駒場でポタライブワークショップ中級「7.本番(2回目)」

先週の日曜日に引き続き、これまで6回行ってきた「週刊ポタライブ」ワークショップの最終回「本番(その2)」です。
今回も先週に引き続き、やはりお客さんを“こっそり”とお呼びして、街の片隅でひっそりと開催されるポタライブの「発表会」になったのでした。
駒場の街の片隅でコッソリ開催されたポタライブ「発表会」
そんな訳で、今回発表された作品4本をハイライトでご紹介します。

1.『みち』
駒場の街に現れた“ガム取り作業をするオッサン”
【作・案内】木引優子
【出演】井上こころ、中橋一弥
真夏の暑い駒場の街を歩きながら、案内人が語る祖母の話。
彼女の話を聞いているうちに、いつしか自分の歩いている道が此岸と彼岸の区別がつかなく、曖昧なものになってくるのです。
そしてラスト、目の前に現れた枝分かれした道にふと迷いが生じます。
しかし人はそれでもどちらかの道を選択し、歩み続けなければなりません。
登場人物たちは、それぞれの道を見つけて、それぞれ歩き出していくのです。

2.『三人姉妹』
「三人姉妹」を踊っている前で、幸せについて演説する
【原作】アントン・チェーホフ
【演出・振付・出演】垣内友香里
【出演】井上こころ、岸井大輔
ダンスで三人姉妹。ポタライブで三人姉妹。ソロダンスなのに三人姉妹……、って何だかキャッチコピーみたいになってしまいました。
これはかなり強烈な作品です。もともと、ソロダンス用に「三人姉妹」を創作していたそうですが、今回はさらにポタライブ版として「案内人」と、そして「幸せの求道者」が登場してきます。
ダンスそのものは、なんと言うのでしょう、かなり「痛み」に訴えてくるものです。肉体的に、ではなく精神的な痛み。
きっとその「痛み」の表現が、観客以外の人々にも伝わったのでしょう。
「通報があったんだけど」とガードマンが登場するハプニングも発生しました……。

3.『平原の森』
森を探して駒場の街を歩いていると、「平原」を見つけました
【作・演出・案内】愛川武博
【出演】家所辰顕
駒場の街に「森」を探したいと考えた案内人は、自分自身の意見に賛同してくれた“彼”とともに森を探して歩き周ります。
しかしながら都会の真ん中には森そのものがなく、敢えて森や平原といったイメージを喚起させる「部分」「部分」が断片として現れては消えていくのです。
しかしながらそのラスト。
それまで断片化された存在で我々の目の前に現れては消えていった自然の「部分」「部分」が、一気にひとつのまとまりとなり、大きな森の中にいることを実感させられる不思議な物語なのでした。

4.『待惚』
コントロールできない物語の進行に、皆、メチャクチャ楽しそうです
【作・演出】重森一
【出演】垣内友香里
ドエライ作品が登場しました。
作者自身、「ひょっとして終わらないかもしれない」と心配していた作品です。
内容は、作者が一切登場しません。出演者もほとんど登場しません。一旦物語が始まってしまえば、作者も出演者も物語の進行を一切コントロールできません。
すべてが謎の物語なのです。
ああ、何を話してもネタバレになってしまうミステリ仕立ての物語。
そしてラスト、達成感とともに終着した我々観客は、タイトルの真意が判明するのです。
そのどんでん返しに世界観が覆った瞬間、終着点に到達した達成感以上に「なるほど、そんな意味が隠されていたのか!」という納得感とともにカタルシスが得られるという、とてつもない作品でもあるのでした。