『文(かきことば)』第2期6回発表会-さよなら小金井ver.

夏目漱石の「夢十夜」から、出演者が1話をピックアップし、そのテクストを一言一句そのままを劇にするという、何とも刺激的な『文(かきことば)』。
毎月1回、その発表会が行われているのですが、開催場所が小金井にあるスタジオであり、さらには開催日が平日夜のため、いつも「行きたい」「行きたい」と思いながらも、ずっとご無沙汰してしまっている不義理者なのでした。

ところがモロモロの事情により、急遽、この小金井のスタジオが引っ越してしまうことになったのだとか。
そのため、今月の発表会が最後の小金井公演になってしまうのだそうです。
「最後」とか「限定」とか、そういった言葉に弱い現金なヤツ、今月の発表会は万難を排して参加しよう......
フト気が付くと、ぼくはいつの間にか武蔵小金井の駅前にいたのでした
来ちゃいましたよ、武蔵小金井。

いつもは、このままスタジオにお邪魔して「文(かきことば)」の発表会を観るのですが、今回は最終公演のスペシャル版。
夜の小金井の住宅街を、案内人に連れられて皆でブラブラとお散歩します。
案内人に引き連れられて、夜の住宅街をブラブラお散歩
......あれれれれ?
「住宅街」という日常の世界を歩きながら、あれこれ話を聞いているうちに、そこかしこの暗闇からひょっこりと「非日常」の世界が顔を覗かせるではありませんか。
これは、ひょっとして......。
単なる「お散歩」ではなく、所々で見える「非現実」感
ポタライブだぁぁぁ!

そうです、何と今宵の公演はスペシャル版で、「文(かきことば)」だけではなく、ポタライブの前座も実施するという、非常に贅沢な2本立てだったのですね。
いや、またこの夜に行われるポタライブの気持ちいいこと、いいこと。
心配していた雨も降らず、しかも暑くもなく寒くもなく、そしてまだ今の時期だとヤブ蚊に悩まされることもない、といういいことずくめで、本当に恵まれたポタライブだったのでした。
また「小金井」という場所もきっといいんでしょうねえ。
そこかしこに緑がとても多いから、歩いているだけでそこかしこから、とっても濃厚な草木のにおいや虫のジージー鳴く声などがふわふわ漂ってくるので、癒されるのです。
もうずっと鼻を"くんか、くんか"といわせて、歩きながら夜のにおいをかぎっぱなしだったのでした。
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本来のポタライブだったら、ゴールになっていてもおかしくない立派な神社で皆とお参り。

さて、そんな訳であっという間の1時間半近く。
これで終わりじゃありませんって。まだこれからが本番なんですよ。
今回の文(かきことば)会場は、スタジオを離れて近所の公民館を借り切っているそうです。
休憩室である「畳の間」と、集会室である「洋間」の2箇所を使って、雰囲気も内容も大きく異なる2本が上演されました。

「第四夜」青山るりこ
「第四夜」青山るりこ

「第七夜」中村早香 木引優子 澄井葵
「第七夜」中村早香 木引優子 澄井葵

しかもこれだけではないのですよ。
「公民館を借りている時間が来ちゃいました」とのことで皆でゾロゾロ外に出たところで、「せっかくなので、今から別バージョンでお届けします」。
うわおう!

しかし、部屋の「なか」と「外」とでは、全然違って感じられるのですねえ。
おそらく、部屋のなかだと「囲まれていて(守られていて)安心」とか、「外のノイズから閉ざされるので集中できる」とか、思うところは色々あると思うのですね。
しかし一歩外に出てしまうと、そういった"守ってくれるもの"が一切なくなってしまい、非常に危険な状態に陥ってしまう可能性もあるのです。
しかしそこを逆に「開放感」というメリット、それも最大級のメリットを手にすることができるのです。
だからでしょうか、先ほどとは雰囲気がガラリと変わったような気がしたのでした。
何というか、皆さん、動きがダイナミックになって、より迫力が増したような気がしたのです。
もうサブいぼボーボー立ちまくりですよ。

「第四夜(夜の住宅街ver.)」青山るりこ
「第四夜(夜の住宅街ver.)」青山るりこ

「第七夜(夜の神社境内ver.)」木引優子 澄井葵
「第七夜(夜の神社境内ver.)」木引優子 澄井葵

いやあ、今日という日の公演は、もう一粒で何度おいしかったというのでしょうか......。
本当にごちそうさまです。
あ......、「ごちそうさま」と言えば、終了後にそのまま焼き肉屋で懇親モードに突入したのですが、すみません。
やっぱりココでも不義理をしてしまい、ぼくだけ帰っちゃったのでした。

しかし悪いことはできませんね。
東急東横線が車両故障のためダイヤが乱れまくっていて、結局は渋谷で足止めを食らっちゃいました。