青年団若手自主公演「御前会議」(アトリエ春風舎)

青年団の木引優子さんからご案内をいただきました。
ありがとうございます。
そんなわけで、今日は小竹向原のアトリエ春風舎にレッツゴウ!
青年団の若手自主公演「御前会議」です。

しかし今回の会場であるアトリエ春風舎って、よく聞く名前なのですが、実はこれが行くのが初めてなんですね。
日もとっぷりと暮れて真っ暗な住宅街の道を案内通りに進んでいくと……おおう?
何やら私道みたいなところを通りますよ。大丈夫なのかな……とドッキドキで進んでいると、前方の暗がりに何やら人影が……キャー、怖い、怒られるー!

「いらっしゃいませ、アトリエ春風舎はコチラです」。

なんだ、ご案内の方でしたよ。
無事に到着したようなのでした。
こまばアゴラ劇場のような会場を想像していたのですが、マンション地下1階にあるスペースだったのでした。
これは危なく見落としてしまうところでしたよ。
アングラな感じでひっそり構えているアトリエ春風舎の入口

「混雑が予想されますのでお早めにお越しください」とのことで、早めに家を出て開場時間にはメチャクチャ余裕で付いたのに……うへえ。
もう地下のロビースペースには開場待ちの人たちがウジャウジャといるのですよ。
整理番号順の入場のため、ぼくはその人たちからかなり遅れて入場したと思ったのですが……いえいえ。
そのあとから、あとから、あとから、あとから……まだまだ「これでもかっ!」というほどヒトが詰め込まれてきます。
大袈裟でも何でもなく、ホントにギュウギュウ詰めの超満員状態なんですよ。
軽く朝の通勤ラッシュ状態でクラクラ。
しかもエアコンも止められて軽く酸欠状態。
これで汚物とかまき散らされたら、ゴキブリコンビナートを観に来たような感じ……などと罰当たりなことを考えてしまいました。
すんません。

ステージ上のセットはいたってシンプルで、丸く組まれた会議用テーブルのみ。
そのステージには、開演前から役者が徐々に現れてきます。会議室に三々五々、出席者が集まってくるという趣向のようです。
やがて開演時間を大幅に押して、そろりそろりと始まりました。
サブタイトルに「現代口語ミュージカル」とあるので、正直、ミュージカルって苦手なんだよなあ……とドキドキ。
いきなり歌って踊って回り出したらドウしましょうとビクついていると、あらまあ!
こんなミュージカルってありなんですか?
ミュージカルを名乗っていながらも、実はメチャクチャ反体勢派なアンチ・ミュージカル。
浅利慶太に真っ向から挑戦していますよ、これは。

そもそもミュージカルって、セリフを“歌って踊って回りながら話す”ところに不自然さを感じるのですね。
日常で「そんなヤツおらんやろ」とツッコミどころ満載の不自然さ。
人がマジメに話しているのに、歌って踊って回りながら返事されたら、ぶっ飛ばされてますって。
なのに、それがいかにも自然体であるかのように振る舞う不自然さがキショク悪くてイヤン、となってしまうのです。

しかし今日のミュージカルなんて、ドウでしょう。
ミュージカルですよ、ミュージカル。確かにミュージカルなんですよ。
なのに一切不自然さを感じさせない「口語ミュージカル」。不自然どころか、普段でも十分にありえる会話体のミュージカルなんですよね。
その取り組み姿勢はかなり実験的でありながら、難しいことは何一つ考えなくてもよい“直感的に、見たまんまで楽しめる”面白さがストレートに伝わる作品に仕上がっていたのでした。

ところで、この物語の主役である例のサトウさん。
きっとそのまま観ていたら彼のナゾに「???」となっていたところだと思うのです。
しかし事前に「日本では天皇の役を演じてはいけないという不文律がある」とたまたま聞き、しかも実際の御前会議の様子を聞いていたがために「ああ、なるほど!」。
そのタブーを真っ向から扱ったがためにこんなにシュールな作品になってしまったという、これは平田オリザの 力業なのでしょうか。
青年団若手自主公演「御前会議」(アトリエ春風舎)