会社からの帰り道、東京駅でのこと。
京浜東北線の横浜方面行きホームで電車を待っていたのです。
隣のホームでは、山手線がちょうど品川方面に向かって出発したばかりでした。
そのとき、非常ベルのような音が鳴り響いたのですよ。
思わず発車ベルかと思ってしまうようなけたたましいベル音ですよ。
「何事?」とキョロキョロ見回していると、おお!
隣のホームを発車したばかりの山手線が、ホーム中ほどでいきなり急停車したのです。

すわ、またベビーカーの巻き込み事故が発生したのか、何事か......とホーム上に人がワラワラと寄ってきます。
そんなホーム上にも人生模様が垣間見えます。
心配そうに見守っているのは、どちらかというと中高年の人たちに多いようです。

一方、若い人たちは急停車した電車にあまり注意を払わず、ケイタイに夢中になっているようなのです。

いや、電話機に夢中なのは若い人たちだけではありません。
急停止した山手線の車内では、車掌さんも電話に夢中なのでした。

(コラッ!)
しかし、発車したばかりだというのに、ホーム中ほどで電車が急停車するのは何か非常事態が発生したに違いありません。
一体何が起こったというのでしょうか。
固唾を呑んで見守っていると......あれあれ?
まるで何事もなかったかのように、スルスルと電車は発車していってしまったのでした。
一体、何があったというのでしょう。
きっと車内では、閉じこめられていた乗客に向けて車内アナウンスをしていたと思うのですが、それはホームにいたぼくたちも同じです。
せめて構内放送で何があったのかを話して欲しかったのです。
それとも、ぼくは何か夢でも見ていたのでしょうか。

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