あさのあつこサイン色紙に本屋さんの良心を考えた

朝一番に本屋さんに行ったときのことです。
お客さんもまだ少なく、台車に段ボールごと積み上げた本を店員さんが店のあっちの台へ、こっちの台へと品出ししていたのでした。
結構、一回あたりに持つ本の量は半端じゃありません。
腰痛野郎のぼくには、見ているだけでも腰にきそうです。
それほどまでにデインジャラスな光景が繰り広げられているのでした。

そんなデインジャラスな店内をフラフラ、ブラブラと歩き回っていると、通路に放置されてある台車が目に入りました。
大きく「日販」と書かれた段ボールがグシャグシャになって積まれてあるので、きっとどこかの本棚で店員さんが品出しをしている真っ最中のものなのでしょう。
そんな台車をよくよく見てみると......「ん?」。
誰かの色紙がありますよ
誰かの色紙があるのですよ。
これは気になります。メチャクチャ気になります。
しかし、ここからでは遠くてよく見えません。

よく見えるように近づいてみました。
台車のフェンス部分が邪魔......
ぬおうおう、台車のフェンス部分が邪魔でよく見えません。

そうか、角度が悪いんだなと見える角度を変えてみました。
画質が悪くてよく判りません
んがぁぁぁ!
角度は程よく、色紙がほとんど見えているのですが、デジカメの画質が悪くて、これでは今ひとつ誰のサイン色紙なのだか判りません。

そんな訳で台車の(ほぼ)真上から撮ってみました。
最初からこの角度で見ていれば、そんなコソコソとアヤシイ行動を取らなくてもすんだものを。
あさのあつこのサイン色紙でした
よーし、サイン確認オッケー!
あさのあつこのメッセージ入りサイン色紙なのでした。
そういえば、今、あさのあつこの新刊がドカンと積み上がっていますものね。
きっとそのセールスの一環で、出版社から送られてきたサイン色紙なのでしょう。

しかし考えてみると、この台車に置かれたサイン色紙って、客をものすごく信用しているってことなんですよね。
だって作家の直筆サイン入り色紙が、目の前にあるのですよ。
そのままヒョイと持って行くことだってできてしまうのです。
しかしそんなことを考えずに、こうして堂々と客を試すかのように台車の上に無造作に置いてあるのです。
うーん、やっぱりお客さんを信用してなくっちゃできませんって。

そう考えると、"本屋さん"という商売自体が、お客さんを信用しないと成り立たないものなのかもしれませんね。
実際、店内はあれだけの死角があるのですから、やはり万引き問題もかなり大きいのでしょう。
万引き被害が多くて、店を畳んだ本屋さんもあると聞いたことがあります。
それだけ死角が多くなっても、本棚に本をズラリと並べ、「お好きな本をどうぞ」という販売方法は変わらないのですからね。
もし客のことがまったく信用できない店であれば、店の在庫は図書館のように閉架書棚にしてしまうということもあり得ますからね。
お客さんが本を購入したいときは、レジカウンターで「○○の新刊『●●』をください」と伝え、店員さんが「少々お待ちください」と倉庫まで走り、「こちらでよろしいですね」と訊ねてバーコードで"ピッ"。
うわ、ほとんど図書館の世界やん。

しかし、本屋さんが決してそんな販売方法をとらないのは、やはり一部の万引き野郎("野郎"だけとは限らないのですが)のために、大多数の本好きの楽しみ(本屋さんの店内をブラブラ眺めて、「こんな本が出ていたのか」とか「こんな面白そうな本があったのか」といったもの)を犠牲にしたくないという思いが強く滲んでいるような、そんな気がしてならないのでした。
......って、あさのあつこのサイン色紙1枚見ただけで考えることがドンドンと大きくなってしまい、収拾がつかなくなってしまいました。

しかし、先ほどからずっと「あさのあつこ」と入力しているのに、ついつい変換してしまい

浅野温子

となってしまいます。
今日のエントリーのどこかで、"浅野温子"という言葉があったら、「あ、ついうっかり変換しやがったな」と笑いながら頭のなかで、ひらがなの"あさのあつこ"に戻しておいてください。