珍しいキノコ舞踊団「あなたの寝顔をなでてみる。」 (吉祥寺シアター)

いやー、やっと珍しいキノコ舞踊団を観に行くことができました。
場所は吉祥寺シアターです。

実は、これまでにも何度かチケットを取ることができて「いやっほう、観に行くぜ」などと思っていたのですが......なんというか、縁がないというのか。
まるで公演日を狙っているかのようにトラブルが発生してしまい、いつもチケットを誰かに譲り続けてきたのです。
そんな訳で、珍しいキノコ舞踊団の公演は、今日でまだ2回目なのです。
前回行ったのはもう2年も前、しかもシークレットギグみたいな公演だったのでした)
しかし今日の開演は、午後8時からと、ちょいと遅めの始まりなのです。
珍しいキノコ舞踊団「あなたの寝顔をなでてみる。」 (吉祥寺シアター)

そこで、まずは井の頭公園方面に立ち寄って、「Donatello's gelato cafe(ドナテロウズ ジェラート カフェ)」に行ってアイスクリームをいただいてきました。
このお店には、なぜかネコが居着いていると聞いたので、「どれどれ......」と楽しみにしていたのです。
「あ、あのお店かー」と発見したとたんに「うわ、ホントにネコがいる!」。
店先に並べられているイスに、まるでボスのようにニラミをきかせるパンダネコがいたのです。
プライド高く、決して人間には媚びを売らないボスネコの
しかしこのボスネコの"パンダ"、本当にプライドが高いのです。

「失礼します」
「......?」
「触らせていただいてもよろしいでしょうか」
「......。」
「では、失礼します」
「......。」

寡黙なんですよ、寡黙。
もうね、ネコ界のデューク東郷ことゴルゴ13と思ってしまうぐらいの寡黙さなんです。
(タバコは吸っていませんし、背中は向けたい放題でしたが)
そのくせ、ぼくがご自慢のゴールドフィンガーテクニックで喉もとのツボをゴロゴロしてやると、

「ア、アカン、こんな人間共のゴロゴロに負けてられ......ア、アカン、気持ちいい......、負けてられるか......クソ......でも気持ちいい......」

と、必死に気持ちいい眼をしてしまう己(おのれ)と戦っているのですよ。
このプライド高きキャツと戦うこと数分。
やったよ、母さん! ぼくは勝ったよ!
どうですか、この憎たらしい顔つきながらもついついウットリしてしまった顔!
プライドが許さないのか、憎たらしい顔つきながらもついウットリとした顔になってしまったボスネコの
しかし、そんな人間に自分がウットリ顔をしてしまい、負けてしまったのがよほど悔しかったのか、もの凄い無表情な顔で

「フン」

と睨み付けると、夜の井の頭公園の雑踏の中に消えて行ってしまったのでした。
もうまるでラスボスに勝って念願だった難解ゲームをオールクリアしたかのような満足感に、そのまま電車に乗って帰ってしまうとことでした。

......って、ダメダメ!
すっかり今日の本題を忘れています。「珍しいキノコ舞踊団」を観に行かなくてはなりませんよ。
せっかくのチケットを"またまたまた(これまでに2回経験済み)"ムダにしてしまうところでしたよ。

そんな訳で、駅とは点対称に反対方向に当たる吉祥寺シアターに行ったのでした。
この吉祥寺シアターは、とにかくステージがメチャクチャ広いのです。
奥行きだけでなく、吹き抜けもあり、高さもメチャクチャあるので、観客の体感としてはとにかく「デカい」という印象があるステージなのです。
それをメンバー5名だけのダンスで活かしきることができるのでしょうか。
これまで観に行ったお芝居などでも、広さはセットでカバーしている作品が多いなか、上方まではカバーしきれていないことが多く、いつも「高さの使い方がもったいないなあ」と思わされてきたのです。

ところが今回のステージ。
大きな舞台スペース"すべて"を使おうとはせず、敢えて「私たちにはこれだけの広さがあれば十分です」という宣言なのか、幕で舞台スペースを区切っているのです。
上方も、吹き抜けを見せることなく、その区切った広さに合わせた幕の高さしか見せていないため、まるでその「幕で区切られている空間」だけが、今回の公演のためのスペースのように見えてくるから不思議なんですね。
......そうか! なるほど! そう言うことだったのですね!
これまで、吉祥寺シアターで公演してきた舞台作品では、「そこにある」大きなステージ全面を無理矢理に使おうとするから、かえって使いこなせていなかったところが「無駄なスペース」として目立っていたのかもしれません。
そこを無理に使おうとせず、「自分たちにはこれで十分です」と、必要な分だけ区切ってしまえば、無駄なスペースは一切排除され、「もったいない」と感じさせる不自然さはないのかもしれません。
これはひとつの新しい発見のような気がしてきましたよ。

今回の席はC列9番ということで、「3列目かぁ」と思いきや、席に着いてビックリ。
最前列!
しかもど真ん中!
ああん、ああん。
メンバーがホンのすぐ目の前でフワリフワリと不思議な感覚に陥れられる「キノコ」のメンバーがダンスを踊っているのですよ。
もう至福のひととき。ウットリ。

今回のダンスも、よくよく考えると実はかなりトリッキーな動きなはずなのに、まったく奇抜な動きとして見せつけないのです。
またコンテンポラリーダンスに付きものとさえ言える「身体へのストイックさ」といった感覚も微塵にさえ感じさせないのですね。
それどころか、逆にニコニコと笑顔さえ浮かべながら踊るメンバーの姿には、観客までもが楽しくなって一緒にニコニコしてしまうような、そんな気持ちにさせられてしまうのですね。
一般的に「コンテンポラリーダンス」といえば、孤高でストイックなもの、ある意味シャーマン的な印象があるのですが、珍しいキノコ舞踊団のダンスはその真逆の位置にあると思うのです。
楽しくてウキウキして面白い。
例えて言うなら、ニッポンの「能」に対する「歌舞伎」にあたるような位置付けでしょうか。

そんな楽しい気持ちのままに"ふうわり、ふうわり"と空中に浮遊するような気持ちのままで終了したあっという間の1時間なのでした。
いやあ、やっぱり「珍しいキノコ舞踊団」、いいですよ。
また次回もぜひ、チケットをムダにすることなく観に行きたいものです。
会場の吉祥寺シアターと、公演案内ポスター

コメント

吉祥寺シアター  近くに住んでいるくせに一度も行ったことがありません、行きたくとも見たい公演が無ければ入ることはできませんが…

ドナテロウズ 行かれたんですねー
入口にもニャ、店内奥にもニャ、店内奥の窓越しにもニャ、 余裕があれば井の頭公園の池の辺を一周してみてくださいませ
3ニャはいけます!  内の何ニャかはたいていドナテロウズ餌付け済がいて戯れ合えますよー

以前までは大きな会場と言えば、本多劇場が多かったのですが、最近はなぜか吉祥寺シアターに縁があります。
まだ建って間もないから、とてもきれいで居心地がいいのですね。
ここで行われる公演は、かなり力を入れているものばかりなのでハズレがないと思いますよ。
(とは言っても個人的な好みの問題にも寄りますが……)

ドナテロウズはあまり時間がなかったので、入口にいたボスネコの“パンダ”とだけしか遊べませんでした。
また時間があれば行ってみたいと思います。
しかし焼き鳥のにおいがすごいですね、あの界隈(笑)。
ニャンコたち、あの焼き鳥のにおいにつられて暴走してしまわないのでしょうか。