篠田節子サイン会(オリオン書房ノルテ店)

講談社ノベルスで出るのは、『贋作師』以来16年ぶり2作目なのだそうですよ、篠田節子の新作『転生』。
今日はその発売記念のサイン会があるということで、立川のオリオン書房に来ています。
篠田節子サイン会(立川・オリオン書房ノルテ店)

立川! 川崎から出ている南武線の終着駅と言うことで、行き先案内ではいつもその名前だけは見るのですが、行くのはこれが初めてですよ。 なんだか、初めての場所に行くのは遠足の気分を思い出しますね。 ドキドキ、ワクワクしながら見慣れない電車に乗ってレッツ、ゴウ! 1時間ほど電車に揺られ、着いた立川の駅は......ヒト、多っ! 20071028-002.jpg
この2階コンコースに渦巻く人並みのど真ん中に足を踏み入れてしまったら、自分の立ち位置すら判らなくなってしまって、危うく自分を見失ってしまうところでした。
いったい何なんですか、この人の多さと、流れの激しさは。

人の頭しか見えない立川駅のコンコースを大急ぎで抜けました。
すると......おおう。
ここでも人の姿がみっしりと鈴なりになっています。
皆、屋外テレビで「菊花賞」の中継を見ているようです。
現代世界での"街頭テレビ"といったところでしょうかねえ。
現代の街頭テレビで競馬を見ている人たち

「菊花賞」に夢中の人々の横を、そのまま真っ直ぐ、モノレールの駅に沿って歩いていくと......ありました、ありました。オリオン書房の看板が。
今日のサイン会場は、この本屋さんです。
正確には、店のなかにつくられた「ラウンジスペース」だそうです。
オリオン書房ノルテ店のラウンジスペースが、今日のサイン会会場
印象としては、こぢんまりとしていて落ち着けるカフェです。 ジュンク堂池袋本店にあるカフェと同じような雰囲気ですね。 普段は喫茶ルームなので、コーヒーでも頂きたいところですが、これからサイン会が始まるというそんなときにコーヒーなど用意はされていないでしょう。ガマンです。

しかし、さすがはカフェだけあってイスが用意されています。
サイン会が始まるまで、そこに腰を掛けて待つようです。
イスはおよそ50脚ほど用意されているのですが......ありゃりゃ。
もう開始時間なのに、まだ30人ほどしか待っている人がいません。
しかも、この待っている人々の年齢層はかなり高めなんです。
普段はサイン会に行くと、いつも「ぼくが最年長なんじゃないかしら」と漠然とした不安感を抱いてしまうのです。
ところがどうしたことでしょう、今日はぼくが逆に最年少なのかもしれません。
(いや、確かにぼくより若そうなおニイさんやおネエさんもいたのですが、やっぱりぼくも彼ら共々最年少グループに入っていても、全然おかしくない......ハズです)

16時過ぎ、拍手に迎えられて登場した篠田節子は素敵な満面の笑みを浮かべ、とても素敵な方です。
スラッと背が高いながらも、どこか華奢な感じさえ覚えさせられるその線の細さは、とても数々の大作を産み出してきた篠田節子と同一人物とは思えないほどです。
やがてサイン会は静かに始まりました。

始まって早々、ここでいきなりちょっとしたトラブル発生。
最初の方に並んでいたオジサマ、サインに対する愛が感じられませんでしたねぇ。
大体、こういったオジサマ方はサイン会のとき、前に並んでいることが多いんですよね。
なので、いっそのこと「今回は、最前列から10番以内の方は残念ながらサインいたしません」とか言ってやりたい。
で、大騒ぎになるのを眺めているぼくがいるのです。
......って、なんだ。いちばんイヤな野郎はぼくじゃないですか。
わはははは。

しかし、今回はそうしたマナー以前の"オジサマ"は別として、基本的にファンサービスは満点のサイン会なのでした。
ヘルプとして、サインを書く篠田節子の隣で落款を押す(おそらく)担当者の方も、しきりと「写真は全然大丈夫ですよ。せっかくですから、お越しになった記念にどうですか」
まるで文字だけで読むと、海外の観光地に出没するボッタクリ写真屋みたいですね。
もちろん、そんなことありません。

またサインを書いてもらっている間に、気まずい沈黙が流れると、またこの担当の方が「せっかくご一緒になったんですから、どんどん話し掛けてくださいね。何か質問や感想があればこの機会にどうぞ!」
コミュニケーションをめちゃくちゃ勧めてきます。

ということで、ぼくの番になったとき、お言葉に甘えました。
まずは写真を撮らせていただきました。
サインを書いているところを撮らせていただきます

続いて写真を撮っていただきました。
一緒に写真をお願いします

どうもありがとうございました。
篠田節子『転生』のサイン本

ところで。
前の方がサインをいただいているときに、ぼくはその真後ろに並びながらポーッと見るともなしに書かれているサインを見ていたのです。
すると、為書きに書かれたお名前は「唐木厚様」。

えっ、この方があの唐木さん?

名前はよくよくお見受けするのですが、お顔までは知りませんでしたよ。
なるほど、この方があの講談社の唐木さんでしたか!、と心のなかで納得です。
順番が回ってくるまでの間、ずっと小さなノートに何やら熱心にメモを書いていたので、何を書いていたのか気になってきました。
また、トラブル発生のときは離れたところにいた2人組がこちらにやってきて隣の男性とコソコソ話だすのですよ。
それでてっきり、「この人もトラブルオヤジの仲間なのか!」と疑ってしまったのですが......すみません、情報収集をされていたのですね!

なるほど、唐木さんかぁと思いながら、後ろから改めてサインを覗き込んでみると、「あれ?」
どうも篠田節子が書く名前が、「篠田節子」ではないのです。
ハッキリとは見えなかったのですが、「セレモンティーヌ節子」だか、「クレモンティーヌ節子」だか、とにかくそんなカタカナの名字が書かれてあったのでした。
いったいあれは何だったんだろう......。
講談社の仲間内にだけ判る暗号のようなものかもしれません。
(と言うか、それしか考えられないし)

しかし、こうして考えてみると、サイン会の行列って、後ろから丸見えなんですね。
そう、為書きを本名で書いてもらっていたら、それこそ個人情報が筒抜けなんですよ。
こんな身近なところに、個人情報流出の危険が隠れているのでした。

サイン会ひとつでそんなリスクを抱えてしまうのであれば、いっそのこと、為書きは本名ではなくハンドルネームで書いてもらえばいいのかもしれません。
が、もし自虐的に恥ずかしいハンドルネームを付けていたりしたら、それこそ漏れ出たときに恥ずかしいことになってしまいます。
いや、個人情報として流出しなくても、後ろに並んでいるヒトに確実に聞こえてしまうのですね。
それは恥ずかしいかも......。
いやあ、サイン会の運営ってかくも難しいものだったのですね。

ところで本屋さんでは、為書き用に名前を記述した整理券はどうしているのでしょうか。
ちゃんとシュレッダー処理(あるいは溶解処理)してくれていたらいいんですが......。
(急に心配しだしているヤツ)