目黒雅叙園ひみつの部屋と階段(千と千尋の神隠し)

世間のミステリファンは、きっと今日という日は、講談社で行われている綾辻行人と辻村深月のトークイベントにお出かけしていることでしょう。
そんな世間の流れに反して、ぼくは目黒の雅叙園に行ってきたのでした!
雅叙園ですよ、雅叙園。
焼き肉屋さんではありませんよ(← それは“叙々苑”)。

昭和6年に、8000坪というとてつもない敷地にオープンした雅叙園の、当時の部屋や階段は現在、登録有形文化財に指定され、ひっそりと保存されているそうなのです。
通常、この部屋や階段は一般公開されていないそうなのですが、この秋、期間限定で見学できるということで、予約をとってやって来たのでした。

しかし雅叙園って、よく目にしていたのですが、入るのは初めてです。
ドアマンやベルボーイがキビキビと動く玄関を、恐る恐る入ったのでした。
建物のなかは外から見た目同様、とっても美しいのですよ。
玄関から入ってフロントにいたるまでは、延々と廊下が続いており、その壁面には彫り物が、天井には日本画がズラリと続いているのです。
壁の彫り物と天井の日本画を眺めながら奥へと進める廊下が続くのです
この彫り物や日本画は、すべて、以前あった建物を解体したときに移設したのだそうです。
かなり有名な作家の作品が、目の前にゴロゴロと飾られているのは、ある意味、もう最高の贅沢ですよね。

この延々と続く豪華な廊下がいったん途切れても、すぐにフロントにはたどり着けません。
ここにも、以前にあった建物からまるまる持ってきた門が構えているのですね。
この門をくぐると、フロントへと至ります
何なんですか、この巨大さは。この豪華さは。
雅叙園の屋内に、この巨大な門が設置されているのですから、そもそもこの建物もかなり贅沢な造りになっていると言えるのですね。
もうこれを見ただけでで「お腹イッパイ」という気持ちにさせられてしまいます。

1階ロビーのゴージャスさは、これだけではありません。
このきらびやかなのは入口なんすが、さて何の入口なんでしょうか。
当時を再現されたトイレの入口
それがですね、トイレなんですよ、トイレ。便所。ご不浄。御手洗。石岡和巳……て、石岡さんは関係ありません。
こんな入口、トイレって判りませんよ。
ちょっとオシッコがチビってしまうほど迷ってしまいました。
しかし、このトイレ、見つかったからと言って安心はできません。
なかに一歩入ると、また別の意味でオシッコをチビってしまいそうになるのです。
これ、トイレのなかですよ。
落ち着かなくて出るものも出なくなってしまう豪華なトイレのなか
どうですか、橋なんて掛かっています。
あまりの広さに落ち着かなく、かえって出るものがしかる場所ででないのでした。

そして集合時間となり、ロビーに、今日の参加者が三々五々集合します。
受付を済ませ、「では、こちらにどうぞ」。
ロビーの片隅には、普段使われていない漆塗りのエレベーターがあり、これで会場に向かいます。
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保存されている建築物は、百段階段に特別室6部屋。
どの部屋もハイカラな昭和初期の香りに満ち溢れ、日本人としてのソウルをかき立てられる素敵なものばかりなのでした。
ただし「写真撮影は禁止」とのことで、残念ながら目に焼き付けて帰るしかありません。
あ、でも。
宮崎駿が、これら保存された建築物や、また雅叙園を建てた人物の生い立ちをもとにして、「千と千尋の神隠し」をつくったそうです。
あの中で出てくるシーンのいくつかは、この百段階段や特別室をもとにしているので、ぜひとも「千と千尋の神隠し」を観た際には、「ああ、雅叙園の保存建築物はこんなのか」と思ってください。
(何という情緒のない映画の見方なんだ)

写真撮影はできなかった保存建築物ですが、これら保存建築物と同じ年代、同じ豪華絢爛をほこるスタイルの部屋を“再現した宴会場”が別にあり、こちらは見学が自由に行え、しかも写真撮影はOKとのことです。
いいことを聞きました。

それはぜひとも行かねばなりません。

ただしこちらは普通に使われている宴会場ですから、もし使用されている場合は、「申し訳ございませんが、見学はご遠慮ください」。
……って、それはきっと普段の行い次第ということになるのでしょうね。

