駅の真ん中にヒミツの出入口

とある駅で電車を待っていると、目にも鮮やかな黄色の注意書きがドカーンと張り出されていたのでした。

とりあえずこの前には立って欲しくないようなのです
緊急で開けることがあります。
ここに立つのはおやめ下さい。

……ええええっ!?

いや、まあ“緊急で開けること”があるというのは判るんですよ。
この扉のなかにはきっと緊急事態に備えたヒミツのグッズがギッシリと詰まっているんでしょう。

  • 線路に落ちたものを拾うマジックハンドが仕舞われてある
  • 暴漢から身を守る盾と特殊警棒が密かに装備されている
  • 酔っぱらいから身を守るゲロ防止装置が密かに装備されている
  • サンダーバード2号が飛び立つ秘密基地だった
  • ガッチャマンが出動する秘密基地でもあった
  • さらに科学特捜隊の極秘研究施設でもあった

なるほど、そりゃこの扉の前に不用意に立てませんな。
何しろ駅員の緊急事態に邪魔になるばかりか、サンダーバードやゴッドフェニックスが頭上すれすれを飛び立ち、科特隊のアラシ隊員(毒蝮三太夫)の邪魔をしてしまって「おい、そこの汚ねえ顔したジジイ、どけよ」などと毒舌を吐きまくられ……、あー、もうロクなことないのですよ。
まあ毒蝮三太夫に毒舌を吐かれるだけであれば、そこはガマンすれば済むのです。
しかしサンダーバード2号やゴッドフェニックスがこの扉から飛び立っていくとなると、こりゃもう、全身大ヤケドですよ。
デインジャラスなんです、デインジャラス。デインジャーゾーン。
そりゃ駅員さんも、「ここに立つのはおやめ下さい」などと哀願もしたくなるものですよ。
きっと、この扉は魔の亜空間に通じているトワイライトゾーンなのでしょう。
ほら、ロッド・サーリングがすぐそこで微笑んでいるよ……などと妄想ガンガンに膨らみきってしまったところで「あれぇぇぇ?」

あ……ひょっとしてここのことだったの?
何なんですか、このシマシマ模様は。
あ……。
ひょっとして「ここに立つのはおやめ下さい」の“ここ”って、つまりこのシマシマのことだったのでしょうか?
そりゃ確かに緊急事態にこの鉄板のフタの上に立たれていたら、下から上がってきたアラシ隊員が外に出られず、「おい、コラ、ジジイ、どきやがれ」と怒られちゃいますよね。
(あるいは出動するサンダーバード3号に吹き飛ばされちゃう)