最後のレッスン(石岡くんはNOVAで英会話を習っていた)

「NOVA、会社更生手続開始!」とか「NOVA、経営破綻!」とか、「NOVA、無期限休校!」とか、そんなニュースをずっと見ていると、突然に思い出しましたよ。

石岡和己って、確かNOVAで英会話を習っていたんじゃなかったっけ。

本棚をゴソゴソし、あったあったと島田荘司『最後のディナー』を取り出したのでした。
パラリ、パラリとページをめくって読み直してみると、ああ、やっぱりそうでした、そうでした。
大学生になって横浜に引っ越してきた犬吠里美に、“ここ、一番安いんです。一回のレッスン料が千二百円から二千円以内”と言うことで、“関内駅の裏手に隣接したビルの五階にあるNOVA”へ無料体験レッスンを受けに行き、もっとも基礎のレベルのクラスに振り分けられて落ち込んでしまい、挙げ句に里美から気を遣われて“今後(電話で行うレッスンの)予約、私が全部やりますね、先生のぶんも”なんて言われてしまっていましたよ。

この石岡くん、無料体験レッスンのときは、まったく英会話ができなくて“涙が瞼にあふれてきて、前が何も見えなくなった。唇が震え、思考が完全に停止”しているのですね。
すると今回の騒動では、“経営破綻”のニュースを見て慌てて関内の教室に駆け付けるも、シャッターが降りていて中に入ることができず、「払い込みした受講料はどうなってしまうのだろう……」と再び“涙が瞼にあふれてきて、前が何も見えなくなった。唇が震え、思考が完全に停止”した状態になっているのかもしれません。

あ、でもこの話って、里美が大学生になった年の話で平成8年のことなんですね。
もう10年以上前のことだから、さすがに石岡くんといえども、もうNOVAは卒業している……のかな。
どうなんでしょうか。