登場で、いろんな意味で各地に衝撃を与えた(と思う)シベリア少女鉄道。
そのシベリア少女鉄道が、再び地上波に舞い降りてきましたよ。
番組はまたしてもフジテレビの深夜番組「~ジョーデキ!POP COMPANY~POP屋」です。
そう、ココリコの田中直樹が司会で、様々な若手アーチストたちの作品を紹介しちゃうぜ、って番組ですね。

そんな訳で心して待つこと、深夜12時45分、始まりましたよ......って、あらら?
前回のときは、番組が始まってすぐにシベリア少女鉄道が放映されたのに、今回はなかなか出てきませんよ。
うーん、いったいいつになったら......と、PCの前で正座して待っていると(最近、テレビを観るときも、録画も全部パソコンなんです。台湾からやって来たフリーオちゃん大活躍ですよ)、おお。
トリですよ、トリ。なんと大トリ。もうね、北島サブちゃんかと。
いやあー、それぐらい前回の放映が評判よかったということなんでしょうねえ。
いきなりの大出世じゃないですか、シベ少の地上波。

前回は舞台を思わせる展開だったのですが、今回はドラマなんてやっちゃいました。
シベリア少女鉄道「翼をください」
舞台はどこかの小さな雑誌編集部。
書きたい記事があるのに、頭が固い編集長や同僚に理解されず、それでも「書かせてください」と食い下がる女性編集者。
やがて彼女の頑張りに応援する同僚が現われ......。

と、あらすじだけを書いちゃえば、やっぱり青春ど真ん中ストレートのくっさいくっさい芝居です。
しかしそこはそれ、後半で一気に前半の伏線を回収していく展開が待っています。
今回は「芝居」ではなく「ドラマ」ということで、思いっきり遊んでいますね。
撮った映像を、編集に編集を重ねて、ネタを「これでもか」「これでもか」と見せてきます。

......が、うーーーーーん。
何というのか、いつものような「シベリア少女鉄道のキレ」が感じられないのですよね。
いつも「前半で積み上げてきたストーリーを、後半で一気に瓦解させ、しかもメッチャクチャにこねくり回してカオスをつくり出す」、そのパワーが足りないような気がしてならないのです。
確かに物語を瓦解はさせているのですが、それをこねくり回して、カオスをつくりだしているかというと......うーん。
「ドラマ」を撮らせてもらえたということで、構成やらカメラワークにこだわりすぎてしまって、ストーリーそのものを徹底的に分解するところまではいかなかったのかもしれません。
例えば「オチの伏線」が突然に不自然な描写で登場したり、あるいは物語が瓦解してからの後半の引っ張り方がワンアイデアだけで単調すぎたり。
これまでの傑作をものにしてきたシベリア少女鉄道なら、もっとストーリーに起伏を持たせてパワーでグイグイ引っ張っていくはずなんですよね。
それだけに今回は、「テレビ」という魔の世界に浮気心を出してしまって、芝居という本筋をちょっと疎かにしてしまったような気がして、ちょっと残念に思ったのでした。

しかしシベリア少女鉄道の、あの芝居におけるとてつもないアイデアが、真面目にテレビという世界に殴り込みをかけたら、それはそれで、テレビ史に残る名作が誕生するんじゃないかなと思うのですが......。