4階の宴会場フロアまでエスカレーターで勝手にノコノコと上がってくると……おお! こいつはスゴいぜ!
宴会場フロアの廊下にも、天井にズラリと美人画が飾られているのです。
さりげなく天井には美人画が飾られている宴会場フロア

宴会場フロアの意外な飾り付けが気に入ってしまい、思わずあっちをウロウロ、こっちをウロウロ。
幸いにして今日は大安吉日なのか、どの宴会場も結婚披露宴で目一杯使われており、うろついていても怪しまれません。
……って、考えてみたらジーパン・スニーカー姿なのでした。
これ、どう見ても「おまえ、結婚式の客じゃないだろ」とツッコミどころ満載ですね。
下手すると、「おまえ、御祝儀泥棒だなっ!」と濡れ衣を着せられる危険性とも隣り合わせだったんですね。
しかしクロークのお姉さんも、すれ違うボーイのお兄さんも、「いらっしゃいませ」と深々と頭を下げて、華麗にスルーをしてくれたのでした。
(ウラでこっそり目を付けられていたかもしれませんが)

そして! いよいよ、“再現宴会場”に向かったのですが……あうう。
ここもやはり大安吉日の影響なのか、入口には「本日宴会使用につき、見学はご遠慮ください」との看板が設置されていたのでした。
しかし、どうも中は人の気配がありません。
「ホントに宴会なんてやっているのかなあ?」と諦め悪く、入口のガラス窓から、覗きこんでいたのでした。
きっとその姿、オモチャ屋さんのショーウィンドウを覗き込むガキんちょのような不気味さが漂っていたのでしょうかねえ。
中から突然にマネージャーのような方が出て来られたのです。
あ、やばい、怒られちゃう……と首をすくめていると、「宴会は終わって従業員が後片付け中ですが、それでよろしければどうぞご見学ください」
マジっすか、マジっすか、マジっすか。
いやあ、いいところですね、雅叙園。ステキすぎます、雅叙園。
そんな訳で、貸し切り状態のまま、思う存分に“再現宴会場”の豪華絢爛な畳の上で座り込んだり、伸び上がったり、寝ころんだり……と好きな姿勢で写真をパシャパシャ撮らせていただいたのでした。

こちらが“再現宴会場”を入口から覗いたところです。
“再現宴会場”の入口から奥を見る
“再現宴会場”には、ここで靴を脱いであがります。
この奥の畳敷きは、まだ宴会場ではありません。
さらに宴会場が3部屋ほどあり、この畳敷きはそれら各宴会場を繋ぐロビーとなっています。

こちらがその畳敷きのロビーです。
もう、どれだけ豪華やねん……とため息をつきながら、思わず寝転がって天井の美人画を眺めていたのでした。
宴会場の広い部屋もステキなんですが、ぼくとしてはこのロビースペースのこの広さでも十分なんですよねえ。
これだけでも十分に宴会ができる“再現宴会場”のロビースペース

いやあ、もうホント、ありがとうございました。
保存建築物や、現在使用中のロビーや“再現宴会場”の豪華絢爛さはもちろんですが、スタッフの方のサービス精神には参りました。
あれぞ、“客商売”なんですねえ。
よし、もう決めました!

次、結婚式をするときは雅叙園にします!

いや、そんな予定はまったくないのですが……。

コメント

こんばんは。
雅叙園の写真はいろいろ見ていますが
エントランスとかも凄いんですね…

ところで天野月子さんの「蝶」のジャケットについては触れてないのですね。。。
つっこちゃんファンの知り合いカップルの方がこちらで結婚式を挙げていましたよ。
行った事が無いので一度は踏み入れたい場所です。

雅叙園は、ホント、目の毒なほどにあっちもこっちもすべてが豪華絢爛で、もう眩暈を起こしそうなほどでした。

天野月子のジャケット写真、シングル盤の「蝶」もそうですが、アルバムの「天龍」で使われているのも全部、雅叙園で特別保存されている部屋なんですよね。
(あの格子とか)
来年2月まで公開されているようなので、ぜひとも行かれてみてください!
一目で、「あ、この部屋が「蝶」のジャケット写真の部屋だな」とか、「ここで撮ったのが「天龍」で使われたんだな」とピピンと来るほど、すべての部屋がそれぞれに特徴的で美しいですよ。