シベリア少女鉄道「How are you?」(テレビ放映)

なんと、深夜のテレビ番組でシベリア少女鉄道の新作が放映されるのですよ!
ココリコ・田中直樹が司会で、フジテレビで月曜日の深夜に放映している「~ジョーデキ!POP COMPANY~POP屋」という番組です。
様々な若手アーティストたちを紹介していくというコンセプトだそうですが、そのなかの1枠で、シベリア少女鉄道の新作が「5分という超短篇」で放映されるのだとか!

シベリア少女鉄道の告知では、主宰者いわく「ちょっと初期のシベリアっぽいテイストのアレですが」
アレって何よ、アレッて......などというツッコミはさておき、気になるじゃありませんか。
何しろ「初期のシベリアっぽいテイスト」ですよ、テイスト。
うーぬ、これはもう観ない訳にはいきません。

しかし不安なのは2点。
もともとシベリア少女鉄道の舞台って、オープニングから1時間30分ほど延々と時間を掛けて前振りが続き、そして残り30分が"本番"と言ってもいいスタイルなんですよね、ある意味。
ということは、今回の放映ではわずか5分という「超短篇」で、果たしていつものシベリア少女鉄道らしさが観られるのかどうか、そこが心配なのです。

そしてもう1つの心配は、これがテレビ放映だということ。
シベリア少女鉄道の面白さとは、良くも悪くも、そのトンデモないアイデアが実際に形になって我々の目の前で見せることにあると思うのですね。
しかしテレビなんて「何でもあり」。
そんなテレビを通じて、果たしてシベリア少女鉄道の「世界がどんでん返しで逆転してしまうトンデモさ」が味わえないのではないかと思うのです。

そんな訳でドキドキしながらテレビを観ていたのですが......おおう!
これはスゴイ、めちゃくちゃスゴイのですよ!
シベリア少女鉄道「How are you?」

内容は、父親の葬式に集まった兄3人と腹違いの妹。
どうやら資産家だった父親は、遺産をすべて兄弟とは腹違いの娘に、という遺言を残していたようなのです。
葬式が終わり、父親の遺骨を囲んで気まずい雰囲気の3人が、やがて遺産分けを巡って争っていく......と言うサスペンスもの。
そう、新作もやはりシベ少得意の「サスペンスもの」として幕が開くのです。

しかし、遺骨を囲んで4人がそれぞれの主張をしていくうちに......「ん?」。
観客は徐々にその様子がサスペンスではなく、見慣れた「ある風景」に重なっていく事に気が付く仕掛けになっているのです。
こうなってくると、もうそこはシベリア少女鉄道。
セリフにBGMに、果ては「それも出してくるんかい!」と誰もが突っ込みたくなるような見慣れた小道具まで。
そしてラスト。
それまでそこにあることが不自然だったセットが大写しになり、「なるほど!」。

5分と上演時間が短くても、そこはやはりシベリア少女鉄道。
当初のサスペンス形式から、見事なまでに世界観を逆転させ、脱力系に持っていく力技に、ぼくはもうテレビの前で悶絶してしまっていたのでした。
いやあ、こりゃもう早いところ次の本公演を観たいものですねぇ。