気になっていた三谷幸喜のサイン

毎週金曜日の朝日新聞夕刊には、三谷幸喜のエッセイが連載されているんですよね。
上演される彼のお芝居や撮影中の映画の裏話など、三谷幸喜ファンでなくとも演劇ファンや映画ファンなら誰もが楽しめること間違いなしのエッセイです。

そんな彼が先週に書いたのが「生まれて初めてサイン会」。
清水ミチコとの共著が出版されるにあたって、“最初で最後のつもりで”やることになったサイン会についての話なのでした。
しかしそこはサービス精神旺盛な三谷幸喜のこと、ありがちな「サイン会をしました。たくさんの人が来てくれました。どうもありがとうございました」で終わる訳がありません。
「サイン会は苦手でしたことがない」
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「なぜ苦手なのか」
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「それはサインを持っていないからだ」と始まり、
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「崩し字でサインを考えることがそもそも恥ずかしい」
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「そのためサインを考えたことはなかった」となり、「だからこれまでサイン会を開いたことがなかった」のだそうです。
ところがサイン会当日、清水ミチコとともにサインを行って判ったことは「楷書でサインを書くより、崩し字の方が時間が掛からない」。
実際にサインを書く際に「三谷」まで書くのはいいのだけれど、そのあと「幸喜」と書く段になってもどかしくなってくるのだとか。
それでも楷書でひたすらサインを書く三谷幸喜に対し、清水ミチコは余裕綽々でアルファベットがイラスト化されたサインを書いていくのだそうです。
段々と自分の味も素っ気もないサインが恥ずかしく思えてきたものの、「こうなったら意地でも、絶対」サインは考えないとの固い決意表明でエッセイは結ばれていたのでした。

で、メチャクチャ気になっていた訳なんですよ、その三谷幸喜自身が“味も素っ気のない”というサインが。
そして、余裕綽々で書かれたというイラスト化されたアルファベットの清水ミチコのサインが。
でも清水ミチコのサインならともかく、三谷幸喜のサインは“これが最初で最後のつもりで”行ったサイン会と言うからには、もう見る機会はないと思われるのですよね。トホホ。

そんな今日、たまたま本屋さんに立ち寄ったのです。
いやホント、何の気なしに。
そうしたらですよ……あらら!?
平積みの上部はサイン本
なんとまあ、店売り分が平積みされているではありませんか。

やったね!

もうレジに速攻で持っていてお金を支払い、「カバーは……」「結構です、結構ですから早く! ください!」。
何を慌てているのだか。
レジを離れると同時にページをめくるめくる。
もうね、その姿はきっと小説新人賞に応募した作家見習いが、自分の作品が予選審査を通過したかどうかを確認しているのだと思われたに違いありませんよ。
それほどの早業でページをはらりひらりぺらり……。
すると、ありました、ありました。ありましたよ。
三谷幸喜と清水ミチコの共著『いらつく二人』のサイン
三谷幸喜のサインもメチャクチャ味わいがあると思うのですが……。
(でも確かに「幸喜」の文字あたりが乱れているあたり、まどろっこしく感じているような気がします)
それよりも、清水ミチコのサインには「the」なんて付くのですね。初めて知りました。こっちの方が驚き?