書店の販促POPって店員の作品ですね

いつも行く本屋さんなので、前からあったら気が付くはずです。
しかし全然覚えがないのです。
だからきっと、最近つくったばかりなのでしょう、ものすごくインパクトのあるPOPが飾られてあるのを見つけました。
直木賞を受賞した、桜庭一樹『私の男』の販促POPです。
すごいPOP

うーん、スゴイのです、スゴイ。
これはスゴイじゃないですか、ムダにスゴイのです(← もちろん褒め言葉ですよ!)。
どうですか、このチカラの入れよう。
アップにして見比べてみましょう。
アップにして見比べてみました
この絵に込められた思いに、我々客は、ただ、ただ、圧倒されるしかありません。

そもそも販促POPは、文字通り「販売促進」のためにあるものですよね。
だから通常、本屋さんでよく見かける販促POPは、「この本はこんなに面白いよ!」「直木賞受賞作だよ!」「イチオシで売れているよ!」「買わなくちゃ遅れちゃうよ!」とあの手この手の売り言葉で、何とか客に本を売ろうとアピールしてきます。

しかしこの販促POPはどうですか!
いつもの販促POPにありがちなあの手この手の押しつけがましい売り言葉がまったくありません。
一番下に小さく押さえ込まれるように一文だけが添えられているだけです。
なのに、この存在感。
なのに、この圧倒感。
何なんですか、この気迫は。
目に付いたときから気になって仕方ありません。

販促POPって、いわば店員さんの「作品」だと思うのですね。
どうでもいい本や売らざるを得ない本のPOPを描いた場合、どうしてもそうした「どうでもいいや」といった思いがにじみ出てきていると思うのですね。
しかしこのPOPの場合は違います。
きっと店員さんはまず、『私の男』を読んで感じた熱い思いを、どうすれば伝えられるか、考え抜いたことでしょう。
そして、それがもっとも形にできると思ったのが表紙だったのかもしれません。
ただ、そのまま表紙をコピーして貼り付けても思いは伝わらないと考えたのでしょう。
自分自身の手によって、POPに絵を、自分自身の解釈で描いていったのでしょう。

観察→選択→構成。
おお、ポタライブですよ。
そうか、だからきっとこのPOPは作品として店員さんの熱い思いが伝わってきているのですね!
なるほど。

やっぱりPOPって、そのお店の顔じゃないかと思うのですね。
出版社から送られてきたものをそのまま使っていると、どうしてもあざとさが目に付いてしまうのです。
特に、最近流行りの手書き風に印刷したPOPなんて、"客をダマシに掛かってるな"なんて思えてなりません。
しかし、こうした店員さん個人の熱い思いが伝わる販促POPがあると、「今度はどんなPOPがあるのかな」と、お店に通う楽しみが増えるのですね。
今後もこのPOPを描いた店員さんのPOP作品を楽しみにしましょう。