触らせてくれる黒ネコでした

近所のスーパーでは、たまに自動ドアの入口前で店番をしているノラの黒ネコがいるのです。
しかしコイツがまた、なかなか触らせてくれない。
店番なんだったら、もうちょっとは愛想よくしてよ……と近づいても、その気配を察して「ニャー」。
そう言いながらノッソリと逃げていくのです。
その様子が、いかにも「めんどくさいなあ、ほっといてくれよ」という態度なんですね。
んもう。

そして、今日もいました。黒ネコの店番です。
今日もスーパーの入口で店番中の黒ネコ

どうせいつものように「ニャー(いやーん)」と言いながら逃げると思うのですが、そこはそれ、一応はご挨拶しておくことにします。
そっと近づいていくと、「何だよ」。
睨まれてしまいました。

「ご挨拶に寄らせていただきました」
「いらんよ」
「そう言わずに……」
「フン」
「そうそう、こちら、お土産にございます」

苦し紛れに、手に持っていた紙袋で気を引いてみました。
逃げられないように必死です。
すると……おお?!
逃げていきませんよ。
逃げられないように、紙袋で気を引いてみました

これはひょっとして、ひょっとするかもしれません。
指先を伸ばして、「失礼します」。
ゴロゴロゴロゴロ……。
睨まれながらもノド元をゴロゴロしてやりました
「ッチ、しょうがないなあ、触らせてやるか」

メチャクチャ睨まれてしまいましたが、触らせてもらえればもうこちらのモノです。
ゴールドフィンガーのテクニックを駆使して、ツボを刺激しまくってやりましたとも。
フハハハハ。どうです、この気持ちよさそうな顔。
あんなに睨んでいたくせに、ぼくのゴールドフィンガーテクに「ああ、うう、き、気持ちいい!」

ぼくの気が済むまでずっと触らせてくれていたコヤツ、紙袋という「土産物のフェイク」に気をとられて触らせてくれていた訳ではなさそうです。
どうも単に今日の店番がいつもの逃げるヤツではなく、睨みながらも触らせてくれる別のヤツだったようなのでした。
見た目ではまったく区別がつきません。