実はこれ、牧野修なんですが......

ある本屋さんでのこと。
理論社ミステリーYA!から出た田中芳樹の新刊『月蝕島の魔物』が平台に積み上げられていました。
("理論社ミステリーYA!"という叢書名を見ると、いつも関西弁で"ミステリーやっ!"と叫んでいる気がします)
この平台には、あわせて著者直筆POPも飾られてあります。
力いれていますよねえ。
田中芳樹の新刊『月蝕島の魔物』と、著者(?)直筆POP
さすがは田中芳樹の直筆POP、なかなか味わいがあるのです......って、あれえっ?!
これって本当に田中芳樹の直筆でしょうか?
んーと、んーと、んーと......違いますよね、何かが。

そんな訳で、ブログでの過去の履歴を探ってみました。
(とは言っても、たいそうなことは何もせず、ただ検索しただけなんですが)
すると......、あった、あった、ありました。
田中芳樹と言えば、別の本屋さんで色紙が"台車上で放置プレイ"されていた、あの記事ですよね!
台車上で放置プレイ中の田中芳樹サイン色紙
この色紙のサイン、どうですか!

明らかに違います。全然別物です。

つまりこの直筆POPは、田中芳樹の手によるものではないのですよ。
そう言えば、田中芳樹と言えば、彼の書く文字は、まるで活字のように几帳面なはずなのです。
しかも、田中芳樹の書く小説が"純愛とホラーの青春物語"って......ちょっとイメージが違います。

するとこの直筆POPは何なのでしょう......。
きっとヒントは、この象形文字のようなものにあるに違いないのです。
これは誰のサインなのか!
これは、明らかにサインです。
この"サイン"とは、署名の"サイン"にして、さらには「キミたちにぼくの正体が判るかな」という挑戦状の"サイン"でもあるのです!
これはぜひとも解かねばなりません。

そんな訳で、家に帰ってからサイン本棚をゴソゴソしていると......あった、あった、ありました。
牧野修『王の眠る丘』のサイン本
やっぱりこれ、牧野修のサインだったんですね。
ほら、こうするとバッチリ。
M.Osamuという文字が隠されていたのでした
象形文字ではなく、"M.Osamu"という文字が隠されていたのでした。
と言うことは......

この著者直筆POP、置き場所が間違えられていますよ。

どうしてこんなことが起こってしまったのでしょうか。
調べてみました。
理論社ミステリーYA!では、7月の新刊として田中芳樹『月蝕島の魔物』と同時に、牧野修『水銀奇譚』も発売されているのですね。
ということは、このお店では7月の新刊として田中芳樹『月蝕島の魔物』と牧野修『水銀奇譚』を入荷したとき、理論社から"販促グッズ"として牧野修の著者直筆POPも送られてきたのでしょう。
ところが、どうした手違いか、こちらの本屋さんではこのPOPの署名が誰だか判らなくなってしまったのです。
困った店員さん、「理論社から送られてきたから......」と新刊の山を眺め、そして目に入ったのが、平台に積み上げられてあった田中芳樹の本。
そう言えば、"純愛とホラーの青春物語"と言うキャッチコピーも、『月蝕島の魔物』と言うタイトルにピッタリです!
そしてこの名前のような象形文字も、冒険モノの小説としての雰囲気を醸し出すのにピッタリの暗号だったのです!
......かくして、牧野修の直筆POPは、田中芳樹の新刊を彩ることになってしまったのでした。

何となくそんな妄想をしてみただけなんです。